Site Overlay

非浸潤乳管がんから局所再発、骨転移疑い

[管理番号:6404]
性別:女性
年齢:47歳
田澤先生

初めて質問いたします。
よろしくお願いします。

いつもこちらのQandAで勉強させていただき、勇気をもらっています。
また、青春時代の数年間を仙台で過ごしており、コラムも楽しみに
しながら拝読させていただき、懐かしさと親近感を(勝手に)抱いております。
先生の治療に対する真摯な姿勢、このQandAへのガイドラインに沿った明確な回答に感銘を受けています。

(経緯)
・2013年3月 左非浸潤性乳管がん
左胸の違和感(母乳が溜まってきたような張り)、乳頭から血液が出てきたため受診。
 
全摘出(乳輪と乳首は残す) センチネルリンパ陰性(郭清なし)
ER+ PR+ Ki67 15% タスオミン3年 リュープリン3年
(ガイドラインではタスオミンはまだ5年ではなかったと記憶しています。)
リュープリン1年しましたが副作用強く、私の場合は不要ではないかと
の疑問があり、主治医に相談し中断。
タスオミンのみ継続。

・2016年1月、3か月ほど前より不正出血あり別病院の婦人科受診。
定期的に細胞診をしていたが、陽性反応あり。
前がん状態ではない
が、左右卵巣に脳腫、子宮筋腫あり、卵巣、子宮の全摘出。
タスオミン5年すすめられたものの、卵巣摘出したため、終了。
以降は経過観察、
半年ごとの超音波検査と1年に1回、対側のマンモグラフィ。

・2018年4月、5年目の超音波検査で乳輪の下に再発。
左脇にしこり1コ。
どちらも細胞診にて悪性。
5月(今月)手術、リンパ節はⅠ、
Ⅱの郭清術。
Ⅰは1/9、Ⅱは0/5。
(術前に検査したしこりのみだった。)
乳輪下の腫瘍は狭い範囲での再発、(エコー時、技師さんの話では多くみて12mm。)前回メスを入れたラインの下。
術前の造影剤CTにて胸椎6番に骨転移疑いあり。
(痛みなどの自覚症状なし)後日、MRI。
丸いものが写っており、退院後、大学病院でPETCT、サブタイプの結果を含め、今月末に結果を聞くことになっています。
現時点で分かっていることは以上になります。

先生に伺いたいことは、
1)主治医は腋下のリンパ1個が悪性だったため、骨転移の結果に関係なく化学療法が必要とのこと。
→前回、乳輪、乳首を残したための取り残し、腋下のリンパ節は局所再発、しこりは1個。
サブタイプはまだ判明していませんが、もし前回同様ホルモン療法が効くタイプの場合でも化学療法は必要??

2)骨転移ありの場合、サブタイプに合わせた全身療法とランマークな
どの骨に対する治療がスタンダードだと思うのですが、化学療法が必要な場合はどのような結果の場合でしょうか。

3)前回のセンチネルリンパ節生検が、実は今回悪性だったリンパだったということは考えられるでしょうか?
つまり、実際はリンパ節転移なしで、当時間違えたリンパ節1個が大きくなって判明した可能性はありますか?

4)Ⅱ領域のリンパ転移は0でしたが、Ⅲ領域の放射線治療はしておくべきでしょうか。
前回、していないのでご意見を伺いたいです。
私は3姉妹で、全員40代で乳がんになっています。
母はなっていません。
父方、母方ともにがん家系です。
現時点で遺伝子検査をする予定はありません。
(30代だったらしているかもしれません。)
主治医より結果を聞く際に、何か確認しておくべき事項があればご教授下さい。
田澤先生であればどのような治療方針になりますか?
結果がすべて出ていない中での相談になり申し訳ありません。
今後の治療内容については、転院も視野にいれて考えています。
念のため化学療法、といったような、もし不必要な治療を勧められる場合には転院を検討したいと考えています。
お忙しい中恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

正直な感想としては、「乳頭乳輪温存全摘で、(結果として)乳頭部に局所再発」したということは、そもそも「乳頭乳輪温存の適応だったのか?」という疑問があります。
乳頭乳輪温存乳房切除の本来の適応は「乳頭から十分な距離があり、十分小さな病変」です。(適応が拡大解釈されていたのでは?)
私自身、乳頭部再発というのは殆ど経験がなく、例外としては(ここ東京に来てから)「他院で乳頭乳輪温存乳房切除をした患者さん」だけです。
非浸潤癌で全摘は本来「根治」で当然ホルモン療法は不要なのですが、「ホルモン療法をされている」ことからも「担当医は乳頭再発のリスクを感じていた」と考えると、バランスを欠いた治療と(私には)思えます。

