乳がんは早期発見、早期治療を目指しましょう。乳がん手術は江戸川病院|乳がんプラザ

[管理番号:6999]
性別:女性
年齢:41歳
病名:
症状:左胸しこり,左脇しこり 右わきしこり

妻の治療方法に関して今更ですが正しいのか
不安になり質問させていただきます。

経緯)

1,去年40歳で人間ドックにてマンモグラフィーを行い問題なし。

2,今年胸に張りがあるため,個人の病院で検査。

  乳がんの可能性が高い為,紹介状をもらい総合病院へ。

  エコー,細胞を採取して乳がんと確定されました。

  ・大きさが50~60mm,リンパ節転移あり。
(右側)
  ・反対側の脇に転移有りとのことでした。
(左側)
  ・HER2 3+ ER(+)
   右側:乳房から細胞採取
   左側:リンパ節から細胞採取(乳房にはしこり等なしのため)
  ・CT(造影剤)で他への転移は認められない
  ・ステージ3
  ・サブタイプの情報なし

  担当医からは左側のリンパ節に関して理由が定かでない
  とのこと。

 
突然のことで頭が真っ白になり,腫瘍が大きいので小さくすることで温存の可能性もある術前化学療法の提案に対して特に疑問を持つこともなくすぐに治療開始をお願いしました。

  
3,治療方法:タキソール+ハーセプチン 1回/週 12回
  3か月後の状況で治療方法を判断
  
  経過:1週目で妻自身は胸の張りが改善
     3週目の担当医のエコー診断で右胸,左脇ともに縮小確認
     6週目右側エコーで確認縮小
     9週目右側エコーで確認が難しい状況で血流の集まりで
        存在は確認。
妻より手術実施を要請(全摘可で)
     11週目担当医よりエコーでは縮小しているが全摘の方が
        良いとのこと,右のリンパ節の切除もすることで
        妻も了解して12月中旬に出術を行うことに     
        最後の抗がん治療後に再度CT検査を実施予定。

        
      ※左側のリンパ節に関してどのようにする現在検討中

質問ですが

1,反対側(左)のリンパ節に転移することはあるのでしょうか
2,左側のリンパ節に対しての確認は出術時に切除し検査が
  必要でしょうか。
右側も同様でしょうか。

3,術後の化学療法は抗がん剤+ハーセプチンかハーセプチン単独
  のどちらになるのでしょうか。
それを決める因子は何にあるのでしょうか。

4,タキソールをすでに実施している場合はどのような抗がん剤が
  適用できるのでしょうか。

5,放射線治療の対象は手術時のリンパ節転移数による決まるのでしょうか。

6,術前化学療法をした場合,病理診断が難しくなるのでしょうか。

術前化学療法に関していろいろ勉強するにつれ心配しておりましたが
3週間にごとに自らエコーを行い状況を観察し,サイズも小さくなっていることからこのまま手術を行い,しっかり術後に関しても治療を
受けてもらいたいと思っております。

妻自身あまりネット等で情報を取集するほうではなく,担当医の診療には信頼をおいているようです。

私自身がいろいろ情報に触れ妻に質問するのですがあまり担当医に聞けていないようで余計に不安になってしまっている状況です。

まだまだ子供も小さい為,妻とともにしっかり治療をしていきたいのでよろしくお願いします。

担当医:自ら年間150件程度出術を行っており,自らエコーや細胞採取を行われている方なので信頼はできる方と勝手に思っております。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

各質問に回答する前に、重要な「原則」を理解してもらう必要があります。
今回のような「術前化学療法」の場合に、時に無視されてしまうと(後で)大変なこ
とになるかもしれないので、よくご理解ください。

1.リンパ節の郭清の範囲及び、(術後の)放射線照射の適応に関しては(化学療法後の状態ではなく)『化学療法前の状況(この場合、画像診断)』での評価を基にしなくてはならない。
 一番多い「誤り」は「化学療法前、リンパ節転移有」→(化学療法後に)画像上「リンパ節転移の消失」したがために、(本来行ってはいけない)「センチネルリンパ節生検をしてしまう」ケースです。
 本来は、(化学療法前に)「リンパ節転移有」ならば、(化学療法が効いても聞かなくても)『腋窩郭清しなくてはならない』のです。
 『今週のコラム 91回目 「転移したリンパ節が残存」してしまうのです。』をご参照ください。

 同様に、(術前化学療法後の)病理結果ではなく、「化学療法前の画像診断でのリンパ節転移の個数」を基に「術後照射の適応は決まる」のです。

2.抗HER2療法
 これは本来HER(trastuzumab:ハーセプチン)に標準化学療法である「アンスラサイクリン」と「タキサン」を組み合わせる(具体的には アンスラサイクリンx4
→HER+タキサンx4(ドセタキセルなら4回、パクリタキセルなら12回) )
  ものです。
 ただ、(術後病理で)早期の場合には「非アンスラサイクリンレジメン」も選択肢に入りますが、(当然ながら)術前化学療法をした場合には当てはまりません。あくまでも「アンスラサイクリンレジメン」でなくてはいけないのです。

「1,反対側(左)のリンパ節に転移することはあるのでしょうか」
→これは、かなり限られたケースです。
 原則としては、ありません。
 
 例外として起こるケースは「原発巣が広範囲に広がり(おそらく)皮下のリンパ管を通って対側腋窩に行ったのかな?」というケースです。

 ★そもそも、左のリンパ節は細胞診?で癌が確定しているのですか?

「2,左側のリンパ節に対しての確認は出術時に切除し検査が必要でしょうか。」
→??
 化学療法前に「転移という診断」がついているのであれば、当然(化学療法により焼失したとしても)郭清しなくてはいけません。

「右側も同様でしょうか。」
→冒頭でコメントした1のとおりです。

「3,術後の化学療法は抗がん剤+ハーセプチンかハーセプチン単独のどちらになるのでしょうか。」
→アンスラサイクリンをすべきです(冒頭の2のとおり)

「それを決める因子は何にあるのでしょうか。」
→因子など、ありません。
 術前化学療法としての抗HER2療法は「アンスラサイクリンを省略する根拠がない」のです。

「4,タキソールをすでに実施している場合はどのような抗がん剤が適用できるのでしょうか。」
→アンスラサイクリン(上記、回答のとおり)

「5,放射線治療の対象は手術時のリンパ節転移数による決まるのでしょうか。」
→その通り(冒頭の1のとおり)

「6,術前化学療法をした場合,病理診断が難しくなるのでしょうか。」
→その通り。
 だから基本的には「化学療法前の画像診断での評価」が重要となるのです。

     





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