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抗がん剤必須ですか!?

[管理番号:8337]
性別:女性
年齢:46歳
病名:浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2020年3月2日

田澤先生、こんにちは。
質問お願い致します!病理結果が以下のように出ました。
抗がん剤は避けられないと言われました。

リンパ転移19個中3個あり。
切除断端→陰性。
リンパ管侵襲→1。
組織悪精度→Ⅲ。

エストロゲン陽性。
プロゲステロン陽性。

HER2 蛋白スコア→1+。
Ki-67→50%
術後の治療はTC3週ごと4クールその後、
胸壁と鎖骨上リンパ節を放射線予定です。

田澤先生ならどのような診断をされますか!?
よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「抗がん剤は避けられないと言われました。」
⇒物事は整理して考えなくてはいけません。

重要なポイントは2つです。(それ以外の情報は無視してください)
①ルミナールタイプ(エストロゲン陽性)でKi67=50%
②リンパ節転移が3個

おそらく主治医が「避けられない」と言っている理由には①だけでなく②も加味されていると推測します。

「田)先生ならどのような診断をされますか!?」
⇒私は(主治医とは異なり)②は抗がん剤をすべきかの判断にはしません。(何故なら、リンパ節転移1-3個は抗がん剤すべきか?とは無関係だからです)
  ☆『今週のコラム 188回目 このデータを見ても、まだ「リンパ節転移があると(ルミナールAでも)化学療法が必要だと思いますか??」』を参照

 そうなると「①Ki67=50では抗がん剤すべきか?」という一点に集約されます。
⇒これに関しては『今週のコラム 220回目 30までは(抗がん剤の対象となる可能性が)十分に低く、OncotypeDXの恩恵を受ける中核は「31-45」だと理解できます。』をご覧ください。
 
 (グラフ④に注目してください)質問者が抗がん剤をしなくてもいい(しても上乗せがない)確率は2割強となります。

 選択肢は2つです。 1.OncotypeDXをして「自分が2割の方に入っている可能性」を調べて
みる。
 2.抗がん剤をしたほうが良い(抗がん剤による上乗せがある)可能性が高い(8割)から、抗がん剤を行う。