[管理番号:5680]
性別:女性
年齢:45歳
いつも拝見させていただいております。
田澤先生よろしくお願い致します。
姉(45)のことで相談させていただきたいと思います。
姉は13~14年前に膵臓嚢胞の手術をしています。
その後定期的に経過を
みており、乳がん検診(毎年)もしていました。
今年8月の乳がん検診で浸潤性小葉がんとの診断を受け、9月に地元のガンセンターへ紹介状を書いていただき、10月に手術をしました。
治療前診断
浸潤性小葉がん
大きさ 1.1cm T1
リンパ節転移 なし N0
遠隔転移 なし M0
病期1
ki67 30%
10月(中旬)日 乳腺円状部分切除(乳房温存)+センチネルリンパ節摘出
術後病理診断
浸潤性乳頭がん(硬がん)
がんの大きさ(浸潤径)1.4cm pT1
リンパ節転移1個中0 pN0
遠隔転移なし cM0
病期1
がん断端5mm以内の広がりなし
脈管侵襲 リンパ管ly0 静脈V0
ki67 10%
悪性度2
HER2(-)
ホルモン受容体 エストロゲン(+)
プロゲステロン(-)
治療として抗エストロゲン剤5年
放射線 総量50~60Gyを予定しています
しかし、昨日受診したところオンコタイプDXの説明があり、もし行った際は結果によっては抗がん剤使用になることもあると言われたそうで、治療法を迷っています。
(すすめられたわけではなく、行うとさらに詳しくわかると言われた)
このままホルモン、放射線療法でいくか、オンコタイプDXを行い治療法を決めた方が良いのか、田澤先生のご意見をお聞かせいただけたら幸いと存じます。
来週受診しどうするか決めるそうです。
また再発率、転移率などもおわかりでしたら教えてください。
あとホルモン受容体のプロゲステロンが(-)なのが気になると言われたそうですが、エストロゲン共に(+)にならないのは良くないことなのでしょうか?
お忙しいと思いますが御回答いただけると幸いと存じます。
どうぞよろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「しかし、昨日受診したところオンコタイプDXの説明があり」
⇒Ki67=10%なのに、する必要はありません。
ご本人から(念のために確認したいからOncotypeDXしたい)という意思があれば、(OncotypeDXを行う事自体は、勿論全く問題ないことなので)、勿論行いますが、
医療側から(グレーゾーンでもないのに)勧めることは大変奇異に感じます。
☆10%でOncotypeDXを勧めるようなら、「何のためのKI67? Ki67をせっかく測定しても全く無視じゃん?]ということになるでしょう。
「このままホルモン、放射線療法でいくか、オンコタイプDXを行い治療法を決めた方が良いのか、田澤先生のご意見」
⇒このまま(全身療法としては)ホルモン療法単独、(局所療法としては)放射線とします。
「再発率、転移率などもおわかりでしたら教えてください。」
⇒用語的に問題があります。
質問者が「再発率」と「転移率」を分けているのは「再発率」とは「温存乳房内再発率=局所再発率」のことでしょうか?「転移率」とは勿論「遠隔転移再発率=多臓器転移の確率」のことですね?
遠隔転移再発率は7%位(必要ないですが)万が一OncotypeDXをすれば、Tam Alone(ホルモン療法単独で)その位の数字になるでしょう。
☆質問者のいう「再発率」が「温存乳房内再発率=局所再発率」だとすれば、そんなものに数字はありません。
良く考えてみてください。
「温存乳房内再発」は(進行度とか、サブタイプとは無関係に)手術に依存する
(つまり、マージンの取り方)数字と言えます。
一般論として「乳房内再発」は(照射無しで)10%程度、(照射することで)
それを1/3程度まで縮小すると言われています。(但し、上記とおり、病状とは無関係に手術に依存するのです)
「あとホルモン受容体のプロゲステロンが(-)なのが気になると言われたそうですが、エストロゲン共に(+)にならないのは良くないことなのでしょうか?」
⇒無関係です。
気にしない様に。