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胸を触ると痛い症状についてと病院に行くべきタイミング

[管理番号:133]
性別:女性
年齢:31歳
3ヶ月ほど前から、生理日以外に胸を触るとしこりのようなものがあり、痛みがあります。
左の方が痛みが強く、右もすこし同じような状態ですが、左胸よりは痛みは少ないです。
 
これまで、乳がん検診などは受けたことがないのですが、仕事上乳腺外来への受診時間が避けずに乳がんなどの病気を患っているのではないかと不安です。
もう少し期間をおいて、ずっと続くようであれば、受診すべきでしょうか。
それとも、すぐにでも受診しなければならないでしょうか。期間を置く場合は、何ヶ月くらい状態を観察すべきでしょうか。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 「痛みを伴うしこり」ですね。
 それでは回答します。

回答

「いつ受診すれば良いか?」
⇒3カ月以内に受診したほうがいいでしょう。
 タイミングを見計らう必要はありません。「乳腺外科を受診」すれば、どのタイミングでも「異常が無いか確認」できます。
 
「痛みを伴う、しこりのようなもの」
⇒これは乳腺症の可能性が最も高いです。
 乳腺症は正常乳腺の女性ホルモンによる変化(線維化=硬さ、乳房痛)です。病気ではありません。
 
◎ただ「一度も乳癌検診を受けた事がない」なので、3カ月以内に受診をお勧めします。
 仕事が忙しくても「自分の体のためですから」3カ月以内には「乳腺外科」の予約を取ってください。
 
 
※今回受診して「異常なし=乳腺症」となった場合でも、これを機会に「1年に1回の定期検診」をお勧めします。
 31歳という年齢からすると、そろそろ「乳癌の注意」が必要となってくるからです。
 
 

質問者様から 【質問2 乳腺外来について】

ご丁寧に回答いただきありがとうございます。
乳腺外来を受診しようと考えているのですが、
痛みの強い状態でもマンモグラフィーなどの検査をおこなうのでしょうか。
何かにぶつけてしまっただけで、かなりの痛みがありマンモグラフィーの痛みに耐えられるのか不安です。
予約の際に、受付の方に伺ったのですが、先生でないとわからないとの返答で、少し痛みが引いてから予約を取るべきか判断ができませんでした。
 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。
 以前「乳腺症が疑われますが、3カ月以内には受診を勧めます」と回答差し上げた方だと思います。
 それでは、今回の回答をします。

回答

「痛みの強い状態でもマンモグラフィーなどの検査をおこなうのでしょうか。」
⇒(痛みを我慢してまで)マンモグラフィーを撮影する必要はありません。
 
 「31歳という年齢」「乳房痛など乳腺症を思わせる症状」などからすると、「マンモグラフィーは高濃度となり、見えにくい(診断的価値が低い)」と予想され、「超音波の方が、見易い(診断的価値が高い)」と予測されます。
 ※マンモグラフィーと超音波(エコー)の違いは、トップページの「皆が気になる質問」の「マンモグラフィーとエコーの違い」を参照してください。
 
 検査は超音波で十分です。(我慢してまで)マンモグラフィーを行う必要はありません。
 ※超音波技術に自身の無い医師ほど、マンモグラフィーにこだわりますが、「石灰化以外は間違い無く、超音波の方が有用」です。
 
「少し痛みが引いてから予約を取るべきか」
⇒(痛みが引いたタイミングがあれば)マンモグラフィーも撮影できるかもしれません。
 ただ、前述したようにマンモグラフィーは無理してまで撮影する必要はありません。
 たまたま痛くなければ(石灰化のチェックの意味で)「マンモグラフィーを撮影してもいい」という程度です。
 

結局のところ

「仕事に穴を空けてまで」タイミングを見計らう必要はありません。
⇒本来、31歳という年齢は「超音波」で十分なのです。(無理してまでマンモグラフィーを撮影する必要はありません)
 超音波検査だけしてもらいましょう。
 
 もし、「仕事に影響の無い範囲で」タイミングを狙って「痛くない時期」に受診ができたら、
⇒超音波検査に加えて(必須ではありませんが)マンモグラフィーも撮ってもいい。(という程度です)
 
◎あくまでも、検査としては(全年齢層において)超音波が優勢です。 特に(20歳代~30歳代は)超音波のみでも十分です。