「もし前回同様ホルモン療法が効くタイプの場合でも化学療法は必要??」
⇒あくまでも局所再発
 化学療法をする根拠がありません。
 ○結果としてホルモン療法で抑えられていた(取り残されていた)癌細胞が、(ホルモン療法の中止により)再増殖と考えれば(その通りだと思いますが)、術後には(改めて)ホルモン療法による術後補助療法の再開がいいでしょう。

「2)骨転移ありの場合、サブタイプに合わせた全身療法とランマークなどの骨に対する治療がスタンダードだと思うのですが、化学療法が必要な場合はどのような結果の場合でしょうか。」
⇒必要というか…
 もしも骨転移があるなら、「化学療法できちんと骨転移を抑え込む⇒ホルモン療法で(いい状態を)維持」という考え方もありです。(化学療法が必須ではありません)

「実際はリンパ節転移なしで、当時間違えたリンパ節1個が大きくなって判明した可能性はありますか?」
⇒そう思います。
 よく考えてください。
 全摘して(腋窩への)リンパ管の経路自体、無い筈ですよね?
 「新しく乳頭に再発した腫瘍から、あらたに腋窩リンパ節へ転移」するなど、全くナンセンスです。
 ☆おそらく、最初からリンパ節転移が有った(ということは、実は非浸潤癌ではなかった=乳頭部にそもそも浸潤癌が存在していた)
  それが、「ホルモン療法中は抑えられていたが、ホルモン療法を中止したことで、ゆっくり増大」したと考えます。

「4)Ⅱ領域のリンパ転移は0でしたが、Ⅲ領域の放射線治療はしておくべきでしょうか。」
⇒不要

「主治医より結果を聞く際に、何か確認しておくべき事項があればご教授」
⇒聞くというか…
 きちんと「局所再発」と「遠隔転移再発」を分けて考えてもらい、「再発=化学療法」みたいな根拠のない治療とならないようにしましょう。
 『今週のコラム 84回目 「初回手術の取り残しを摘出するだけでよい」と言う事なのです。』ということです。
 
 

 

質問者様から 【質問2 再発後、今後の治療について】

性別:女性
年齢:47歳

田澤先生 お忙しいところ申し訳ありません。
今はこのQandAが心の支えです。
病理の結果が出まして、再度相談させてください。

浸潤性乳管癌、充実腺管癌、再発 骨転移なし。
L,E 12mm、f(+)、s(+)、ly(+)、v(-)
核グレード 3(atypir3、mitosis3)
N(+) 1/12(Ⅰ 1/9、Ⅱ 0/3) EIC(-)
腫瘍は横紋筋に接しているが、横紋筋内への浸潤はなし。
ER(+)高度 PgR(+)中等度 HER2 +1(陰性) Ki67 40%
骨転移なく、まずは安心しました。
前回相談させていただいて、すべて納得できました。
5年前はすでに浸潤癌、取り残したものが大きくなったこと、リンパ1コについても謎が解けました。
センチネルリンパ節を間違えた可能性についても納得がいきました。
全摘後にホルモン療法をしていたのは、乳頭乳輪の取り残しの可能性を考えていたのではなく、家族性が高い可能性があったためです。
先生のアドバイスやこちらで勉強させていただき、局所再発と遠隔転移を分けて考えていただくよう、診察に挑みました。
主治医はまず化学療法が必要。
それはリンパの転移があったという理由と悪性度が高い、全身の治療が必要、ホルモン療法も効くタイプだけど化学療法がいい、放射線治療は不要(リンパ1個)との話でした。
ホルモン療法するなら化学療法の後になる。
全摘しているにも関わらず、リンパの転移はどこからの転移ですか、と伺うと今回の乳頭の腫瘍が皮膚を介して転移した。
(そんなことはあるのでしょうか。)
化学療法が第一選択、という点に納得いかず、放射線治療やオンコタイプDXを行っている病院に紹介状をお願いして帰ってきました。

先生に伺いたいことは、
1)全身療法としてホルモン療法が必要と理解しています。
一方、グレード3、Ki67 40%という数値も気になります。
腫瘍径は12mmです。
先生でしたらどのような治療になりますか?
副作用のデメリットを上回る、化学療法を上乗せするメリットはありますか。

2)主治医は腫瘍は皮膚や横紋筋も一部切除し、残っているものはない。
化学療法が必ず効くかどうかわからないけれど、今度再発した場合
に手術ができないとなると困るので、補助療法として必要との意見です。
これはホルモン療法ではできないことなのでしょうか。

