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化生癌と言われました妻の初期治療に関して

[管理番号:6927]
性別:女性
年齢:50才
病名:乳癌、化生癌
症状:

妻が乳がんと診断され、妻からの告知を聞いてまだ3週間となる夫です。

7月から8月頃に左胸に張りを感じたようですが、生理中もありさらに9月に検診を受ける予定でしたので、そのまま検診を受診。
乳がんの可能性大ということで、総合病院にて再検査を実施、その時点ではハッキリしこりを感じられるほどだったようで乳がんは間違いないという状態でした。
その後、10月に入って針生険およびCT等で化生癌との診断でした。
それを、私が聞けたのが10月(下旬)日で1回目の抗がん剤治療の日でした。
現在、2度目の抗がん剤治療を施したところとなります。

昨年も検診を受診しておりましたが、そのときは問題なし。
1年後の今年の検診で明らかな異常を感じていたようで、現在の発見時は4~5cmの大きな癌となっています。
先週の私のわかる範囲での情報は、化生癌であるということ、術前化学療法をやるということ、抗がん剤はパクリタキサンと書いてありました。
毎週投与の予定です。

妻の状態は白血球の数値が貧血気味ということでした。
ここは監視中だそうです。

リンパ節への微小転移の疑いがあること、その他臓器、骨への転移はなさそうだと言うこと・・・。

当初、妻からの情報で通常の乳がんに関して調べていたこととは違った結果を先週教えてもらったばかりで、このサイトにたどり着きました。
1週間ほど化生癌について調べているのですが、手術を急いでいない状態が不安でたまりません。

おとといが2回目の診察と抗がん剤治療の日でしたので、今一度、先生に質問をしてみました(私が質問している先生は主治医の診察ではありません=初回に妻に診察をしただけで、その後は非常勤の先生でした)
まずは、こんなに一気に大きくなっているので、手術先行には出来ないのか?ということと、リンパ節転移は理解したので、その他への転移は原発癌の進行度の速さが目立つので、抗がん剤をやっている間に転移の可能性はないのか?という2点を重点的に質問してみました。
タイプも聞いてみましたが、私の少しの情報通り?トリプルネガティブということでした。

2回目の質問で、来週の3回目の抗がん剤治療の後に、エコーを追加してくれましたが、手術を先行するには抗がん剤も途中で一旦やめることになるのと、手術予定が立て込んでいて、そこまでの緊急性は今のところないと思われるので状況観察をしませんか?ということで帰ってきたところです。
セカンドオピニオンを受けられるほどの情報もまだそろっていない少ない情報しかないのですが、田澤先生の見解をご教授いただけたらと思い相談させていただきました。
まずは、手術先行ではないのか?ということと
術前化学療法でのパクリタキサンの毎週投与と言うのはいかがなのか?に関して、質問となります。
よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

私がメールで理解した限りでは、その大病院では(大病院ですね?)「トリプルネガティブ=術前抗がん剤」という固定観念で治療をしているようです。
化生癌が抗がん剤が効きやすいとは到底思えず(間葉系=肉腫の性格を持っているので)、それゆえ「4~5cmの化生癌」を安心して術前抗がん剤をする気には(私は)到底なりません。

weeklyPTXのいいところは、(抗がん剤の効果が悪かった場合)手術不能状態に追い込まれる前に、「速やかに手術へ以降できる」という点です。
★術前抗がん剤は、常に「効かなかったら、モタモタしていると手術不能となってしまう」というリスクと隣り合わせなのです。
 その意味で、weeklyPTXなら(毎週投与できるということは、裏返せば「翌週にも手術が可能」という意味なのです)、万が一の場合でも(投与)翌週には(純緊急的に)手術ができる(手術不能状態となることを回避できる)

 これをアンスラサイクリン(ECやACなど)を使ってしまうと、(もしも増大しても)「3週間は手術ができない=その3週間が手術不能となってしまうリスクとなる」ことになるのです。

「発見時は4~5cmの大きな癌」
「化生癌」
「手術を急いでいない状態が不安」

→私も不安です。

 私であれば…
 そもそも「何の意味もなく(トリプルネガティブだからといって)術前抗がん剤をする」こと自体ありませんが、(もしも「小さくして温存」のように患者さん自身が希望して行った場合には) 毎回エコーで「増大していないか??」危機感を持ちながら行うことでしょう。

「まずは、手術先行ではないのか?」
→その通り。
 何故、手術先行ではないのか?(術前抗がん剤を何故、しているのか?)

