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抗がん剤をするか悩んでます。

[管理番号:2816]
性別:女性
年齢:43歳
はじめまして。
2016年3月(下旬)日に左乳房温存手術を受けた者です。
4月(中旬)日に病理検査結果を聞き、今後の治療法に迷いご相談させていただくことにしました。
術前の針生検の結果では、ER, PgRとも陽性、HER2陰性、Ki67 18%で、おそらく放射線とホルモン治療との予想でした。
術後の結果は、
腫瘍 1.8cm f
tumor grade 2
ly 3+, v –
ER,PgR ともに100%
HER2 0
MIB-1 M-G2(20-50%)
PS 32%(183/384)
D2-40 ly2+, stroma 1+
センチネルリンパ 1個異形
ガンとはいあないレベルで転移なしとの見方
とのことで、放射線の前に抗がん剤を勧められました。
MIB-1が20%を超えていること、センチネルの結果は転移といえるものではなかったがlyが3+で乳房内でのリンパへの広がりがあったことがその理由です。
針生検の結果から、抗がん剤は考えておらず、放射線とホルモン剤をがんばろうと思ってたのでものすごく動揺しています。
この結果だと、やはり抗がん剤をやるべきでしょうか?
主治医からは、何もしなければ100人中30人が再発するところを、ホルモン剤でその半分の15人ぐらいになり、抗がん剤でさらに5-10人に減らせる、と説明を受けました。
術前のKi67が20%を超えてなかったので、MIBで20-50%とはいえ、かなり20%寄りなんじゃないか、との希望的観測があり、20%だったら抗がん剤不要では?と思ってしまいます。
ly3+は、やはりかなりリスクの高い状態で、抗がん剤はそこに対して有効なのでしょうか。
主治医から勧められるのを躊躇してしまうのは、やはり生活への影響です。
子供が5歳で保育所へ預けて仕事をしているので、脱毛と生活の両方が不安です。
ご意見を宜しくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1c(18mm), pN0, luminal, NG2
「センチネルの結果は転移といえるものではなかったがlyが3+で乳房内でのリンパへの広がりがあったことがその理由」
⇒全く「抗ガン剤を勧める理由」にはなりません。
 これは、あくまでも「局所因子」です。
  
「この結果だと、やはり抗がん剤をやるべきでしょうか?」
⇒「MIB-1が20-50%」とはあまりにも「広すぎる」数字です。
 グレーゾーンの可能性があります。
 化学療法による「上乗せ」は「5%程度」なので、特に勧めません。
 
「主治医からは、何もしなければ100人中30人が再発するところを、ホルモン剤でその半分の15人ぐらいになり、抗がん剤でさらに5-10人に減らせる、と説明を受けました。」
⇒NewAdjuvant.comの数字とは水分異なります。
 無治療では23%程度⇒ホルモン療法単独で15%⇒ホルモン療法+抗ガン剤で10%となります。
 
「ly3+は、やはりかなりリスクの高い状態で、抗がん剤はそこに対して有効なのでしょうか。」
⇒「ly」は局所因子です。
 化学療法を勧める理由にはなりません。
 
「主治医から勧められるのを躊躇してしまうのは、やはり生活への影響です。」
⇒上乗せ5%だから、「ホルモン療法単独」でいいでしょう。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

早速のご回答、ありがとうございます。
抗がん剤の上乗せ効果5%に対し、やる・やらないという
どちらの選択肢もあり得るんだと分かりホッとしました。
追加でお聞きしたいことがあります。
ER,PgR ともに100%の強陽性の場合、
抗がん剤が効きにくい、ということはあるのでしょうか?
また、これは主治医に聞くべきことかと思いますが、
MIB-1 M-G2(20-50%)
との記載は、広すぎるとのご見解でしたが、
病院側が20%以上は抗がん剤適用との区分けで
それ以上詳細な数字を出していないだけで、
出そうと思えば出せるもの、なんでしょうか?
また、造影CTとMRIは受けましたが、
PETや骨シンチは受けていません。
現時点で他の部位にガンがあるか無いかは
リンパ転移がなかったことから無い、と考えてもいいのでしょうか。
それとも、乳ガンからの転移はないけれども、
他のガンが同時にできてる場合はある可能性があるのでしょうか?
受診している大学病院は、
予約していても待ち時間2時間以上で、
主治医は忙しそうであまりゆっくり話を聞けません。
(私の事前準備が整っていないこともありますが)
こういった質問を受け付けてくれる場所があるとありがたいんですが、
当然そういうものはなく、
この場をお借りして質問させていただきました。
勉強不足で的外れな質問もあるかもしれません。
先生もお忙しい中大変恐縮ではございますが、
どうぞよろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「ER,PgR ともに100%の強陽性の場合、抗がん剤が効きにくい、ということはあるのでしょうか?」
⇒ルミナールタイプでは「抗ガン剤が(他のサブタイプに比べ)効きにくい」のは間違いありません。
 ただ「全く効かない」訳ではありません。
 
「病院側が20%以上は抗がん剤適用との区分けでそれ以上詳細な数字を出していないだけで、出そうと思えば出せるもの、なんでしょうか?」
⇒病理医の「手間の問題(実際に数をカウントしているのです)」です。
 通常は「○○%」という評価が多いです。
 
「また、造影CTとMRIは受けましたが、PETや骨シンチは受けていません。」
⇒全く必要ありません。
 是非、今週のコラム6回目「無駄どころか有害なのです」を参照してください。
 
「現時点で他の部位にガンがあるか無いかはリンパ転移がなかったことから無い、と考えてもいいのでしょうか。」
⇒遠隔転移はないと思います。
 
「それとも、乳ガンからの転移はないけれども、他のガンが同時にできてる場合はある可能性があるのでしょうか?」
⇒(他の癌がたまたま存在しているのかは)それは誰にも解りませんが、そんなことを気にしても仕方がないと思います。