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術前組織検査の結果について

[管理番号:8900]
性別:女性
年齢:42歳
病名:浸潤性乳管癌(腺管形成型)
症状:自覚症状なし
投稿日:2020年9月25日

会社の健康診断で要精密検査となり、マンモトーム生検の結果浸潤癌と診断され、現在術前検査待ちです。

クリニックでは現状、癌の性質、今後の治療方針についてわかりやすく書き直した資料を頂きましたが、
検査報告書を読むと不明な点があり質問させていただきました。
ご回答頂けましたら幸いです。

【質問①】腫瘍径は1.6cmと聞いていますが、「乳管内病変を伴う」という記述から、非浸潤部分が存在している可能性があるのでしょうか?
【質問②】「腺管状に浸潤する」とはどういう意味でしょうか?
【質問③】(臨床所見より)DCISの可能性もあったのでしょうか?
【質問④】生検はバチン!と音がするものでしたが、マンモトームを実施との説明を受けています。
また、報告書にも「VAB標本」とありますが、マンモトームでもその様な音がするのでしょうか?

●臨床診断●
Left breast tumor(C域),Invasive ductal carinoma(Scirrhous type) s/o
●臨床所見●
左(L)C域 US:16×10×7mm,不整形腫瘤(カテゴリー5)
画像上にはIDC(Scirrhous type) s/o
確定診断および治療方針決定目的にVAB施行 5本採取
malignancyの有無,ly,v,Nuclear grade
carcinomaであれば、ER/PgR,HER2,Ki67測定もお願いします。

DCISであればHER2のみ省略してください。

●病理組織検査結果●
Adequate,malignant,Invasive ductal carcinoma,tubule forming type,left breast

●病理組織所見●
左乳腺から5本VAB標本が提出されている。
腺管状に間質に浸潤する乳管癌を認める。

p63,CK5/6の免疫染色により、病変周囲の乳管筋上皮細胞の喪失と間質浸潤を確認した。

乳管内病変を伴う。
腫瘍細胞の核異型度は中程度(スコア2)、核分裂像は目立たない(スコア1)(核グレード1)。

血管およびリンパ管の侵襲を認めない(ly0,v0)。

Ki-67 index: <10%

●判定結果●
PR … 陽性 90%以上
ER … 陽性 90%以上
HER2 … 主治医の所見では1+、病理医の所見では2+ → 遺伝子検査にて陰性

どうぞよろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

「【質問①】腫瘍径は1.6cmと聞いていますが、「乳管内病変を伴う」という記述から、
非浸潤部分が存在している可能性があるのでしょうか?」

⇒可能性ではなく、確実に存在しています。

「【質問②】「腺管状に浸潤する」とはどういう意味でしょうか?」
⇒tubular forming type(旧 papillotubular ca.)は腺管形成しながら浸潤しています。

「【質問③】(臨床所見より)DCISの可能性もあったのでしょうか?」
⇒画像上、その可能性もあったような表現ですね。(実際のところは不明)

「【質問④】生検はバチン!と音がするものでしたが、マンモトームを実施との説明を受けています。
また、報告書にも「VAB標本」とありますが、マンモトームでもその様な音がするのでしょうか?」

⇒これはCELEROですね。
 CELEROは(MMTEとは異なり、電気ではなく)バネ式の「吸引式」針生検なので、保険上VABとなります。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

自分ではわからないしこりについて
性別:女性
年齢:42
病名:左浸潤癌
症状:特になし
投稿日:2020年10月5日

田澤先生、先日はご回答下さいましてありがとうございました。

大変感激いたしました。

追加で田澤先生のご意見を伺いたい事があり、大変恐縮ですが再度質問させて頂きます。

素人考えで的外れな内容かもしれませんが、お目通し頂けますと幸いです。

先日記述した通り、エコー上の腫瘍は1.6×1.0×0.7mmです。

健康診断の結果が「左乳房腫瘤あり」との事で、クリニックを受診しました。

寝た状態での触診では「しこりないけどなぁ・・・あ、ここにあるかな?」と言われ、
エコーの結果上述の腫瘤が見つかった(ちなみに生理前でした)のですが、
セルフチェックではしこりはわからず、未だに受け入れ難い心境です。

現在はMRIの結果待ちで、CTでは明らかな転移は見られないと聞いています。

また、針生検の結果で「乳管内病変を伴う」とあり、先日のQ&Aで田澤先生に非浸潤部が確実に存在しています。
とご回答いただきました。
(この事で少し心が晴れました!)

