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術後化学療法の回数について

[管理番号:5573]
性別:女性
年齢:41歳
はじめまして。
いつも拝見させていただいております。
よろしくお願いいたします。
2017年3月に浸潤性乳管癌と診断されました。
右乳腺に28㎜ほどの腫瘤、右腋窩にリンパ節転移が考えられるとのことでステージ2bという診断でした。
サブタイプはトリプルネガティブです。
術前化学療法(シクロフォスファミド+エピルビシン+カペシタビン)を
4ク-ル行い、9㎜まで小さくなったので完全寛解を目指せるかもとのことで2クール追加となり計6クール行い、8月に温存手術を受けました。
その結果は下記の通りでした。
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SpecimenはNACに施行された右乳腺温存療法材料で、別紙の如く
23piecesとして切り出す。
#1 術中迅速凍結戻し材料で、センチネルリンパ節(2/3)
#2~#5
術中迅速凍結戻し材料で、今回は#4(腋窩側:黒糸短)において、
新たに管内性に陽性像が出現している。
術中迅速時には陰性であるので、切所断端には露出は見ないと判定されるが、癌巣は断端5㎜以内にまで近接していると考えられる。
#6~#8 レベル1(0/13)
#9~#12
切除乳腺本体で、このうち、#13#15#17にはNAC後にも残存する上記の如き浸潤性乳管癌の像を見る。
形態的には管内性進展傾向の目立つ乳頭戦艦癌と考えられ、大部分は管内性の増生を示すが
#15で僅かな浸潤巣が観察される。
微細石灰化も認められる。
核グレード:Grade2、ly (?)、v (?)、ductal spreading (+++)、
f(?)、s (?)、Surgical margin,negative(→#4)、
センチネルLN(2/3)
上記診断とします。
切断断端(-)に変更はありませんが、癌巣の断端5
㎜以内の近接状態を考慮されるべきケースかと判断されます。
一方NAC後も観察される癌細胞は大部分がviableであり、組織学的治療効果の判定基準ではGrade1aにほぼ相当する例かと考えられます。
NAC後の残存巣は大部分がDCISですが#15における浸潤巣の大きさは3㎜×2.5㎜と測定されます。
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術前化学療法でしこりがどんどん小さくなった為、
効果があったと思っていたのですが
「NAC後も観察される癌細胞は大部分がviable」ならば
術後化学療法も追加したほうが良いとのことで現在アブラキサン2クール目をうけているところです。
「アブラキサン3クール+放射線の予定」と聞いていたのですが
先日アブラキサンを4クールしてもいいかもしれないと言われ
次の受診日までに検討するよう言われたのですが
先生ならばこのような術後診断の場合、どのような治療をお考えになりますか?
3クールを4クールに増やしたほうが良いと思われますか?
3クールと4クールでどれだけ差があるのかわかりませんので
判断に悩んでいます。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
質問者には悪いですが…
私は適応外診療を見過ごす事はできません。
術前化学療法で「カペシタビン」が使用されていますが…
これは「明らかな適応外使用」となります。
☆添付文章をお読みください(ネットで簡単にご覧になれます)  『手術不能又は再発乳癌に対して』となっています。
しかも術後に「アブラキサン」を行っている!!!
添付文章をご覧ください。
 『本剤の手術の補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない』と一文あります。
この担当医は何故、『ワザワザ、適応外の治療ばかり(敢えて選んで)行っているのか??』
タキサンをやりたいのなら、(わざわざアブラキサンではなく)「パクリタキセルかドセタキセルがある」のに???
「先生ならばこのような術後診断の場合、どのような治療をお考えになりますか?」
⇒そもそも、
 術前化学療法の目的は「小さくして温存」です。
 その意味で質問者は「温存術を達成した」わけだから、それでいいのです。
 
 ☆重要な視点は「術前化学療法が効いたとか、効かなかった」ではなく、トリプルネガティブの標準治療としては「アンスラサイクリン」+「タキサン」です。
  その意味で(術前にアンスラサイクリンを行っている」のだから、術後に(足りない分の)「タキサン(勿論、パクリタキセルもしくはドセタキセルですが)を追加する」
  極めてシンプルな話なのです。