[管理番号:7460]
性別:女性
年齢:40歳
病名:乳がん
症状:
去年5月の健康診断でのマンモとエコーの結果は異常なしでした。
今年の1月に胸に痛みを感じ、触るとシコリがあった為3月中旬に乳腺外科を受診。
細胞診、CT、MRIの結果、20mmの浸潤性乳ガン、トリプルネガティヴ 、ki67 90%、グレード3、リンパ節への転移なしのステージ1と診断されました。
その後腫瘍内科のある病院に転院し、5月末にセンチネルを含む全摘手術。
浸潤径24mm、脈管侵襲 軽度、ステージ2aと変更はありましたが、サブタイプもルミナールbに変更されました。
来月からTCでの抗がん剤治療、その後ホルモン療法へと以降します。
転移、再発の可能性はそう高くはないのだと理解しましたが、予め確認、覚悟しておきたいのでよろしくお願いいたします。
・私のガンはグレード3でki67が90%だった為、進行が早かったのでしょうか?
・上記の条件の場合、オンコタイプするまでもなく抗がん剤の上乗せがあると判断して良いのでしょうか?また上乗せがあるとしたらどれくらいでしょうか?
・『抗がん剤は〇〇%の上乗せ』とは、抗がん剤治療をした場合にしない場合より転移、再発を予防できる可能性が〇〇%上がる、ということでしょうか?
・手術から2~3年目に転移、再発が起こることが多い様ですが、私のような進行が早いタイプが転移、再発する場合、もっと早い段階で起こる可能性が高いのでしょうか?
・脈管侵襲が軽度あったということは、現状どこかに目に見えないガン細胞が存在する、または既に淘汰されて存在しない、のどちらか。
存在した場合抗がん剤治療をすることで、効き目があった時には転移、再発を防げる。
効き目がなかった時には転移、再発する。
と考えてよろしいでしょうか?
・腕の可動域についてですが、現状痛くて術前と同じ動きができないと
いうよりも、可動域の限界で術前と同じ動きができません。
腕を真上に上げると脇の下と胸の間の皮膚が突っ張って引き攣れています。
触るとパンパンです。
リハビリを続けていれば元に近い状態になるのでしょうか?
長文ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「・私のガンはグレード3でki67が90%だった為、進行が早かったのでしょうか?」
→物事はシンプルに考えましょう。
グレードは「核分裂」と「核異型」の総和なので実際に「核分裂がどの程度なのか?」不明ですが、Ki67は「細胞分裂期にある癌細胞の割合」を示しています。
つまりKi67=90%というのは「癌細胞の90%が細胞分裂期にある」という意味ですから(単純に言って)Ki67=30%の癌よりは「3倍増殖が速い」ということになります。
「進行が早い」のかどうか分かりませんが、「増殖スピードが速かった」とは予想されます。
「・上記の条件の場合、オンコタイプするまでもなく抗がん剤の上乗せがあると判断して良いのでしょうか?」
→そう思います。
「また上乗せがあるとしたらどれくらいでしょうか?」
→それは解りません。(15%位期待したいところですが)
・『抗がん剤は〇〇%の上乗せ』とは、抗がん剤治療をした場合にしない場合より転移、再発を予防できる可能性が〇〇%上がる、ということでしょうか?」
→物事はシンプルに考えましょう。
「上乗せ」=(抗がん剤+ホルモン療法での)無再発率-(ホルモン療法単独での)無再発率 です。
「私のような進行が早いタイプが転移、再発する場合、もっと早い段階で起こる可能性が高いのでしょうか?」
→考えすぎ。(そんなデータはありません)
「・脈管侵襲が軽度あったということは、現状どこかに目に見えないガン細胞が存在する、または既に淘汰されて存在しない、のどちらか。」
→それは、「脈管侵襲があっても無くても同じ」です。(脈管侵襲など、「参考程度」にしましょう)
「存在した場合抗がん剤治療をすることで、効き目があった時には転移、再発を防げる。」「効き目がなかった時には転移、再発する。と考えてよろしいでしょうか?」
→基本的にはそういうことです。
「リハビリを続けていれば元に近い状態になるのでしょうか?」
→これは手術のやり方にもよるので術者に聞いてみましょう