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術式で迷っています

[管理番号:847]
性別:女性
年齢:44歳
来月初旬に非浸潤がんの手術待ちの状態です。
ゴールデンウィーク前ぐらいに告知されて、混んでいる病院を選んでしまったのと、自身の不注意で足を怪我をして手術日が延びてしまいました。
検診で行ったクリニックで両乳房に腫瘍の塊(広がり)がそれぞれあり、どちらも範囲が3~4センチぐらいあって、右の方が疑いが強く血性乳頭分泌もあり、針生検したところ乳腺症との診断で、ついでにやった左が非浸潤がんということで告知を受けました。
範囲が結構あるのと乳頭乳輪の近くで非浸潤でも全摘で再建の方向で考えていたんですが、がんの広がり診断のつもりで先月受けたマンモトームで刺した所は全て良性との診断で…
今の所明らかに非浸潤がんなのが7mmということなんですが、部分切除にしても乳頭乳輪に近いので残せないだろうとのことです。
その場合一般的に全摘の選択をされる方が多いのでしょうか?
もしくは乳頭乳輪がなくても少しでも自分の乳房が残るのをよしとしたほうがいいのか?
自分でもどちらの選択をしていいのやら、迷って決められない状態です。
手術する病院の方針では、部分切除しても必要がないと判断すれば放射線はやらないとのことです。
部分切除で放射線をしたらその後再建は難しいと主治医はおっしゃっていました。
でも7mmの腫瘍で自分の乳房を全てとるという決断もなかなかふんぎりがつきません。
全摘で一時一期再建でエキスパンダーを入れて も形成も混んでいるらしく、エキスパンダーに水を入れきってからも8ヶ月待ちだそうで長い道のりです。。
また右の乳腺症も左と形状も出来ている範囲も酷似していて、乳腺症の中にがんが紛れていないか心配です。
こういう症例(乳腺症の中に非浸潤癌が紛れている)は結構あるものなんでしょうか?
今更ですが本当にがんなのか自分を納得させる為に別の病院で病理診断をしてもらおうか考え中です。
まとまりがない文章で申し訳ありませんが、ご意見よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
私がメール内容を確認する分には「診療内容に問題」がありそうです。

回答

「右の方が疑いが強く血性乳頭分泌もあり、針生検したところ乳腺症との診断」
⇒もしも、血性乳頭分泌が「単孔性」であれば、「乳癌もしくは乳管内乳頭腫などの「乳管内病変」だと思います。
「乳腺症」という診断は「かなり怪しい」と思います。
○単孔性であれば、「乳管造影」すべきです。
「非浸潤がんなのが7mmということ なんですが、部分切除にしても乳頭乳輪に近いので残せないだろ」
⇒いくら「乳頭に近くても」乳頭乳輪部に直接浸潤していないかぎり(非浸潤癌なので、当然浸潤してはいないのですが)乳頭乳輪部も残せると思います。
「その場合一般的に全摘の選択をされる方が多いのでしょうか?もしくは乳頭乳輪がなくても少しでも自分の乳房が残るのをよしとしたほうがいいのか?」
⇒7mmの非浸潤癌であれば、「乳頭乳輪部も残した」普通の温存術が可能だと思います。
「右の乳腺症も左と形状も出来ている範囲も酷似してい て、乳腺症の中にがんが紛れていないか心配です」
⇒そもそも乳腺症ではないと思います。
単孔性血性乳頭分泌がある以上、乳管内病変を疑うべきで「乳管内乳頭腫以上の病変」がある筈です。
まずは「乳管造影」が必要であり、『左を手術する前に、右の診断を確定させるべき』だと思います。
♯左を手術して、「数か月後に」やはり右も癌でした。「今度は右を」とするべきではありません。
もしも右も癌であれば、「左右同時に治療すべき」だと思います。

