[管理番号:6745]
性別:女性
年齢:47歳
病名:乳がんステージⅣ(多発骨転移)
症状:自覚症状なし
いつも乳がんプラザを拝見させていただいております。
私の妻について、初めてご質問させていただきます。
H30年6月に市の検診で要精密検査となり(H28年6月の検診では異常なし)
同月に右乳房腫瘍径2.7cm硬癌、ER陽性、HER2陰性、CEA235.5、CA15-3が65.1
でシンチグラフィー及びCTを受けたところ脊椎・肋骨・鎖骨・骨盤に多発骨転移ありとの診断を受けました。
7月13日にEC療法1回目を開始しましたが、7月27日に発熱、CRP8.23、WBC1,000となりG-CSF投与されました。
その後、8月6日WBC2,620、8月13日WBC2,040、8月20日WBC2,530と推移し、
EC療法は2回目ができないまま中止となりました。
8月27日WBC2,330でパクリタキセル毎週投与に変更され1回目を実施しました。
「ご質問」
1.抗がん剤開始前のWBCは5,530だったのですが、こんなに長期間回復しないものでしょうか?
2.回復しないまま抗がん剤を継続してもよいのでしょうか?また、何か回復させる治療法があるのでしょうか?
3.上記のような状況で、先生の診療を受けることは可能でしょうか?
よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「 7月13日にEC療法1回目を開始しましたが、7月27日に発熱、CRP8.23、WBC1,000となりG-CSF投与」
→発熱性好中球減少症となった場合には、「この時点」で方針変換(レジメン変更)すべきだったと思います。
「1.抗がん剤開始前のWBCは5,530だったのですが、こんなに長期間回復しないものでしょうか?」
→それは「人それぞれ」です。
(骨転移の状況が不明ですが)「骨転移が骨髄抑制に影響を与えている」可能性もあります。
「2.回復しないまま抗がん剤を継続してもよいのでしょうか?また、何か回復させる治療法があるのでしょうか?」
→weeklyPTXなら何ら問題ありません。
★本来は7月27日の時点で(weeklyPTXへ方針変換をしていれば)8月6日wbc2620でbevacizumab + paclitaxelを開始も可能でした。
★★そもそも転移性乳癌でアンスラサイクリンに拘る必要はないのです。
(アンスラはいい薬剤ですが)効果と副作用バランスを考えれば、明らかに「bevacizumab + paclitaxelの方が数枚上手」なのです。 『今週のコラム 138回目 効果と副作用のバランスがとれた抗がん剤で「いい状態を維持」するやり方があることを知ってもらいたいのです。』ご参照のこと。
「3.上記のような状況で、先生の診療を受けることは可能でしょうか?よろしくお願いいたします。」
→それは可能です。
患者さん自身が、何を目標として治療をしたいのか?
ただ、漫然と治療をするのではなくvisionが必要なのです。