[管理番号:6529]
性別:女性
年齢:32歳
田澤先生、いつもお世話になっております。
先生のアドバイス、いつもありがたく読ませてもらっています。
私についてです。
32才、女性。
平成28年7月 個人病院でのエコー、細胞診により、左胸乳がん発覚。
(当時30才)
平成28年8月から アントラサイクリン4回、タキサン系(アブラキサン)4回。
平成29年2月後半 乳房温存手術、断端陰性。
同時にセンチネルリンパ生検。
リンパ節転移はなし。
(リンパ郭清、省略)
平成29年5月から6月の半ばまで放射線治療
(計25回)
化学療法を行う前の、腫瘍については、
大きさ 3.1センチ。
(←術前化学療法を行ったことにより、縮小しました。)
トリプルネガティブ。
遠隔転移なし。
ステージ2a
ki-67 40.8
グレード2a(これは主治医によると化学療法の効果後?に見たものだそうです。)
放射線治療後も定期的に検査(触診、血液検査、エコー、マンモグラフィなど)を行なってきました。
今年の2月(下旬)日にマンモグラフィと胸のエコーをとった時にも何も異常はありませんでした。
ところが、先月の終わり頃に、術部周辺と鎖骨の近くにいくつものしこりを見つけました。
エコーによるとしこりは8個あり、MRI(造影剤実施)ではそのうちのいくつかは血流が豊富ということでした。
3日前に細胞診と組織診をとり(しこりにより、変えたそうです。)来週結果が出ます。
そこで先生に質問です。
・先生はこの場合、やはり局所再発の可能性が高いと思いますか?(主治医は局所再発の割にはしこりの場所が離れすぎてるかな、とおっしゃっていましたが…)
・もし局所再発だとしたら、先生はやはり、手術で全摘を行うのみで、抗がん剤を使用しませんか?
・(もし局所再発だとして)私のように再発までの期間が短い場合でも同じように考えますか?
・乳癌診療ガイドラインによると、局所再発後は遠隔転移を起こす確率が高くなる、と書かれていました。
先生の豊富なご経験でもそのように感じますか?また、抗がん剤を使うことによる、遠隔転移を起こす確率というのは変わらないでしょうか?
・また「患者さんのための乳癌診療ガイドライン」によると再発までの期間が短い場合は、先に抗がん剤治療を行い、様子をみると書かれていました。
それでもやはり、
全摘だけでいいでしょうか?
こちらのサイトで、局所再発は取り残しであり、抗がん剤も必要ないと先生が何度もおっしゃっているのは分かっております。
私も先生のおっしゃる通り、そうしたいと思いました。
ただガイドラインにこんなことが書かれていたため、もし局所再発だった場合は自分は再発までの期間が短いのもあるため、自分の治療方針をどうしていいのか分からなくなってしまい、先生に同じような質問をしてしまいました。
拙い文章で、しかも同じような質問をしてしまい、本当に申し訳ございません。
どうぞよろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「・先生はこの場合、やはり局所再発の可能性が高いと思いますか?(主治医は局所再発の割にはしこりの場所が離れすぎてるかな、とおっしゃっていましたが…)」
→そう思います。
今回一番気になるのは「普通の温存」ではなく、「術前化学療法後の温存」だということです。
一見縮小したように見えても、術前抗がん剤の場合には、周辺に「島状に」残存している可能性があるのです。(それが増大したので複数なのかもしれません)
「・もし局所再発だとしたら、先生はやはり、手術で全摘を行うのみで、抗がん剤を使用しませんか?」
→もちろんです。
質問者様から 【質問2 局所再発】
性別:女性
年齢:32歳
管理番号 6529
先生、今日は質問に答えてくださり、ありがとうございました。
次の診察までに日がないため、一週間空けずにの質問、どうぞお許しください。
先生に局所再発の可能性が高いと言われ、ひどく落ち込んでいます。
ですが、小学生の息子が1人いるので、落ち込んでばかりもいられず、これからの治療について考えたいと辛い心を奮い立たせています。
私の主治医は薬剤についての知識が深く、
抗がん剤の前に、それに関しては信頼していいよ。
と周りのスタッフに言われたことがあります。
また、最初から術前化学療法・温存をすすめており(私が若いからという理由で)私も全摘出を辛く感じたのもあり、その意向に従いました。
あくまで私の予想ですが、もし局所再発だった場合、主治医は高い確率で抗がん剤をすすめてくる気がします。
抗がん剤を打たなかった場合の遠隔転移率、予後が怖いです…怖いですが、必要もないのに、打つのもどうかと…頭の中でその2つがぐるぐるそれが回っていて、吐きそうです。
ですが、先生の力強いお言葉で、抗がん剤を打たないのもありではないかと思いつつあります。
そこで先生に質問です。
・もしありがたいことに、局所再発でないならば、このしこりは他にどのような理由が考えられますか?
・局所再発である可能性はどれくらいでしょうか?
・先生のところへの転院は可能でしょうか?
・その場合に必要なもの。
必要な通院回数を教えてください。
・次に全摘出をしたとして、以前に一度放射線治も療をしましたが、もうインプラントによる再建はできないでしょうか?
色々質問してしまってすみません。
お手数かけますがよろしくお願いします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
物事はシンプルに考えましょう。
現に「そこに腫瘍がある」、そして「それは、手術で取り切れる範囲にある」
この状況だとして(私は実際の「複数ある」という腫瘍の位置関係を勿論、見ていないわけですが)「手術で摘出しない理由」はありますか??
☆質問者のメールを読んでいると、「抗がん剤をするか? (それとも)手術をする
のか?」という2者択一となっているように見えますが、「抗がん剤を(最終的に)するのか?」は今すぐ考える必要のないことです。
「取れるものは取る」その後に、(どうしても心配だからと)「抗がん剤を検討する」それでいいのでは??
★このようなケースで(局所再発と遠隔転移の区別をせずに)「再発は再発だから…」みたいに、安易に(手術せずに)「抗がん剤を先行させてしまう」最大の問題点は、『もしも、抗がん剤が効かなかったら、(そうこうしている内に)手術不能な状態に追い込まれてしまう』リスクがあるということなのです。
「・もしありがたいことに、局所再発でないならば、このしこりは他にどのような理由が考えられますか?」
「局所再発である可能性はどれくらいでしょうか?」
→それは、(実際に診察していない)私には想像が及ばないことです。
ただ、状況的には(局所再発以外のケースは)考えにくいとは思います。
「・先生のところへの転院は可能でしょうか?」
→それは可能ですが…
ただ、まずは現主治医に「きちんと自らの希望」をお話しして、「どうしても意見が合わない(治療に納得がいかない)」という状況なのか確認してからの話となります。
そのうえで、「治療法に納得がいかない。他の方法(自分の納得できる方法)が可能なのではないか?」と思ったら、その旨を主治医に伝えてからとなります。
「・その場合に必要なもの。」
→紹介状と病理所見(初回手術、今回の組織検査)と画像
「必要な通院回数を教えてください。」
→2回です。