 ★患者さん自身が「小さくして温存を希望」というのであれば、(厳重な監視のもと=つまり、いつでも増大したら純緊急的に手術を行う)抗がん剤を行ってもいいですが、
 そもそも(患者さん自身の希望がないとすれば)『手術不能となるリスクを負ってまで術前抗がん剤をすること自体、ナンセンス』ということとです。

「術前化学療法でのパクリタキサンの毎週投与と言うのはいかがなのか?」
→これは、(冒頭でコメントした通り)「効かなかった際に、速やかに(投与後1週間で)手術へ移行できる」という意味では(手術不能となってしまう)「リスクが少ない」と考えましょう。
 ★一般的にはアンスラサイクリンの方が効果は期待できますが(化生癌には、どうなのか?は不明ですが…)、アンスラサイクリンは「投与すると、最低3週間は手術ができない」リスクがあるのです。

 
 

 

質問者様から 【質問2 化生癌と言われました妻の初期治療に関して】

性別:女性
年齢:50才
病名:
症状:

田澤先生、前回はお忙しいところ、早々のご回答いただきありがとうございました。

あの少ない情報で本当にお答えいただけるのか不安でしたが、本当に返信をいただき、
次回の問診に聞こうと思えるところも整理が出来、非常に心強く感じました。
ありがとうございます。
(質問に入るタイミングでさえ入れず数日トライして、やっと入れたら、実際、何を書いたかさえ、実は本人あまり覚えておりませんでした・・・。)

再度質問もありますが、針生検での病理所見だと思うのですが、情報を少しいただいてきましたので報告いたします。
あまりにも難しい漢字や専門用語が多く見ていても良くわかりません・・・。
ご教授ください。

乳腺 CNB検体5本:
2/5本に腫瘍病変を認める(1本は少量)。

シート状の異型細胞集団も少量含まれるが、myxoidな基質内に紡鍾型~多稜形の異型細胞が弧在性に増殖する像が優位で、bizzareな大型細胞をまじえ、核分裂像も多く散在する。

免疫染色ではシート状異型細胞集団のみがAE1/3陽性。
p63、CK5/6陽性細胞は明らかでない。

Malignant tumorと判断され、このCNB検体からはmetaplastic ca.の可能性が最も考えられる。

ER: j-score 0、PgR: 0、Her2(0)、MIB-1 index≒70%(in hot spots)

以上の部分をちょっと無理やり?感がありましたがコピーしてもらってきました。

少々強めに手術を早めてもらう交渉をしたのですが、先の報告どおり主治医ではない
先生ですのと、専門は化学療法の内科の先生のようですので、主治医の先生と来週お話できるところまで調整が出来ました・・・。

ここまで突っ込んで話してくる患者(夫ですが・・・)も少ないらしく、主治医の先生の考え方もあると思うので、直接お話になってくださいということで、なんとなく
すっきりしないまま帰ってまいりました。

結果、3度目のweekly PTXを予定通り行い数日後にエコーの予定を入れてもらいました。

ここで、もう一度、私のほうで整理したところ、針生検とCTに関しては検診後の再検査を行った(比較的小さめ?の)総合病院で9月下旬にただ待っていてもしょうがないと言っていただき先に行い、現在の大き目の病院では10月中旬に骨シンチとエコーを施し、
現在に至っているようです。
(以上のことから通常のCTでPET CT等はやっていないと思います)9月下旬に総合病院で検査し、現在の主治医の初診まですでに約1ヶ月要してしまいました。
10月下旬の初診1週間後から早々にweekly PTXで、来週主治医と話せるという状況ですので、また、4週間=ほぼ1ヶ月たってしまいます。
すでに4~5cmの腫瘍で約2ヶ月・・・。
私的にはやっとファーストオピニオン?と言う状態です。

妻からは温存も含め何も要望はしていない状態です。
主治医の方向では3週間毎の化学療法か毎週かの選択提示だけだったそうです。
専業主婦ですのと私も自営業ですので時間の都合が自由で毎週になったようです(それだけでは無いと思いますが・・・)。
私も妻も
温存は(主治医にまだ言えてはいませんが)希望しません。
再発リスクを考えるなら、
全摘が最良ではないかと私は考えております。

センチネルリンパ節生検は希望しますが、状況での廓清は理解しています。
CTで転移の可能性がある場合は廓清が基本になるのでしょうか?この考えはあっていますでしょうか?

