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抗がん剤の副作用

[管理番号:8794]
性別:女性
年齢:52歳
病名:乳管ガン
症状:
投稿日:2020年8月7日

いつも拝見させて頂き、自分の向き合う乳ガンというものを勉強させて頂いております。
本当にありがとうございます。

現在、初期治療(手術2回、抗がん剤、
放射線治療)を終え術後三年経過しました。
経過は以下の通りです。

4cmほどの大きな動くしこりが左乳房外側上部に突然出て来て、個人病院を受診。
しこりと思ったものは血腫で、
中身を検査した結果「乳ガン疑陽性」
として、大きな病院の乳腺外科へ。
大勢の患者さんをほぼ1人で診察手術などこなしている先生です。

先生は血腫のため、悪性だった場合散らばる恐れがあるとして針生検にて細胞採取。
その日受けた同医師によるエコーでは、良性所見で悪くても非浸潤ガンと言われました。
その検査結果は良性腫瘍と出たため、1か月後に日帰り手術で切除。

良性で家族ともども喜んでいたのですが、術後に病理診断の結果悪性と判明。
しかも浸潤ありの断端陽性。
詳細な病理診断を追加でオーダー。
しかし、急いで追加切除を、ということで、最初の手術から3週間後に病理結果が出ないまま2回目の手術(温存)。

病理の確定診断は次の通り。

浸潤0.7㎜広がり10㎜
浸潤性乳管ガン
組織悪性度8 グレード3
リンパ管及び血管内侵襲なし
リンパ節転移なし
ER PgR HER2 全てスコア0でトリプルネガティブ
Ki67 60%
ステージ1

トリネガでしかも進行の早いタイプではあったものの早期発見できたのが何より幸運でした。
しかし、良性腫瘍として腫瘍にマージンを取らずに切除され、断端陽性となっている時期があったことが大きな不安要素でした。

その後、抗がん剤治療(FEC3回ドセタキセル3回)、放射線治療25回を受け、標準治療を終えました。
浸潤径が小さいため抗がん剤は3クールづつという指示でした。

その後3ヶ月ごとの検診で腫瘍マーカー、年1回CTやマンモ、半年に1度のエコーなどでフォローして頂いています。
何事もなく近々術後3年となります。

そこでお聞きしたいのです。

①最初のしこりが血腫であったことはあまり聞いた事がないのですが、何か特別な特徴を意味するものでしょうか。
そうでなければ、たまたま血腫になっただけととらえて問題ないでしょうか。

②断端陽性の時期があった事が影響するのは局所再発のみで、全身への転移とは無関係と考えて宜しいでしょうか。

血腫であった腫瘍が断端陽性で一時的に体内にあったということが、血流との接触があったような感じがしてしまいます。
調べても血腫のケースがなかなか見当たらずに自分の不安材料となっています。
またガンに関する知識としても知っておきたいです。

③進行の早いタイプのガンでも、術後5年以降などの遅い時期に再発が見つかったりするものでしょうか。
単純に進行の早いタイプは再発も早い時期に…
と考えてしまいます。
Ki67値と再発時期について先生が体感しておられる感覚的な物でも結構ですのでお教え願えればと思います。

④抗がん剤により体の各所へのダメージや免疫低下などあったと思いますが、3年もたてばほぼ治療前の状態に戻ったと考えて良いですか?血管炎は残っていますが手の甲からの採血などできるので何とかなっています。
その他息切れなども気になっています。
治療当時、主治医からは抗がん剤による心毒性と言われましたが、現在の息切れは治療とは無関係ですか?

質問は以上です。
トリプルネガティブのため投薬もなく、元気に過ごしておりますが、疑問に思いながらもハッキリして来なかったことを確認させて下さい。
お忙しい中申し訳ありませんが
宜しくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「①最初のしこりが血腫であったことはあまり聞いた事がないのですが、何か特別な特徴を意味するものでしょうか。
そうでなければ、たまたま血腫になっただけととらえて問題ないでしょうか。」

⇒あまり意味はありません。

「②断端陽性の時期があった事が影響するのは局所再発のみで、全身への転移とは無関係と考えて宜しいでしょうか。」
⇒その通り。
 ご安心を。

「③進行の早いタイプのガンでも、術後5年以降などの遅い時期に再発が見つかったりするものでしょうか。」
⇒質問者は十分早期(0.7mmではなく、実際は7mm? 本当に0.7mmだったら術後抗がん剤の適応無)
 なので、そんなことを悩む必要自体ありません。
 ご安心を。

「④抗がん剤により体の各所へのダメージや免疫低下などあったと思いますが、3年もたてばほぼ治療前の状態に戻ったと考えて良いですか?」
⇒その通り。

「主治医からは抗がん剤による心毒性と言われました」
⇒誤り!

 Anthracyclineは(心機能障害を避けるための)生涯許容量は(FECで言えば)8回です。
 質問者のように3回で、それはありません。
 ご安心を。

 ★心毒性ではなく、DTXによる「浮腫が原因」です。
  質問者の勘違いではなく、本当に主治医が『息切れが心毒性によるものでは?』
などと言ったとしたら…
  少々問題ですね。

「現在の息切れは治療とは無関係ですか?」
⇒無論、その通りです。

 質問者が、無用な心配をしている原因が(主治医による)「有りもしない心毒性では?」発言にあるとしたら、とても悲しいことです。