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抗がん剤追加投与について

[管理番号:2521]
性別:女性
年齢:43歳
はじめまして。
トリプルネガティブの乳がん闘病中の43歳の者です。
昨年10月に温存手術を行い、11月末より抗がん剤治療を行っております。
現在FECを3回目まで終え来月最後になる4回目を予定しております。
今回相談させて頂きたい内容は、通常より投与量を減らしたため、通常4回のFECを5回までやるべきか悩んております。
主治医に相談したところ、次回投与の時までに決めてくるように言われました。
自分ではどうしてよいか分からず、先生のご意見を伺えれば幸いです。
病理診断とこれまでの経緯は以下の通りです。
<病理診断>
Right breast, Bp+SN;
Invasive carcinome(NST), solid-tubular carcinoma AC area, pT1c(size:1.6×1.2cm), pNO(0/1) nuclear grade 3, f, ER(0%), PgR(0%), HER2(score0), Ki67(30%), margin(-, close)
 
<経緯>
FEC1回目の2週間後に38℃以上の発熱があり白血球が900まで下がった為、白血球をあげる注射を2度打ちました。
その1週間後に尿管結石を患い石が出るのを待った為、FEC2回目まで6週間の間があき
更に1回目の後に発熱した事を受け、投与量を8割に減らしました。
量を減らした為だと思うのですが
FEC2回目と3回目の副作用がFEC1回目と比較すると明らかに軽く、癌細胞にも聞いてないのではと心配になりました。
しかし1回目と同量にする事は、危険なので出来ないという主治医の意見もあり
次回FEC4回目は1回目の9割の量にしようという話をしております。
私としては2回目3回目の量が少なかった事の他、1回目と2回目の間が6週間もあいてしまった事もあり、
通常4回のFECを5回やった方が良いのではないかとも思ったのですが、あまり意味がないでしょうか。
先生のご意見を伺えれば幸いです。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
ここはRDIを考えます。
⇒RDI:relative dose intensity
 relative dose intensity(RDI)相対容量強度が85%以下となると「予後に悪影響を及ぼす」ことが知られています。
 RDI=実際の容量強度(RI)/計画された容量強度(RI)です。
 RI=投与量の合計/投与された期間なので、「投与間隔を延ばさなければ」総投与 量が85%以上となるように努力するべきというものです。
pT1c(16mm), pN0, TN, NG3
十分な早期乳癌ですが、トリプルネガティブでは「アンスラサイクリン+タキサン」がスタンダードレジメンとなります。
「FEC2回目まで6週間の間があき更に1回目の後に発熱した事を受け、投与量を8割に減らしました。」「次回FEC4回目は1回目の9割の量にしようという話」
⇒これでいくとRDI=350mg/400mgx12/15=280=0.7(70%)
○RDI=70%となり、「85%以下」となっています。
 
「通常4回のFECを5回やった方が良いのではないかとも思ったのですが、あまり意味がないでしょうか。」
⇒エビデンスは無いですが…
 現時点でRDI=70%で不十分とすれば、「もう1回追加」を考慮してもいいと思います。