そこで、前回のお答えを受けて今一度、質問させてください。

①、手術のスピード感で考えますと、田澤先生でしたらこの場合、初診からどのぐらいのスピード感でお考えですか?
②、現在の主治医も化生癌である以上、抗がん剤に対しての効果は期待していないなが
らも、大きくなるような場合はどうするかという指針は聞けておりません(当然ですね・・・まだ、話も出来ていないのですから・・・)田澤先生のおっしゃる手術不能となるケースというのはどういう状態(方向)でしょうか?
③、②の質問から続く(重複する)内容ですが、エコーでの所見で少しでも大きくなっている場合、なるべく早い手術の方向をお考えになりますか?無理なことは無理として、最長でどのくらい我慢できますでしょうか?逆に小さくなっていたら、このまま継続も考えられますか?私個人的には、どちらにしても即手術が希望なんですが・・・。

今のところ方向性が曖昧でちょっと落ち着けないのが本当の気持ちです・・・。

④田澤先生はエコーの重要性をおっしゃっているかと思いますが(この病院の場合は、
主治医自らエコーはしてくれないとは思いますが・・・)このようなケースの場合、
どのぐらいの頻度でエコーを見るのでしょうか?
⑤術前、術後の化学療法について以前は田澤先生も術前をやっていらっしゃった時期もあると過去のQ&Aを見たのですが、今回の化生癌と言うケースは置いておいて術前に化学療法を施した場合、もし、小さくなったことが見受けられとするとこのまま続けるケースはありえますか?可能性としては、大きくなっても薬剤変更でさらに化学療法で対応する方向性を指南される可能性も拭えない様な気がしています。

以上ですが、何せ、妻は「好きで癌になったわけでもあるまいし、治してもらいに来てるんだから任せておけばいいじゃない」と言うパターンで一切調べることさえいたしません。
私1人で騒いでいるような状況なのですが、調べれば調べるほど手術先行のほうが考え方がシンプルであるように思っています。
化生癌は化学療法が効かない可能性のほうが多い=迅速な手術が最良で、もし薬剤に対して効果が無かった場合、そんなに何種類もトライ出来ることのほうが考え方として期待できなく時間だけが過ぎて行く。

トリプルネガティブであるなら、まずは取ってしまえばあとは化学療法で、あくまで予後治療であり、目に見えないやつらをやっつけるのは効果の確立が高いほうを選択すべし(アンスラサイクリン+タキサン)というのがなんとなく今、私が調べていて得た考えなのですが(あってますでしょうか?)、私がいくら調べても所詮、素人の見解とし
か見てもらえない(素人でしかないのは当然、理解しておりますが・・・)ので、田澤先生の助言が非常に心強く思っております。
(当然、妻にもこの内容は見せております)化学療法をしている以上、何もしていないわけではないかもしれませんが、こちらからの要望は一切無く(私だけギャーギャー言っている感じになっていますが・・・)、どう
いった理由で何をしているか完全にお任せだとしても世間一般的には治る病気の部類に
乳癌はなるのでしょうか?(十人十色?どころか今回はさらに特殊なケースのはずなのですが・・・)基本、私は悲観せずあくまで、標準治療の中ですが今回のケースの最善の方法をお願いしたいと思っているだけのつもりなのです・・・。
前回からの支離滅裂な乱文、長文失礼いたしました。
間違いなくお忙しいはずなのにご対応いただけることに本当に感謝しております。
何卒よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「2/5本に腫瘍病変を認める(1本は少量)。」
→些細なことかも、しれませんが…

 4~5cmの腫瘍なのですよね?
 何故僅か2本(しかも、1本は少量)しか、腫瘍が取れないのか?(普通に考えれば、その大きさなら100発100中の筈。単に「診察医の腕の問題」なのか? それとも腫瘍自体に原因「不均一(腫瘍成分がスカスカ?)」なのか?)