本日お伺いしたいのは、
①自分ではわからない程度のしこり→浸潤部が少ない可能性もあるか?(わずかな希望ですが)
②腫瘤非形成病変とは違うでしょうか?
③針生検には、1.6mm(4本)と1.7mm(1本)の組織が提出されていた様です。

 エコー上の腫瘤とサイズに乖離がないため、サブタイプやHER2、ki-67の数値が大きく変わる(=治療内容が変更になる)
 ことはあまり考えなくても良いでしょうか?

以上3点です。

毎日お忙しい中、この様な場所を設けて頂き本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは田澤です。

「①自分ではわからない程度のしこり→浸潤部が少ない可能性もあるか?(わずかな希望ですが)」
⇒触知するかどうか?は「浸潤の有無」もありますが、表面からの「深さ」も影響します。(深いと触れにくい:当たり前ですが)

 ただ、主治医の病理提出オーダー時の『DCISであればHER2のみ省略してください』からは、浸潤部分が小さい可能性もあります。

「②腫瘤非形成病変とは違うでしょうか?」
⇒『●臨床所見●
左(L)C域 US:16×10×7mm,不整形腫瘤(カテゴリー5)』には、(腫瘤非形成性病変ではなく)「腫瘤」とはっきり記載がありますよ?

「③針生検には、1.6mm(4本)と1.7mm(1本)の組織が提出されていた様です。
 エコー上の腫瘤とサイズに乖離がないため、サブタイプやHER2、ki-67の数値が大きく変わる(=治療内容が変更になる)
 ことはあまり考えなくても良いでしょうか?」

⇒ER,PgR,HER2に変更はないでしょう。
 ただしKi67が正確に一致することは通常ありません。

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

MRIで新たに見つかったしこりについて
性別:女性
年齢:42
病名:左浸潤癌
症状:特になし
投稿日:2020年10月12日

田澤先生、こんにちは。

いつもありがとうございます。

前回の質問からちょうど一週間しか経っておりませんが、新たな不安が生まれたため質問させて頂きたく存じます。

先週、術前の造影MRIの結果を聞きに行ってきました。

すると、今回針生検で確定診断した腫瘤(腫瘤①)の他に、もう一つしこり(腫瘤②)が見つかったとのこと。

・乳房を正面から見る角度では2つの腫瘤は重なって1つに見えるが、斜め~横の角度から見ると見えてくること
・腫瘤②のサイズは最大約2.5センチであり、腫瘤①よりも大きいサイズであること (ステージ1だったが2にあがる可能性もあり。
主治医は1センチ強か2センチ弱かな~と仰っていました)
・私が見た画像では、腫瘤①は白い塊、 腫瘤②はグレーに近くて塊というよりは2.5センチ程の範囲で所々隙間が見え、端の方が点々となっていました。

前回のエコーを見直すと腫瘤②と思われる様な物が映っていたとの事で、
予定にはなかったエコーを技師さんと主治医でやって下さいました。

始めは技師さんがエコーをしていましたが、後から入ってこられた先生が「どう?」と聞くと、
(私に聞こえないようにするためか早口+小声だったのですが)何となくハッキリしない様子…。

その時に唯一聞こえたのが「マストパ…」「正常乳管に見えるし…」との言葉です。
(マストパ=mastopathy?)
その後先生が直接見て下さり、腫瘤①と②の距離や乳頭から腫瘤①の距離を測り、エコーは終了しました。

MRIの画像を見ると、取った物を見てみないと確定できないが、同一乳管内の広がりで2か所で浸潤したものだと思う。

これが全く別の場所だと腫瘤②に針を刺して調べるが、今回は乳頭から扇型に切除して乳腺を端っこまで取る術式で行きましょう。
となりました。

この時は新たなしこりが見つかった事とステージが上がってしまったらどうしようとかなり動揺してしまい帰ってきたのですが、
帰宅後に腫瘤②は本当に悪性なのか?と疑問が湧きました。

エコー中に聞こえた言葉と、帰り際に見えたPC画面に「カテゴリー3」と書かれていたのを思い出したためです。

悪性じゃないかもしれないと期待を持っていいのかな?と思う反面、
(診察後、遺伝子検査の件でもう一度呼ばれただけだった為)私のカルテじゃなかったかもしれないとまた落ち込んだり…。

主治医はとてもよく話を聞いてくれますが、田澤先生の様に少しでも期待を持たせてくれる様な事は決して口にせず、
心配性の私は昼も夜も常に色々考えてしまいます。
(もちろん真実は一つなので、良くないことはわかっています(笑))

前置きが大変長くなりました。

【質問①】
 腫瘤②が悪性だったら、主病変は腫瘤②と考えるのが普通でしょうか?(癌は乳頭方向へ向かって拡がっていく?)