3)主治医にもし化学療法する場合の薬剤は?と伺うとタキサン系かなあ、他の先生にも相談して決めたい、とうやむやな回答でした。
上乗せするメリットがある場合、先生でしたらどの薬剤になりますか。
仕事もしており、きつい副作用は避けたいと思う一方、今回の骨転移疑いで精神的に参り、副作用を覚悟してでも遠隔転移はなんとしても避けたい気持ちがあります。

4)前回、放射線治療をしていません。
今後、再建する予定もありません。
主治医に局所治療として放射線を希望したところ、(不要と言われ
ましたが)もしするのならリンパ節(転移しないように)と言われました。
そこは??と思っておりますが、胸壁への照射はしておきたいと考
えておりますが、無駄でしょうか?また、同じ個所を2度手術しているため、皮膚障害の可能性が高いともいわれました。

5)PETCTをしました。
骨にはまったく集積はなく、術部に少し集積が
あるとのこと、これは手術の影響だといわれました。
術後はそのように写るものなのでしょうか。
万が一取り残しがある可能性はないのでしょうか。
胸椎6番に写っているものについて悪性は否定されたものの、なにかしら写っているため、整形外科でフォローが必要かどうかもあわせて紹介先の整形を受診したいと思っています。

6)卵巣を摘出するまではタスオミンを服用していました。
今後のホルモン療法はアロマターゼ阻害薬になるかと思いますが、3種類ある薬剤の中でなにか違いはあるのでしょうか。
効果はほぼ同じと何かで読みましたが、副作用に違いはありますか。
主治医はリンパ節1個の腫瘍は遠隔転移のリスクと考えているようであり、局所再発の治療をまず行うという考えはない様子でした。
田澤先生のご意見を伺い、紹介先へ行きたいと思っています。
的確でエビデンスに沿った経験豊かな先生の意見が本当に信頼できます。
不安が多く、長文になりました。
申し訳ありません。
ご多忙かと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「今回の乳頭の腫瘍が皮膚を介して転移した。(そんなことはあるのでしょうか。)」
⇒荒唐無稽(まさか、本気で信じていはいないでしょう)
「先生でしたらどのような治療になりますか?」
「上乗せするメリットがある場合、先生でしたらどの薬剤になりますか。」

⇒ホルモン療法の継続です。
 たんに(初回手術で)「取り残した癌を切除しただけ」なのだから 『今週のコラム 84回目 「初回手術の取り残しを摘出するだけでよい」と言う事なのです。
を是非ご参照ください。

「これはホルモン療法ではできないことなのでしょうか。」
⇒抗癌剤をする根拠とはなりません。

「主治医に局所治療として放射線を希望したところ、(不要と言われましたが)もしするのならリンパ節(転移しないように)と言われました。」
⇒???
 全く意味不明
 質問者が理解されているように、照射するとすれば胸壁ですが、(リンパ節はきちんと郭清して結局1個だけ、ここで照射すると患肢浮腫のリスクが増すだけです)

「胸壁への照射はしておきたいと考えておりますが、無駄でしょうか?」
⇒全身療法の追加として抗癌剤をするよりは、理にかなっています。

「また、同じ個所を2度手術しているため、皮膚障害の可能性が高いともいわれました。」
⇒???
 全く無関係

「今後のホルモン療法はアロマターゼ阻害薬になるかと思いますが、3種類ある薬剤の中でなにか違いはあるのでしょうか。」
⇒違いは殆どありません。
 一番、信頼性が高い(早い時期に発売されている)のはアナストロゾール(アリミデックス)です。

「主治医はリンパ節1個の腫瘍は遠隔転移のリスクと考えているようであり、局所再発の治療をまず行うという考えはない様子」
⇒頭を整理してもらいたいものです。
 リンパ節転移が(初回手術時の)予後因子であることと「ごちゃ混ぜ」となっているのでしょう。(初回手術時には、統計的に関係がある「直接の関係はありません」が、局所再発としてのリンパ節再発は遠隔転移とは無関係です)

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

再々発後の治療について
性別:女性
年齢:49歳
病名:乳がん再発
症状:
投稿日:2020年4月16日

田澤先生
前回相談させていただいてから2年経ち、アドバイスいただいた内容を含め転院先の主治医と相談し、アナストロゾールを服薬しておりました。

今回再々発し、今後の治療について再度相談させてください。

このQandAがいつも心強く、信頼できる田澤先生の回答に励まされています。

3か月ごとに通院し、問題なくきておりました。
今年の4月末に2年目の検査をする予定でしたが、先月(ある日突然という印象です)鎖骨上のリンパ節腫大があり、翌日同じ病院の耳鼻咽喉科を受診しました。
造影CTをして、リンパ節生検のため3日間入院し切除、組織検査をしました。
(なぜか腫れは3日ほどで引きました)
耳鼻科領域のものではなく、乳がんの転移との診断でした。