質問者様から 【質問2】

田澤先生、早速のご回答ありがとうございます!
血性乳頭分泌は自覚症状があったのではなく、最初に行ったクリニックの先生が乳首
を強く摘み、絞り出して出た、という感じです。
単孔性というのは一カ所から出る、ということでしょうか?
単孔性という単語は聞かなかったので、単孔性かどうかはわかりません。
最初は乳管内乳頭腫という単語が出ていました。血性乳頭分泌があるので乳がんの確
率が30%ぐらいある。その為針生検を行いました。右はバコラ生検、左はコアニード
ル生検です。
病理の結果、右は乳腺症とのことで、
↓検査結果を引用します(右のみ)
右乳頭下からのバコラ生検標本5本
Mastopathyが目立っている
Fibrosisに加え、cystic change, adenosis, apocrine 化生などが見られる
クリニックの先生は、紹介先の病院で本当にほっておいていいものかどうかよく見て
もらって~とおっしゃっていましたが、紹介先の今の病院の別の先生も同じことを
言っていたのですが、主治医は大丈夫でしょう…という感じで現在までその後の検査
等はしていません。
(血性乳頭分泌が出るかの確認はして下さいましたが、その時は出なかったようで
す。摘み出しの力が前の先生より弱かったのかもしれませんが…)
乳管造影というのはお願いすればやってもらえるのでしょうか?
左に関してですが、エコー画像で見ると乳頭乳輪までの距離が5mmと少し…ぐらいし
かありません。その場合でもぎりぎりの所で切除することは可能なんでしょうか?
通常1~1.5センチぐらいのマージンをとると聞いています。
非浸潤の場合はぎりぎりでもよいのですか?
その場合、術後の放射線で補うということなんでしょうか?
ぎりぎりで取って結果再手術になるのもいやだし、悩ましいです。
お忙しいところ申し訳ありませんが、再度ご意見よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
左が乳癌(7mmの非浸潤性乳管癌)、右が「単孔性血性乳頭分泌を伴う腫瘍(マンモトームで乳腺症)」ですね。

回答

「最初は乳管内乳頭腫という単語が出ていました。血性乳頭分泌があるので乳がんの確率が30%ぐらい」
⇒やはり「このコメント」からしても担当医が「乳管内病変を疑っていた」ことが解ります。
「乳腺症」との診断は「病変を外している」可能性は考えなくてはなりません。
「乳管造影というのはお願いすればやってもらえるのでしょうか?」
⇒お願いしてみてください。
但し「乳管造影をしない/したことがない」乳腺外科医が如何に多いかが、「QandAを見ていれば」解ると思います…
「エコー画像で見ると乳頭乳輪までの距離が5mmと少し…ぐらいしかありません。その場合でもぎりぎりの所で切除することは可能なんでしょうか?」
⇒これは「私が実際に画像を見ていない」ことをまず、割り引いてほしいのですが…
乳腺は「立体的なもの」です。
想像して欲しいのですが、「平面的に5mmの距離」でも「乳頭部の皮膚から乳管が伸びて腫瘍が存在」しています。
実際に手術すると「おそらく2cm以上はある」と思います。
ただし、「乳頭部皮膚ぎりぎりで切除」するので「術後多少は乳頭の血流障害となり色が変わる(通常だんだん回復します)」ことはあるかもしれません(実際に私はそのように説明しています)
この辺は「技量が必要なところ」ではあります。
乳頭からの距離の図

