[管理番号:8714]
性別:女性
年齢:36歳
病名:
症状:
投稿日:2020年7月6日
田澤先生、お忙しいと思いますが、質問をさせていただきます。
宜しくお願いします。
先月の6月にトリプルネガティブの温存手術をして、7月に術後の病理結果が出ました。
病理の結果が変わっていて、ER -、PGR 弱陽性15%、HER
2 -、Ki-67 2.8%との事でした。
リンパ節郭清もしましたが、転移はありませんでした。
今後の予定として、放射線治療をしてから抗がん剤は想像していましたが、再発予防の為に追加でホルモン療法を5年と言われました。
知識がなく失礼な質問かもしれませんが、これからこちらで勉強させていただきます。
PGRのみ陽性でも、ホルモン療法は必要でしょうか?
ERとPGRはセットでホルモン受容体だと思っていました。
逆に抗がん剤はしなくてもいいんでしょうか?
放射線治療を60グレイする予定ですが、放射線治療の結果次第で、また治療法が変わったりあるんでしょうか?
再発や転移の可能性を主治医に言われると、すべて行うのがいいと思いますが、疑問に思ったので質問させていただきました。
ホルモン療法をする場合としない場合の再発や転移の可能性など、教えてください。
宜しくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
メール内容を拝見するに・
「トリプルネガティブ」を気にするあまり、(もっと大事な)「腫瘍径」についての記載がありません。あまり頭でっかちになるのは止めましょう。
「PGRのみ陽性でも、ホルモン療法は必要でしょうか?」
⇒副作用が許容範囲なら行ってもいいでしょう。(PgRが陽性の場合、ER陰性は免染の問題の可能性があります)
「逆に抗がん剤はしなくてもいいんでしょうか?」
⇒腫瘍径の記載がないため不要
1.トリプルネガティブでも浸潤径が5mm以下なら不要
2.(5mm以上だとしても)Ki67=2.8%と極端に低い(大人しい)ので
「抗がん剤は意味がない」可能性もあります。
「放射線治療を60グレイする予定ですが、放射線治療の結果次第で、また治療法が変わったりあるんでしょうか?」
⇒放射線は「予防照射」です。
放射線治療に「結果」などないので、「治療法を変える」根拠はありません。
「ホルモン療法をする場合としない場合の再発や転移の可能性など、教えてください。」
⇒それは不明です。(主治医に聞きましょう)
質問者様から 【質問2 】
術後の治療方法
性別:女性
年齢:36歳
病名:
症状:
投稿日:2020年7月14日
田澤先生。
前回肝心な腫瘍径を記入忘れてしまってすみませんでした。
最大径が2.5㎜です。
トリプルネガティブで温存手術を希望していましたので、術前抗がん剤をし、手術とリンパ郭清をしました。
リンパ節転移はなかったので、ステージ1aと言われました。
しかし、病理結果でPgRが弱陽性15%、Ki-67が2.8%あるため、
放射線後、経口抗がん剤とホルモン療法5年と言われ、抗がん剤も頑張ってきたので、放射線治療で一旦治療が終われると思っていたので動揺してしまいました。
また、同じ質問になるかもしれませんが、経口抗がん剤は必要でしょうか?
私のサブタイプは何になったんでしょうか?やはりホルモン療法はした方が再発予防になるんでしょうか?
再発は怖いです。
でも年齢的に妊娠などこれからの生活の事を考えてしまって、もちろん命は大事だとわかっているんですが…再発率があまり変わらないのであれば…ホルモン療法をしないで2ヶ月の経過観察や診察で!ってつい…思ってしまいます。
主治医に放射線治療が終わり次第、聞くつもりでいますが、疑問に思っている事があったので頭の中を整理してから、これからの治療にのぞみたいと思います。
宜しくお願いします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
前回のQはあまりにも肝心なものが抜けていましたね。
「術前抗がん剤」していたのですね!!!
「同じ質問になるかもしれませんが、経口抗がん剤は必要でしょうか?」
⇒とんでもない! 適応外診療です。
『今週のコラム 136回目 決して適応外診療を勧めることはありません。今回のガイドラインの記載には正直、迷惑であり驚いています』を熟読してください。
おそらく(ほぼ間違いなく)主治医はCREATE-Xを根拠に
『術前化学療法で病理学的完全奏効(pCR)を得られなかった症例を対象に術後capecitabine投与がDFS,OSを改善させる』として行おうとしているのでしょう。
★★それは「適応外診療」です。(上記コラムを参照のこと)
もしも(それでも)行おうとするならば、「全てが自費診療」となり、(適応外診療なのだから)有害事象も「自己責任」となります。
主治医に「適応外診療ですね?」と、までは確認しましょう。