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高齢者の乳癌治療

[管理番号:2274]
性別:女性
年齢:77歳
初めまして。
今年に入ってから、母に乳癌が見つかりました。
マンモトーム検査を行い、1.7センチのトリプルネガティブでki-67は、70だと言われました。
術前抗がん剤治療をしてから手術。
手術後は、フルコース治療とのことです。
抗がん剤治療も75歳までは適用ですが、母の年齢でも持病が特にないため、治療したいとのことです。
抗がん剤の種類も、前半fecで、後半はタキサン系を週一でといわれました。
母の乳癌は、抗がん剤治療しか治療がないですが、体力と効き目があるかどうかはわかりませんよね。
標準治療が高齢者には出来るのかどうか悩んでいます。
悪性度が高いと、抗がん剤でも副作用が少ないタイプの治療が出来るのかどうか 宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
このメールを読んで「心底驚きました」
「77歳の1.7cmのしこり」で『術前化学療法???』
いくら(担当医が)「術前化学療法好き」だからとしても「77歳の早期乳癌で術前化学療法は、非常識」でしょう。(トリプルネガティブ云々の問題ではありません)
「抗がん剤治療も75歳までは適用ですが、母の年齢でも持病が特にないため、治療したいとのこと」
⇒「抗がん剤を(術後に)するかどうか」は別として、「とにかく手術すべき」です。
 
「悪性度が高いと、抗がん剤でも副作用が少ないタイプの治療が出来るのかどうか宜しくお願い致します。」
⇒「悪性度云々は無関係」です。
 手術した上で、「手術後に」抗がん剤をするかどうか検討すべきです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

高齢の乳がん治療について。
大事な情報を忘れました。
すみません
マンモトーム検査検査後、右胸腫瘍1.7センチ、トリネガ、kiは70
リンパに腫れが4個見られ、臓器転移は、なしです。
トリネガは、抗がん剤のみの治療だそうですが、fecという抗がん剤治療は、高齢者にできるのですか?副作用で弱ってしまうかと心配です。
リンパに4こ腫れが見られる場合、術前抗がん剤なのか、術後抗がん剤がよいか。
できれば、温存させたいです。
としたら、術前ですか?
全適して、リンパ郭清をした場合、年齢もあり腕が上がらなくなるのでは?と色々考えてしまいます。
高齢者のトリネガ乳癌に対しての抗がん剤は、出来るのでしょうか?
本人は、あと10年は生きたいと言ってます。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
○そのまま温存できるのに、(お元気とは言え)「77歳に術前抗がん剤を行う」ことに、信じられない気持でいっぱいです。
「リンパに4こ腫れが見られる場合、術前抗がん剤なのか、術後抗がん剤がよいか。」
⇒「リンパ節転移は、術前抗がん剤の適応に何ら影響はありません」
 
「できれば、温存させたいです。としたら、術前ですか?」
⇒「腫瘍径17mm」であれば、どう考えても『そのまま温存できる』筈です。
 術前抗がん剤など、『全く不要』です。
 
「全適して、リンパ郭清をした場合、年齢もあり腕が上がらなくなるのでは?と色々考えてしまいます。」
⇒質問者は勘違いしています。
 まず「乳腺をどうするか?つまり温存or全摘」は「腕の挙がり方には全く無関係」です。
 
「リンパ節郭清の程度はある程度影響」しますが、実際は「手術精度」の方が影響する部分です。
 
「高齢者のトリネガ乳癌に対しての抗がん剤は、出来るのでしょうか?」
⇒若い人のように考えてはいけません。
 有る程度の「加減が必要」だと思います。
 「術前抗がん剤をやるべきではありません」
 常識的に考えれば(抗癌剤をするとしても)術後に「有る程度の副作用を見極めながら」行うべきです。
 私であれば「アンスラサイクリンはやらずに」weekly PTXを行うでしょう。(勿論、術後にです)
 Weekly PTXならば「副作用とバランスをとりながら」完遂できるでしょう。