「myxoidな基質内に紡鍾型~多稜形の異型細胞が弧在性に増殖する像が優位で、bizzareな大型細胞をまじえ、核分裂像も多く散在」
「このCNB検体からはmetaplastic ca.の可能性が最も考えられる。」

→metaplastic carcinoma(化生癌)の中でも、spindle cell carcinoma(紡錘細胞癌)を想像させる像のようです。(私は病理医ではないので、あくまでも印象)

「主治医ではない先生ですのと、専門は化学療法の内科の先生」
→この点に問題があります。

 術後化学療法や再発の化学療法なら腫瘍内科医が行ってもいいとは思いますが、
「術前化学療法」となると「手術適応についての判断が遅れがちになる」のは想像に難くない。
 腫瘍内科医は「手術不能になるか?」などに関心はなく、(乳腺外科医から頼まれて)「滞りなく、粛々と」化学療法を遂行するだけなのです。(おそらく)

 これは(私から見れば)大変なリスクであり、「化学療法は滞りなく終わったが」
「手術ができる状態でもなくなった。」みたいな乖離に(患者さん自身が)気をつけなくてはいけないようです。

「CTで転移の可能性がある場合は廓清が基本になるのでしょうか?この考えはあっていますでしょうか?」
→CTというより…
 局所(乳腺や腋窩)は「エコーで判断する」ことが基本です。(CTは局所も見れますが、あくまでも遠隔臓器のための検査です)

「①、手術のスピード感で考えますと、田澤先生でしたらこの場合、初診からどのぐらいのスピード感でお考えですか?」
→大きさとmetaplastic carcinomaであることを考えれば「2か月以内(できれば1か月以内)を想定します。

「手術不能となるケースというのはどういう状態(方向)でしょうか?」
→この場合は「腫瘍」ですね。

 乳腺にどれだけ拡がっても「乳腺を全摘」すれば、いいのですが、問題は「表面(皮膚)」と「裏(筋肉)」です。 それらはある程度は合併切除できますが、広範囲となると「手術不能」となるのです。

「エコーでの所見で少しでも大きくなっている場合、なるべく早い手術の方向をお考えになりますか?」
→当然!

 「効果のない化学療法」を継続しても、「リスクが増大するだけ」でいいことは全くありません。

 ★ 抗がん剤の薬剤変更(この場合はアンスラサイクリン)は選択肢ですが、以下の3点から(私は)お勧めできません。
  1.Metaplastic carcinomaで積極的な効果を期待しがたい
  2.アンスラサイクリンは(使ってしまうと)最低3週間は手術できない(全身状態から麻酔がかけられない) 
   →もしもアンスラサイクリンが効かなかったら(その可能性はあります)、
「腫瘍が増大する3週間を 指を加えてみているだけ」という事態に陥ります。
  3.(そもそも)温存を希望していないなら、(無理やり)術前に(リスクを冒してまで)化学療法に拘る理由がないのでは???

「逆に小さくなっていたら、このまま継続も考えられますか?私個人的には、どちらにしても即手術が希望なんですが・・・。」
→全摘なのであれば、抗がん剤の効果が落ちる前に(効果は永遠ではありません)手術しなくてはいけません。

「以前は田澤先生も術前をやっていらっしゃった時期もあると過去のQ&Aを見た」
→これは、かなり勘違いされていますね。

 実際のところ、私は「術前化学療法患者さん」を常に一定数(常時、10名程度)いらっしゃいます。
 (其のほとんどが「手術不能→手術適応とするため」ですが、「小さくして温存」の方も いらっしゃいます)

 ◎実際は「HER2陽性だから」とか「TNだから」とか「リンパ節転移があるから」みたいな『無意味な』術前化学療法をしていないだけです。(巷では溢れていますが)

「今回の化生癌と言うケースは置いておいて術前に化学療法を施した場合、もし、小さくなったことが見受けられとするとこのまま続けるケースはありえますか?」
→私なら…

 少なくとも「手術可能」なら、いつだって「手術へ移行」します。
 (残りの抗がん剤は術後に回せばいいのです)

「可能性としては、大きくなっても薬剤変更でさらに化学療法で対応する方向性を指南される可能性」
→これは非常に危険(★参照)

「トリプルネガティブであるなら、まずは取ってしまえばあとは化学療法で、あくまで予後治療」
→その通り。

「目に見えないやつらをやっつけるのは効果の確立が高いほうを選択すべし(アンスラサイクリン+タキサン)」
→術後でいいのです。

「世間一般的には治る病気の部類に乳癌はなるのでしょうか?」
→ステージによりますが…

 2期までなら8割以上は治る癌です。
 3期となるとケースバイケース(かなり範囲が広がる)

 
 

 

質問者様から 【質問3 化生癌と言われました妻の初期治療に関して】

性別:女性
年齢:50才
病名:
症状:

1週間たたずの質問申し訳ありません。

来週、月曜日に主治医との問診日なのですが、手術を早めてもらう方向で交渉しようと考えていますが、今までの経緯を考えるに、こちらの希望する形にならないほうが可能性として考えられます。
ちなみに、国立病院機●〇病院となります。

妻にはまだ話をしておりませんが、私個人的には田澤先生に手術をお願いできればと考えました。
手術予定も詰まっていらっしゃるかと思いますが、田澤先生に手術をお願いするとしましたら、どのぐらいで予約出来ますでしょうか?
まだ、不透明な話でお忙しい田澤先生に恐縮ですが、方向性としまして現在の病院がこちらの納得できる答えを出してもらえない場合、同じように待つような時間を提示されるのならば、手術を田澤先生にお願いして、その後、化学療法を今の病院で出来ればと考えております。
(江戸川病院まで通えない距離ではないのですが、やはり近いほうが良いかと思っています。)その際、セカンドオピニオンとして必要であろう書類を月曜日にお願いするとしまして、現在行っているweekly PTXは続けるべきでしょうか?
エコーでの検査結果次第で、まずは現在の主治医の方向性かとは思いますが、どういったパターンが考えられますでしょうか?私個人的には、他サイトも含め私の調べた方向に後押し?をしていただいているような田澤先生のお答えを頂戴し、ほとんど、セカンドオピニオンもしていただいたような気持ちになっています。

①腫瘍が大きくなっていた場合、weekly PTXを止める?その後、どうするか?

②もし小さくなっていた場合、続けつつ田澤先生の診察を受ける。

③即、手術予定を組んでくれた場合、素直に手術してもらう?
等々、いろんなことが頭の中を駆け巡っていますが、私はまだ、会ってもいない主治医ですが、進むべき方向性が違う気がしますので、正直なところ会う前から不信感を抱いてしまっています。
妻とはこの後、相談しようと考えています。

こんなわがままな内容をQ&Aに書いてしまって申し訳ありません。
答えづらい部分ありましたら、カットしていただいて大丈夫です。
先ほど、コールセンターのほうに電話連絡させていただいたのですが、秘書室のほうにメールをと言われましたが、秘書室メールの順番的にこちらにまずは連絡させていただいたほうが順序としてよろしいようでしたので、こちらから連絡させていただきました。
貴重なQ&Aの1枠を使ってしまい申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

メール内容読みました。
まず、ご本人の意向が、やや「置いてきぼり」となっていることに違和感を感じます。

ステップを踏んでいくべきでしょう。

1.wPTXが効いているか、まず確認する。
2.効果があるにしろ、無いにしろ、(その結果で)主治医が説明する「その後の方針(wPTXを続ける もしくはアンスラサイクリンに変更する。もしくは手術へ舵をきる)について、納得できるものなのかを(お二人で)話あう」

まず、ここまでのステップは必ず踏むようにしましょう。
★そのうえで、「納得がいかない(ご本人、ご主人とも)」場合には、またこのQandAで(改めて)相談するといいでしょう。
  その際の、私の回答の方が(主治医の治療方針よりも)受け入れやすいようであれば、「その時に、はじめて転院」をお二人で検討すべきです。

  

 
 

 

質問者様から 【質問4 化生癌と言われました妻の初期治療に関して】

性別:女性
年齢:50才
病名:
症状:

前回は、取り乱していたような形になり、申し訳ありませんでした。
田澤先生のお答えで冷静に夫婦と長女も交え、じっくり話し合い、本日、主治医のお話を聞いてまいりました。

先週のエコーの結果、本人の自覚もありましたが、やはり大きくなっていました。
その後の方針として、wPTXをやめ、アンスラサイクリン系に本日から移行すると言うお話から始まり、もう少し経過を見ると言う主治医の方向でした。
手術を早めていただく方向も強く希望したのですが、明確な調整は出来ないという事で、セカンドオピニオンの資料提供のお話をいたしましたところ、どこに行くかを教えて欲しいと言うことで、申し訳ありませんが、田澤先生のお名前を出させていただきました。

明日にも資料のほうを作っていただけることになり、妻とも一緒に是非、田澤先生に見ていただければと考えております。

現在の状況はwPTX3週を施し、本日4回目を取りやめ、アンスラサイクリンへの以降も止めておいたほうが良いであろうとのことで、何もせず帰ってきたところです。

転院の方向で、是非、田澤先生にお願いしたく、今後どのようにすればよろしいでしょうか?
よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。