【質問②】
 腫瘤②が良性だったら、同じ乳管に良性のものと悪性のものが同じタイミングで見つかり、
 混在する事はよくあるのでしょうか?(これまで、エコーとマンモの健診で指摘された事はありません。)
 

【質問③】
 以前の技師さんと主治医のエコーでは見逃された腫瘤②ですが、単純に見にくい場所にあっただけだと思われますか?

いずれにせよ、どちらの腫瘤も手術で取るため、主治医にとっては良性でも悪性でも関係ないのかもしれませんが、私にとっては大問題です。
ぜひ、田澤先生のご意見を頂戴できたらと思います。

質問には関係ございませんが、母が卵巣がんで亡くなっているため遺伝子検査も受ける予定です。

もし変異が見つかったら乳房と卵巣の予防切除も考えております。

日々お忙しい中、大変恐縮ですがどうぞよろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは田澤です。

「【質問①】
 腫瘤②が悪性だったら、主病変は腫瘤②と考えるのが普通でしょうか?(癌は乳頭方向へ向かって拡がっていく?)」

⇒常識的に言って・

 見つかりにくいような腫瘍が「主病変」ではありません。(つまり今回の病変が主病変ということはありません)

「【質問②】
 腫瘤②が良性だったら、同じ乳管に良性のものと悪性のものが同じタイミングで見つかり、
 混在する事はよくあるのでしょうか?(これまで、エコーとマンモの健診で指摘された事はありません。」

⇒それはあります。

「【質問③】
 以前の技師さんと主治医のエコーでは見逃された腫瘤②ですが、単純に見にくい場所にあっただけだと思われますか?」

⇒それは、主治医に聞いてみましょう。

 
 

 

質問者様から 【質問4 】

腫瘍径の考え方について
性別:女性
年齢:42
病名:浸潤性乳管癌(腺管形成型)
症状:なし
投稿日:2020年10月26日

田澤先生こんにちは。

先日はMRIで見つかった2つめの腫瘤についてご回答下さりありがとうございました。

本日、入院手続きのため受診して参りました。

重ねての質問となり大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

同じ乳管系に存在していると思われる腫瘤が2つあります。

(乳頭側を腫瘤①、背中側を腫瘤②と表記させていただきます)
2つとも悪性の可能性が高いとの事でした。

先日田澤先生に見つかりにくいような腫瘤②が主病変ではありません、とお答え頂きましたが、
主治医に先日の針生検はどちらの腫瘤で行ったのか確認したところ、
もう一度確認しておくが、おそらく腫瘤②だと思うとの回答でした。

どちらの腫瘤もエコーで見つけづらいものだと言っていたので、
これまでの経過もしこりを触れない事も腑に落ちた気がしました。

以下、今回させて頂きたい内容です。

【質問①】
本日の説明で腫瘤①と腫瘤②の間にいくつも小さな浸潤部が見つかった場合、腫瘤①から腫瘤②までの長さを浸潤径とするしかないため、
ステージがⅠ(T1N0)→ⅡA(T2N0)にあがるかもしれないと言われました。

浸潤径は足し算ではなく、大きい方という事で理解しておりますが、
上記の様なケースでは、複数浸潤部分の最大径を採用するのではなく、
腫瘤①から腫瘤②までの長さを浸潤径とするのが正しいのでしょうか?

【質問②】
また、ステージがあがった場合でも(例えば浸潤径が3センチだったとして)
3センチのしこりがあるT2とは違うので、あまり気にしなくても良いと言われましたが、
田澤先生も同じ様な考えでいらっしゃいますでしょうか?

【質問③】
針生検時、p63とck6/5の免疫染色が行われた様です。

(余談ですが、とてもタイミング良くコラムに取り上げて下さり嬉しかったです)
この免疫染色は確定診断のためなら誰にでも行えるものではないのですよね?
これまでは免染が必要な程度の病状という認識で少し希望を持っていたのですが、
エコーでわかりづらい腫瘤なら、進行したものかもしれない、免染を行っているなど
という希望を持っていてはいけないのかも…という気持ちになってきました。

免染を行っていたとしても、(エコーで見える大きさの)2センチ前後の浸潤をしている事はありますか?

