[管理番号:5306]
性別:女性
年齢:36歳
田澤先生、初めてメール致します。
女性36歳、昨年12月に左乳がんとの告知を受け、
今年2月に全摘出の手術を受けました。
組織型:硬がん
浸潤径:1.4cm(画像評価をもとにすると2cmぐらいのものだったと考えるべき)
リンパ節転移:なし
ER、PgR:ともに陽性、ともにallred score7
HER2:0
脈管侵襲:中等度
核異型度:2
ki67:15%程度
との病理診断を踏まえ、主治医の提案する術後化学療法CEFを4月より4クール受け、現在はタモキシフェン内服中です。
化学療法開始後より月経が止まっているため、リュープリン等は行っておりません。
納得して治療を受けていたつもりだったのですが、最近田澤先生のこのQ&Aを知り、上記の自分の状況に疑問点が生じてまいりました。
質問
①浸潤径というのは本来術後病理の結果が正式なものだと思うのですが、何故「画像評価をもとにすると2cm」と判断されてしまったのでしょうか?そのような考え方もあるのでしょうか?
②主治医からは年齢、核異型度、脈管侵襲中程度という点より化学療法を提案され、治療を受けました。
しかしQ&Aを拝読させていただくと、私の場合は化学療法の上乗せが殆ど期待できないタイプのものであると感じ、更に、再発リスクが高いのなら何故CEFのみを行ったのだろう、と疑問に感じます。
これからでも、タキサンを追加する意味はあると先生はお考えですか?
③化学療法をすることで、ホルモン感受性が低下もしくは陰性化することはありえますか?
④主治医からは、無治療だと再発・遠隔転移率は35%程度だといわれましたが、治療をするとどの程度それが低下するのかは提示してもらえませんでした。
私の場合の10年無再発生存率はどの程度なのでしょうか?
以上長文申し訳ありません。
宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
ルミナールAで術後抗癌剤をしたということですね。
「質問
①浸潤径というのは本来術後病理の結果が正式なものだと思うのですが、何故「画像評価をもとにすると2cm」と判断されてしまったのでしょうか?そのような考え方もあるのでしょうか?」
⇒理解しがたいですが、(想像するに)担当医の性格(慎重派?)なのでしょう。
「これからでも、タキサンを追加する意味はあると先生はお考えですか?」
⇒全くありません。
「③化学療法をすることで、ホルモン感受性が低下もしくは陰性化することはありえますか?」
⇒それはありません。
「私の場合の10年無再発生存率はどの程度」
⇒10%です。
質問者様から 【質問2】
エコーカテゴリー3-2について
性別:女性
年齢:43
病名:右乳がん疑い
症状:
投稿日:2024年01月17日
2017年に一度質問させていただいた者です。
2017年に左乳がんの全摘出術後、CEF4クール、リュープリン注射約2年、タモキシフェン内服5年の治療を終え経過観察となっています。
2024年1月の定期検査結果で、右胸に所見があると言われました。マンモグラフィーでは問題なし、エコーで2㎝ほどの新たなカテゴリー3-2の硬がん疑いとのことでした。典型的な乳がんの見た目?からは外れているようなのですが、今後の精査について、①造影MRI、②針生検、③経過観察の提案がありました。
お尋ねしたいのは以下の2つです。
①カテゴリー3というだけでなく、カテゴリー3-2とまで区分されているものはどのような位置付けなのでしょうか。3-1とはどの点が異なるのでしょうか。
②今後の選択肢として示された造影MRIが良く分からないのですが、この検査を受けるとどのようなことが分かるのでしょうか。
どうぞ宜しくお願いします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
まず、「新たな所見」という時点でカテゴリー3以上は全て乳癌疑いとして(MRIとは無関係に)組織診しなくてはいけません。
①カテゴリー3というだけでなく、カテゴリー3-2とまで区分されているものはどのような位置付けなのでしょうか。3-1とはどの点が異なるのでしょうか。
⇒カテゴリーⅢは(日本語的に言うと)「鑑別困難(良性とも悪性とも言えず中間的存在)」となります。
それを「良性寄り(3-1)」と「悪性寄り(3-2)」に敢えて分けているのです。
②今後の選択肢として示された造影MRIが良く分からないのですが、この検査を受けるとどのようなことが分かるのでしょうか。
⇒本来MRIを診断目的で用いること自体「御法度」です。
★MRIは(癌と診断されたうえで)「拡がり診断目的」でのみ行われるべきものです。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/1/31
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質問者様から 【質問3】
造影MRI施行後の検査
性別:女性
年齢:43
病名:右乳がん疑い
症状:
投稿日:2024年01月31日
先日受けた造影MRIで血流に富む悪性所見があり、来週マンモトーム生検を受けることになりました。
乳がんプラザでの田澤先生のご回答を読んで勉強し、造影MRIががんの確定診断には
御法度であること、造影MRIで所見なしでも最終的には悪性である場合がままあることを知りました。
質問①
造影MRIではがんを見逃す可能性があるなら、逆に言うと、わたしのように造影MRIで悪性所見と出ている場合はがんとみなして良いのではないでしょうか?造影MRIでここまで所見があってもがんではない可能性などないのではないでしょうか?
質問②
そして既に撮影したこの造影MRIを「がんの拡がり」を判断できるものとして、針生検を経ずに手術へと向かうことは出来ないのでしょうか?
質問③
わたしはマンモグラフィーでは所見なし、エコーで硬がん>乳管内乳頭腫との所見でカテゴリー3-bとなりました(血性分泌などの症状はまったくありません)。エコーで指摘されたしこりの大きさは2センチですが、わたしが触っても医師が触診してもしこりの在りかは分かりませんでした。これががんだとして、がん自体が2センチなのか、または2センチのしこりの中にがんが含まれている可能性もあるということなのでしょうか。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
MRIは(診断目的ではなく)癌の拡がり目的で行うべきものです。
順番が逆になってはいますが、とにかく組織診で100%確定診断を得て(MRI結果とは無関係に)診断を確定させること。
重要なのは、ただそれだけです。
もしも(組織診で)乳癌と確定したら、無論(先に行っていた)MRIは拡がり診断として用いることになります。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/2/12
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