[管理番号:1946]
性別:女性
年齢:40歳
はじめまして。
術後抗がん剤をやるべきか、迷っています。
主治医はやらなくてもいいと思うけれど、やりたければやってもいいですとの考えです。
やるとしたら、EC4クールその後DTX4クールにしますと言われました。
手術は11月5日に部分切除で終わりました。
左乳房上内側部浸潤性乳管癌
以下は私の知る病理結果です。
腫瘍の大きさ1.5×1.2
センチネルリンパ生検 2個中1個に2mmをわずかに超える
大きさの転移あり
リンパ節郭清なし
ER+98%
PgR+98%
HER2 +1
MIB-1 10%(これはki67と同じものでしょうか?)
悪性度1
脈管侵襲 ほぼないと思われる
今はこれしかわかりませんが、聞けば主治医は教えてくれると思います。
化学療法をスキップして放射線とノルバデックスだけで大丈夫でしょうか。その場合はリュープリンなど卵巣機能を止める薬も必要でしょうか。
夫は、子どもたちのことを考えるとできるだけ長く生きてほしいので化学療法をやって欲しいとは言いますが、副作用や後遺症を考えると強くは勧められないと言います。自分で決めるしかないのはわかっていますが、この1ヶ月悩みすぎてくたびれました。
どうぞ先生のお考えをお聞かせ下さい。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
pT1c(15mm), pN1(1), pStage2A, luminal A
ルミナールAは「ホルモン療法単剤」が基本です。これに「化学療法を上乗せ」する条件としては「リンパ節転移4個以上」(St.Gallen 2015)と考えられます。
質問者が「化学療法を選択する理由はない」と思います。
「センチネルリンパ節生検では2mmを超えると肉眼的転移として、追加郭清」を行うことが一般的ですが、『僅かに超える』という『僅か』で郭清しなかったとしても許容範囲でしょう(施設によっては3個以内は照射みたいなところもあるようです)
回答
「MIB-1 10%(これはki67と同じものでしょうか?)」
⇒その通りです。
文句なしの「luminal A」です。
「化学療法をスキップして放射線とノルバデックスだけで大丈夫でしょうか。」
⇒「ルミナールA」でリンパ節1個だけ(それも「僅かに2mm超える」)であれば、それでいいと思います。
「その場合はリュープリンなど卵巣機能を止める薬も必要でしょうか」
⇒SOFT試験の結果からはLH-RHagonistが有効であった群は
①35歳未満
②化学療法終了後に月経が戻った群
質問者は「どちらにも当てはまらない」ので「不要」と思います。
○adjuvant onlineでの「化学療法の上乗せ」は僅か5%となります。
効果と副作用のバランスからすると、推奨はされません。