【質問④】
腫瘤①と腫瘤②は娘結節と呼ぶのだと思いますが、
主病変(もはやどちらの事を指すのかわかりませんが)と娘結節で
ER,PgR,HER2,グレードが異なる可能性はどの様なものでしょうか?
(抗がん剤治療が必要になるかどうかを懸念しております)

いよいよ手術を来週に控え、非常に不安です。

子どもたちとこれまでの様に笑って過ごせるだろうか、悲しい思いをさせてしまわないだろうか、
孫の顔は見れるだろうか…と言い様のない恐怖に押しつぶされそうです。

どうか、お力添えを頂きたく、今回もよろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは田澤です。

「【質問①】
本日の説明で腫瘤①と腫瘤②の間にいくつも小さな浸潤部が見つかった場合、
腫瘤①から腫瘤②までの長さを浸潤径とするしかないため、
ステージがⅠ(T1N0)→ⅡA(T2N0)にあがるかもしれないと言われました。

浸潤径は足し算ではなく、大きい方という事で理解しておりますが、
上記の様なケースでは、複数浸潤部分の最大径を採用するのではなく、
腫瘤①から腫瘤②までの長さを浸潤径とするのが正しいのでしょうか?」

⇒浸潤癌として繋がっていれば、仕方がありません。


「【質問②】
また、ステージがあがった場合でも(例えば浸潤径が3センチだったとして)
3センチのしこりがあるT2とは違うので、あまり気にしなくても良いと言われましたが、
田澤先生も同じ様な考えでいらっしゃいますでしょうか?」

⇒その通り。

「【質問③】
針生検時、p63とck6/5の免疫染色が行われた様です。
(余談ですが、とてもタイミング良くコラムに取り上げて下さり嬉しかったです)
この免疫染色は確定診断のためなら誰にでも行えるものではないのですよね?
これまでは免染が必要な程度の病状という認識で少し希望を持っていたのですが、
エコーでわかりづらい腫瘤なら、進行したものかもしれない、免染を行っているなどという
希望を持っていてはいけないのかも…という気持ちになってきました。
免染を行っていたとしても、(エコーで見える大きさの)2センチ前後の浸潤をしている事はありますか?」

⇒それはわかりません。(予想しても仕方がないことです)

「【質問④】
腫瘤①と腫瘤②は娘結節と呼ぶのだと思いますが、
主病変(もはやどちらの事を指すのかわかりませんが)と娘結節でER,PgR,HER2,グレードが異なる可能性はどの様なものでしょうか?
(抗がん剤治療が必要になるかどうかを懸念しております)」

⇒ありません。(それを想定して2か所でサブタイプを行うこともありません)

 
 

 

質問者様から 【質問5 】

Ki67グレーゾーンとグレード1について
性別:女性
年齢:42
病名:浸潤性乳管がん
症状:特になし
投稿日:2020年12月4日

田澤先生、こんにちは。

この度術後の病理結果が出ました。

「Q&A結果」にご連絡しようと思っていたのですが、一部心配な部分があったので
貴重な枠を頂戴し、質問させていただきます。

まずは、病理結果です。
(詳細な紙は頂けず、ポイントのみを記したものです)

乳がんのタイプ:浸潤性乳管がん
断端検査   :陰性
センチネルリンパ節生検:転移なし(0/1)
腫瘍径    :5.8cm
2つの浸潤がんの間には非浸潤がんを認めます。
①と②はつながっていないので、
多発病変となります。

<腫瘤①>
浸潤径 : 1.8cm
ER : 7/8
PgR : 8/8
Her2 : 2 → 遺伝子検査の結果(-)
グレード: 1
Ki67 : 40%

<腫瘤②>
浸潤径 : 1.3cm
ER : 7/8
PgR : 8/8
Her2 : 1
グレード: 1
Ki67 : 25%

今後の治療として、放射線治療とタモキシフェンの内服と言われました。

Ki67の数値が気になったので尋ねたところ、
Ki67は測定の仕方によって数値が変わってくる。

グレードが1なので抗がん剤はなしで良いと思う。との事でした。

帰宅してから過去のQ&Aを拝見していると、
「Ki67がグレーゾーンとはいえ、グレードが1でもあり、luminalA相当だと思う」
「グレードが1で早期なので、抗がん剤による上乗せ効果が低くなる」
という田澤先生のご回答を見つけました。

今回お聞きしたい内容は、
【質問①】
Ki67が比較的高値でグレードが1というのは、分裂期にある細胞の実数は多くないが、
割合としては多いということでしょうか?
(グレード1の内訳は聞いておりません)

【質問②】
田澤先生であれば、、私にどの様な治療方法を勧められますでしょうか?
主治医を信じてホルモン剤の内服のみで良いと思われますか?

お忙しい中大変恐縮ですが、ご回答いただけましたら幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは田澤です。

Ki67で迷うなら(グレードはどうあれ)OncotypeDXすべきです。(この場合はmainであり、Ki67がより高い)腫瘤①を対象にしましょう。
ご参考に。



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