頂いた資料のまま記載します。

(CT)
・咽頭部に腫瘤性病変は認めません。
両側、耳下腺、顎下腺および甲状腺に腫瘍性病変は認めがたい。

・(1年前のCTと比較して)左胸壁皮下に小結節出現。再発を疑う。

 左鎖骨上窩にはリンパ節と思われる結節が出現、転移と思われる。

 左傍胸骨に軟部腫瘤が出現、傍胸骨リンパ節転移や胸壁への播種が考えられる。

・肺野に転移を示唆する所見なし。
縦隔・肺門部に有意なリンパ節腫大はみられない。
胸水はみられない。
撮影範囲内の骨に転移を示唆する所見なし。

・(診断)左胸壁皮下結節:再発の疑い。
左鎖骨上窩リンパ節転移、左傍胸骨リンパ節転移または胸壁播種の疑い。

(病理診断)
・Metastatic ductal carcinoma(1/2)
Compatible with breast cancer metastasis
(病理所見)
・リンパ節2個中(切除したのは1個ですが、その中にもう1個あった)1個の広範囲に癌の転移巣を広範囲に認めた。
既往乳がんの転移の可能性を考えたい。
免疫染色で検討する。

(免疫染色結果)
既往浸潤性乳管癌の転移と考える。

CK7(+) GCOFP-15(-)ER:5+3=8 PgR:Q+Q=Q
HER2:1+ MIB-1 index:30%
Luminal B-Like(HER2陰性)

主治医は今後の治療について、全身のホルモン療法になる、手術はしない。
フルベストラント単独、またはイプランスを追加、決めてくれていい。
フルベストラント単独でもおとなしいタイプだから十分効果があると思う、とのことです。

こちらのサイトでトモセラピーのことを知っていたので放射線は?と伺うと、もうこの状態では局所の治療ではなく全身の治療だと。
してもいいけど絶対じゃない、
とのことでした(主治医はピンポイントに、ということではなく、ある範囲で照射する、といった話しぶり)。
放射線も抗がん剤も未実施のため、一度放射線の話を聞きたいとお願いし、紹介状をもって診察をする予定になっています。
(がん治療の最先端の病院で、IMRTはありますが、トモセラビーはないようです)
このサイトで学んだうえで思うのは、胸骨のリンパはオペは(できないことはないが)難しいが、基本的に取れるものは取る。
敵は弱いうちに叩く・・です。
まだ抗がん剤をしていないので、抗がん剤(bevacizumab + paclitaxel もしくは
eriblin)→トモセラピー→ホルモン療法+パルボシクリブの治療が一番いいのでは、と感じています。

1)今回、再発の再発になります。
田澤先生でしたらどのような治療がベストとお考えでしょうか。
根治を目指したいですが、主治医の話しぶりはそうではありません。
今回の治療がとても大事だと思っています。
また治療の順番で優劣はありますか。
仕事の関係上、例えば抗がん剤のスケジュールが今取れない場合、先に放治、はアリでしょうか。
また胸壁のリンパ節はどのように考えたらよいでしょうか。

2)paclitaxel とeriblin、薬剤の選択で大きく異なるのはどのような場合でしょうか。
Paclitaxelの方が副作用が弱く、効果が高いとの印象があります。
(ここでの勉強で)アルコールに弱いかどうか、でしょうか。

また、1日目・・8日目・・15日目・・とありますが、副作用がもっとも出やすいのは何日目でしょうか。
先生の患者様の印象はどうでしょうか。
投与した翌日は元気で翌々日から2日ほどが一番つらかった、と何かのブログで読んだことがあります。
個人差もちろんあると思いますが、投与する曜日が選べるのであれば参考にしたいと思っています。

3)2年前の再発時に腋窩リンパ節廓清をし、転移は1個だけでした。

今回、鎖骨上窩の転移はどのようなルートでしょうか。
胸壁にもあるということはやはり再発オペでも取残しがあり、そこから胸骨リンパ、鎖骨、と考えられますか?2年前のPETCTで術部に少し集積があるとのことでした。
手術の影響だといわれましたが、今回の再発に関係している可能性はあったのでしょうか。
(終わってしまったことを考えても仕方ありませんが・・)