「4-5cmの化生癌」「手術を先行するには抗がん剤も途中で一旦やめることになるのと、手術予定が立て込んでいて、そこまでの緊急性は今のところないと思われるので状況観察をしませんか?」という担当医のコメントからは、どの程度(手術不能となるまでの)時間的猶予があるのかが不明です。

当院では(現時点で)年内は手術予定が入らないので、そこがネックとなる(ご本人の)状況なのかどうか?
 それがまずは必要です。

★もしも、上記日程では間に合わない場合には、それこそ「現在の主治医」に早急に手術してもらうべきでしょう(その責任なくして「漫然とした術前抗がん剤など、あり得ない」のです)

 
 

 

質問者様から 【質問5 化生癌と言われました妻の初期治療に関して】

性別:女性
年齢:50才
病名:
症状:

度重なる連投、申し訳ありません。

正直に・・・、八方塞りになってしまったような気がして、かなり落ち込みました・・・。

が、そもそも、このQ&Aは田澤先生のお考えをご教授いただける場所(しかも無料で)で
あるわけで、もう一度、原点に返って読み返し、最初から田澤先生にお願いできていれば手術先行をチョイス。
現在の主治医の場合は、術前抗がん剤というチョイス。

田澤先生なら本来、術後だけれども、始まってしまった抗がん剤ならば効果があるうちにタイミングを見計らって速やかに手術へ以降というのが、今考えられるベストかと考えました。
そして、本日の田澤先生の回答で正直、アタフタしてしまいましたが、直接、現在の主治医のところに言って、状況を正直にもう一度話してきました。

田澤先生のところへも以前に転院した方も数名いたようで、手術を早めに行ってくれるのならばアンスラサイクリンへの薬剤変更も少し待とうという判断をしてくれたのも主治医の判断でした。
化学療法だけでも戻って来れば良いとも言っていただけました。

本日、もう一度話を伺いに行きましたところ、主治医も昨日一日で手術予定を調整していただき、1月(中旬)日に手術予定を入れてもらい、そのまま、待っていても仕方が無いからと言うことで、FECを始める事にしました。

何事も無ければ2クール行い、手術へ。
1クールでよくない方向に行くならば、純緊急的に手術に移行することを言って下さいました。

昨日はバタバタしていて診察もしていただけなかったのですが、今日は診察もしていただき、大きくはなっているが、即手術に移行しなければならない状態ではないと言う話も聞けました。
(エコーの画像は見てくれていました)
FECも100%効くか効かないかはわからないものの、予後を考えるのならトライしてみる意味はあるのではないかと言う方向でした。

正直、どうなるかはわかりませんが、手術の日程が出ただけでも前に進んでいるように思え、ちょっと、安心しました。

それもこれも、田澤先生のQ&Aのおかげなんだと、改めてありがとうございます。

藁をもつかむ思いで、心細く、あたふたしてしまいましたが、現時点ではこのような方向になりました。
が、やはり、田澤先生に一度見てはいただきたいとは思っており、通常の?セカンドオピニオンに申し込みをいたしました。
〇月〇日です。
江戸川病院への電話連絡であらためて、とんでもなくお忙しいのを理解しましたが、田澤先生の場合の今後の方向性をご教授いただければと考えております。
ほとんど、このQ&Aで済んでしまっていることかも知れませんが、画像を見ていただければ何か違う方向もあるのかと思っています。
よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。

「1月(中旬)日に手術予定を入れてもらい、そのまま、待っていても仕方が無いからと言うことで、FECを始める」
「FECも100%効くか効かないかはわからないものの、予後を考えるのならトライしてみる意味はあるのではないかと言う方向」

→これは正しい判断です。
 手術までの「待ち期間」があれば、(その間、少しでも進行を遅らせる、上手くいけば小さくなるかも?)的な考え方は妥当です。
 
 ただし、本来(術前化学療法のリスクを認識していれば)最初から、「この時点の化学療法が効かなかったら、ここに手術」のように「日程を仮押さえ」しながら行うべきです。
 ★「効かない!」と解ってから、慌てて手術日程を調整しても「2か月も先」などとなるようでは無責任だということです。(ただ、後の記載内容からは、「ある程度の時間的猶予はある」という認識が主治医にはあったようです)