質問者様から 【質問3】

田澤先生、ご回答くださいましてありがとうございます。
図解までしてくださり、お礼が遅れまして申し訳ありません。
右の乳管造影については結局聞かずじまいです。でも現状自分で納得しています。
左の非浸潤癌について、最近の主治医の診察時の見解です。
7mmの非浸潤癌の同じ区域にMRI上で見ると同じような所見の腫瘍があり(マンモトームで確認した腫瘍とは別の腫瘍)、おそらく癌であろうとのことで同時に切除するとのことです。
乳頭乳輪についてですが、エコーで見ると近く見えるがMRIだと多少離れているので、術中病理診断で残せそうなら残す、残せなかったらなくなるとのことで、乳房のボリュームは三分の二ぐらいになるとのことでした。
術後の病理で放射線をやる確率は50%、放射線をやるのがいやならその時改めて全摘するか、との提案でした。
先生もなんとも判断難しいようでカンファレンスに出しますとおっしゃっていました。
温存術にしたとしても術後の乳頭乳輪の有無も気になるし、術後もまた悩みそうだとあれこれ悩み、足でかかっている病院に病理診断科と乳腺外来があったので、再度病理診断と術式の相談の為にセカンドオピニオンを申し込み、一昨日行ってきました(乳腺外来は今年できたとのことですが信頼のおけそうな乳腺専門医がいらっしゃったので)。
病理では右の乳腺症、左の非浸潤癌共丁寧に説明して下さり、納得できました。
セカンドオピニオンの医師の見解も、田澤先生と同じで乳頭乳輪を残した普通の温存術が可能であるとのことで、切除部分は四分の一にも満たない、親指の先ぐらいで済むとおっしゃっていました。全摘は取り過ぎ、とも。
その医師なら切除範囲の見極めの為にCTを取るとおっしゃっていました(仰向けの手術でうつ伏せのMRI画像では切除範囲のアタリがつけずらいから..?)今の病院では取っていません。
手術時の切除範囲の見極め方はやはり病院や医師によりそれぞれなのでしょうか?
田澤先生ならどうしてらっしゃいますか?
全摘か部分切除かでの悩みはほぼ消えましたが、どうしようか転院..という気持ちが湧いてきてしまいました。
今かかっている病院は放射線はとりきれたら省く方針で安全域をやや多めにとるようです。
(セカンドオピニオンの医師の談)
標準治療を推奨している病院でも非浸潤癌でも放射線を省くというのは極稀なのでしょうか?
セカンドオピニオンでの病院は標準治療として放射線はやるとのことです。
遠い先の可能性(将来的に再発し全摘の時の為に放射線は極力かけない(今の病院の方針というわけでなくあくまで個人的な気持ちです))の為に放射線をしないより近くの確実な治療をした方がいいとも。
また、乳腺症があり、病変が起きやすい乳房なので放射線をしておいたほうがいいのでは、という病理の方も意見をくださりました。
放射線被曝も気になるところではあるのですが。
今もやもやとしているのは、
セカンドオピニオンの病院に転院して標準治療で放射線とセットの温存術をお願いするか(初診から最短で2週間後には手術が可能とのこと)。
今の病院で予定通り手術決行(できる限り乳頭乳輪は残してもらう)。でも残したところで断層陽性の基準が厳しいようだから結果的に放射線をやらなければならなくなる?だとしたら少なめに切除して放射線をやるセカンドオピニオンの病院の方がいいのか。
セカンドオピニオンでの病院も田澤先生も通常の温存術でいけるとの回答なのに、今の病院の主治医が判断に悩んでいることがちょっと気がかりです(病院の方針で切除範囲が広くなるからなのかもしれませんが)。手術間近なので今のタイミングで転院するのもなんとも気が引けます。
命の心配がほぼないのにぐだぐだと悩んでしまいます。
思えば乳がんの疑いが出てきた当初からこちらのサイトを見ていたのに、能動的に病院探しをしなかったのが悔やまれます。
皆さんおっしゃってますが、田澤先生の熱意が伝わってくるこのサイトは素晴らしいですね。
長文かつ質問というかお悩み相談のような内容で申し訳ないのですが、後回しでかまわないのでご意見頂けたら幸いです。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
まず私は「血性乳頭分泌があった」のに「乳腺症」という診断については「よくよく注意が必要」とコメントしておきます。
それと「非浸潤癌に対する乳房温存術後に放射線照射をしない」病院の診療には全く賛成できないし、コメントする気もありません(乳癌診療ガイドラインの推奨度Aなのです)
セカンドオピニオンの病院の方が「通常の考え方」だと思います。
温存できるかどうかは、実際に診察しないと「無責任には」コメントできません。(前回の回答を参照してください)



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