4)放治をする場合、(来週受診する病院にはトモセラピーが無いようなので)IMRTで治療可能でしょうか。
(知識がなく調べきれませんでした)

5)本心を言うと抗がん剤は避けたいですが、ホルモン治療だけでこのまま上手くいくようには思えないのです(敵を倒しきれない)。
ここまでくるとホルモン療法(3か所に再発したから全身治療という考え)、という主治医にどう伝えるといいでしょうか。

長文になりまして申し訳ありません。
今選択するべき治療を誤りたくありません。

お忙しい中、このような場があることに感謝でいっぱいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

再発治療にスタンダード無し。
これが大原則です。
主治医の治療方針が(私と異なるからといっても)それは「経験値」や「医師の性格」によるものでありガイドラインは存在しないのです。

ただ、断片的に「コンセンサスに近い」ものは存在します。
今回でいえば、

「フルベストラント単独、またはイプランスを追加、決めてくれていい フルベストラント単独でもおとなしいタイプだから十分効果があると思う」
⇒これは、どうも引っかかります。

 主治医は「Fulvestrant単独の方をより進めている」ような印象ですが、
  現在の趨勢としては、『Palbociclibは躊躇せずに(ホルモン療法を行うのであれば)、最初から積極的に併用』だと思います。

「1)今回、再発の再発になります。
田澤先生でしたらどのような治療がベストとお考えでしょうか。」

⇒治療の柱は

〇局所療法
1.放射線
〇全身療法
2.Fulvestrant+palbociclib
3.抗がん剤

となります。
論点としては
①「局所療法が先か?全身療法が先か?」
②「(全身療法としては)Fulvestrant+palbociclibが先か?抗がん剤が先か?」となります。

考え方としては
①に対して
・内臓転移(特に肝転移)であれば、全身療法を優先

②に対して
・術後に抗がん剤既治療なのか?も参考とする

以上を考慮して
放射線⇒抗がん剤(ECx4)⇒(画像上、病変が消失ならば)⇒Fulvestrant+palbociclib
放射線⇒抗がん剤(ECx4)⇒(画像上、消失でないなら)⇒taxane系もしくはeribulin⇒(画像上、病変消失してから)⇒Fulvestrant+palbociclib

「根治を目指したいですが」
⇒画像上、消失したからといって(そのまま)根治とは限りません。
 しかし、逆にいうと(画像上、消失させない限り)根治の可能性はないのです。

「仕事の関係上、例えば抗がん剤のスケジュールが今取れない場合、先に放治、はアリでしょうか。」
⇒それでいいと思います。

「また胸壁のリンパ節はどのように考えたらよいでしょうか。」
⇒「胸壁皮下に小結節」と記載されたものですか?

 主治医に(相当する部位を)エコーしてもらっていますか?
 エコーで確認できれば(サブタイプの確認も兼ねて)摘出でもいいでしょう。(いずれ、胸壁も照射したほうがいいでしょう)

「Paclitaxelの方が副作用が弱く、効果が高いとの印象」
⇒違います。

 Eribulinの方が副作用は弱い(特に、痺れ)が、bevacizumab+paclitaxelの方が効果は高いと思います。(paclitaxel単独だとeribulinと効果は変わらない)

「また、1日目・・8日目・・15日目・・とありますが、副作用がもっとも出やすいのは何日目でしょうか。」
⇒bevacizumab+paclitaxelのスケジュールですね?

 Paclitaxelによる副作用なので(どこがピークというよりは)「ダラダラ」です。

「投与した翌日は
元気で翌々日から2日ほどが一番つらかった」

⇒前投薬(ステロイド)による影響かもしれません(翌日が元気なのは)

「今回、鎖骨上窩の転移はどのようなルートでしょうか。胸壁にもある」
⇒解釈のひとつは…

 取り残しではなく
 前回が「乳頭に近い部位で、s(+):皮膚浸潤あり」の再発だったので、(その手術の「時点で)皮下のリンパ管を通って「胸壁」や「傍胸骨」「鎖骨上」などに潜んでいた可能性があります。

「IMRTで治療可能でしょうか。
(知識がなく調べきれませんでした)」

⇒tomotherapyはIMRT+IGRTとなります。

 IMRT(単独)でも十分な効果は期待できると思います。

「ここまでくるとホルモン療法(3か所に再発したから全身治療という考え)、という主治医にどう伝えるといいでしょうか。」
⇒積極的に治療を頑張りたい

その熱意を伝えるのです。(熱意は岩をも砕く)



質問者を『応援しています!』 / 田澤先生の回答が『参考になりました!』
という方はクリックしてください。
71+
Scroll Up