「何事も無ければ2クール行い、手術へ。1クールでよくない方向に行くならば、純緊急的に手術に移行する」
→そういうことです。

何はともあれ、良かったのは『大きくはなっているが、即手術に移行しなければならない状態ではない』状況だということです。
そして、『患者さん側(特にご主人)の、治療(方針)への積極性』が医師に、「最善を尽くす(下手なことはできない)」ことを促すのです。

 
 

 

質問者様から 【質問6 化生癌と言われました妻の初期治療に関して】

性別:女性
年齢:50才
病名:
症状:

先日はお忙しいところ、セカンドオピニオンありがとうございました。

懇願して手術を早めてもらい、無事に1月10日に手術を終えました。

まだ、完全に病理が出ていないのですが、今までの経過とこれからの治療に関して、田澤先生のお考えをご教授いただきたく質問させてください。

○術前wPTX3回で当初、4~5cmの腫瘍がエコーで8cm級に大きくなった。

○FECに変更し1回目で腫瘍サイズに変化は無いようでしたが、エコーで確認したところ(腫瘍内?に)水がかなり溜まっていました。
ほぼ同時期に田澤先生のセカンドオピニオンを受けました。
(FECも駄目な様ならアバスチンというお話をいただきました)
○FEC2回目の前にエコーで確認しながら水を抜いてみたところ、200cc程抜けまして、患部をかなり柔らかく触れる状態で且つ、小さく感じられました。
が、数時間後には、また水が溜まってしまうような状態で元に戻ってしまった感じになりました。

○上記の結果、2回目のFECもやることになり、その後、手術となりました。
手術は全摘出、腋窩郭清レベルⅡでした。

○病理がまだ、完全に出ていないのですが、リンパ節転移0/28で転移なし、2/3弱くらいが壊死している、ki67=50%ということでした。
当初のCT及び針生検ではリンパ転移あり
(少)で、ki67=70%でした。

そこで、質問は今後の治療での薬剤候補をご教授いただきたく思います。
私個人的にはPTXは効かなかった。
DTXでも同様に効かないような気がしてあまり使いたくないような、素人考えを持っています。
FECは効果があったように思えるので、続けたく思いますが、残り2回で4回?もしくは、トータル6回に伸ばすのも選択肢でしょうか?
ネットで色々見ていると、同じ紡錘細胞癌の方が使っている薬剤名を目にして様々なチョイスがあるように感じ、田澤先生なりのチョイスをお聞きしたく思いました。

タキサン系だとしたらアブラキサンはあり得るのか?アバスチンの場合、単剤での使用なのかPTXと同時投与なのか?カルボプラチンという名前も出てきましたが、これもPTXやDTXと同時投与なのか?素人考えでなんとなくタキサン系を敬遠したく考えてしまい、
同時投与の方が効果がありそうなことがネットを見ていると思ってしまい、紡錘細胞癌と言う特殊なタイプなのだから、思い切ってエリブリンやTS-1と言うチョイスが効果を期待できるのでは?と思ってしまいます。
毎回、支離滅裂で恐縮ですが、ご教授よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答6】

こんにちは。田澤です。

まずご指摘したいのは、抗がん剤には「術前術後補助療法」に適応があるものと、「手術不能、再発」にしか適応が無い薬剤に分かれます。
是非、『今週のコラム 76回目 「手術不能乳癌と転移再発乳癌」は添付文章では「手術不能又は再発乳癌」と一括りにされていることからも解るように、『手術不能乳癌と転移再発乳癌の扱いは一緒』なのです。』を熟読ください。

「タキサン系だとしたらアブラキサンはあり得るのか?」
→ありえません。
 添付文章よんでください。『「補助化学療法における有効性及び安全性は確立されていない」』と記載がありますね。

 それなのに、(paclitaxelやdocetaxelと同じ感覚で)アブラキサンを使用することは「誤り」なのです。

「アバスチンの場合、単剤での使用なのかPTXと同時投与なのか?」
→適応外です。

「カルボプラチンという名前も出てきましたが、これもPTXやDTXと同時投与なのか?」
→適応外です。

「エリブリンやTS-1と言うチョイス」
→適応外です。

★お判りですか??

 術後であり、転移再発出ない以上、使用できる薬剤は「適応」で厳密に決まっています。
 それに対し(適応も通っていないのに)カペシタビンを使用するなど言語道断!なのです。(ある種の医師は、適応外なのに「臨床試験の結果」を根拠に使用しているようですが・)