[管理番号:1436]
性別:女性
年齢:39歳
よろしくお願いします。
現在9ヶ月の子供がいます。1年前、まだ妊娠中よりすこしですが、血乳が出てきまし
た。助産師さんにしこりを指摘されて乳腺科にかかるも、特にエコーにはうつらず、経過観察。
こちらからお願いし、大学病院を紹介していただき、そこでも同じ結果でした。
経過観察3カ月、その次、5カ月とあく間に、この度3カ月ほど前から自分でも
そのしこりに触れることができるほどになりました。硬く大きいものでしたが、病院
にかかっていることもあって安心し、授乳に伴うものだろうと放置してしまいました。
そして受診したところ、細胞診、触診、エコーから乳癌の可能性が高いとのことで入院の予定も立っています。マンモトームは結果待ちです。
こわくてこわくて…まずは抗ガン剤投与の入院だということです。大きいからでしょ
うかか。大きさもしっかりあります。
転移も心配です。
小さな子供が二人いて不安です。もう手遅れなのでしょうか。授乳中乳癌は予後も悪いと…しかも放置して授乳していたので心配です。まだ生きられるのでしょうか。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
授乳中の乳癌ですね。
「妊娠中からの経緯」を聞くと、大変残念であり、質問者のお気持ちお察しします。
回答
「まずは抗ガン剤投与の入院だということです。大きいからでしょうかか。大きさも
しっかりあります」
⇒術前抗がん剤の方針のようですが、「理由も知らされずに」なのでしょうか?
そうだとすれば「大問題」です。
本来「術前化学療法の目的」は「小さくして温存」です。
もしも「温存手術の希望が無い場合」には「手術先行」でいいわけです。
それを「理由も聞かされずに、術前抗がん剤しかない」みないな事では、大変困っ
たものです。
「抗がん剤が必ず効く訳では無い」ことに注意してください。
「授乳中乳癌は予後も悪い」
⇒これは「誤り」です。
たんに、「妊娠、出産、授乳」と「検診を受けずらい(受けてはいけない訳ではあ
りません)」「しこりがあっても本人も、(時には医療機関さえも)見逃してしま
う」ために、『進行してから発見されることが多い』からにすぎません。
つまり「同じステージ同士で比較」すれば、全く予後は同等です。
「しかも放置して授乳していたので心配です。まだ生きられるのでしょうか」
⇒乳癌は予後の良い癌です。
大丈夫です。
○とにかく、「理由もなく、同意も無く」術前抗がん剤治療となる事には反対です。
一度担当医に「術前抗がん剤にする理由」を聞いてみてください。
「見えない癌を最初にたたく」とか「抗がん剤の効果がわかる」とか「リンパ節が
腫れているから」などの「尤もらしい理由」をつけられても、それは誤りです。
納得した治療をしてもらってください。
質問者様から 【質問2】
先生有難うございました。次回の診察で担当の先生の説明よ
くきいてみようと思います。
今のところマンモ、エコー、細胞診で癌の可能性が高いということで、マンモトームの結果
が出る次回の診察で確定をつけるということです。
とはいえ、入院の予定も立っているということは決定ですよね?
マンモトームの結果癌でなかったという可能性は考えにくいですか?
又前回の診察で癌だろうということで
チラっと仰った、抗ガン剤投与の1週間の入院ですが、手術しても無理な最悪な状況だから抗ガン剤投与の予定を立てておられる可能性が高いですか?その場合の余命はかなり厳しいですか?
わたしが触れても癌10センチ位あります。背中も痛く咳もで
るということは転移していますか?残される家族のことを眠れません。
お忙しいところ申し訳ありません。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「入院の予定も立っているということは決定ですよね?マンモトームの結果癌でな
かったという可能性は考えにくいですか?」
⇒診療の経緯からは、「癌の可能性が高い」といえます。
「抗ガン剤投与の1週間の入院ですが、手術しても無理な最悪な状況だから抗ガン剤
投与の予定を立てておられる可能性が高いですか?」
⇒私が診察している訳ではないので、「はっきりした事は言えませんが…」
「手術不能」という訳ではないと推測します。
ただ単に「多少大きければ」原則、「術前化学療法」と言う位の感覚のように見えます。
「その場合の余命はかなり厳しいですか?」
⇒そんな事はありません。
乳癌の初期治療の段階で「遠隔転移をしている」ことはほぼ無いのです。
「背中も痛く咳もでるということは転移していますか?」
⇒「何でもかんでも、乳癌の転移の症状」と考えてしまう気持ちはわかりますが…
乳癌とは関係無いと思います。