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医師の見解に相違について

[管理番号:3712]
性別:女性
年齢:47歳
健康診断にて右乳房に14mmの腫瘍が見つかり、
3ヵ月後、温存手術をしました。
病理は以下の通りです。
充実腺管ガン
Invasive tumor size 18×15×9mm
Histologic grade 2
Nuclear grade 1
Structural atypia score 3
Nuclear atypia score 2
Number of mitotic figures <5/10 HPF
Fibrotic focus –
Fat invasion +
Tumor necrosis –
Tumor-infiltrating lymphocyte +
ly1、v0、Perineural invasion -、Non-invasive component + ( 10%, non-comedo type, solid subtype, intermediate garade ) Sentinel lymph node ( 0/1 ) UICC
pT1N0M0 Stage1A
ER 10%以上 中等度
PgR 10%以上 高度
HER2 1+ タンパク過剰発現 なし
MIB-1 9.5%
主治医は異動予定になっており、
術後一度診察があり
再発率は10%程度のローリスクなので放射線とホルモン療法を
しっかりやっていきましょうと言って頂いたのが最後となりました。
病理が出た際、
新しく来られた先生に変わった訳ですが・・・。
ステージ1でも、腫瘍はほぼステージ2である
充実腺管ガンは、血行性転移率が高いタイプである
MIB-1 9.5%と低いが、5年10年後に再発する率が高い
ホルモン剤がしっかり効き目があるタイプでもない等々、何だか前向きになれないような事を並べます。
確かにこの様な事も聞きますが、言われた所で私にはどうする事も出来ません。
病理結果から、田澤先生ならどう判断されますか?
再発率、生存率を教えて頂けますか?
どうぞ、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1c(18mm), pN0, NG1, luminalA
○Ki67(MIB-1)が一桁はかなり低い値であり、間違いなくluminalAです。
この結果で「化学療法を提案」することなど、絶対にありえないことです。
「再発率は10%程度のローリスクなので放射線とホルモン療法をしっかりやっていきましょう」
⇒正しい判断です。(極めて常識的)
「ステージ1でも、腫瘍はほぼステージ2である 充実腺管ガンは、血行性転移率が高いタイプである MIB-1 9.5%と低いが、5年10年後に再発する率が高い ホルモン剤がしっかり効き目があるタイプでもない 等々、何だか前向きになれないような事を並べます」
⇒全く根拠がない。
 こんな医師は(医師としてというよりも、そもそも人間としての資質を疑いますが)無視して構いません。
「病理結果から、田澤先生ならどう判断されますか?」
⇒再発低リスク、ホルモン療法単独です。
「再発率、生存率を教えて頂けますか?」
⇒再発率9%
 10年生存率96%
 
 

 

質問者様から 【質問2 医師の見解に相違について】

性別:女性
年齢:49歳
田澤先生、いつもお忙しい中ありがとうございます。
早速ですが、アドバイスを頂ければと思います。
2007年に右乳房温存手術をし、病理は以下の通りです。
充実腺管ガン
Invasive tumor size 18×15×9mm
Histologic grade 2
Nuclear grade 1
Structural atypia score 3
Nuclear atypia score 2
Fibrotic focus ?
Fat invasion +
Tumor necrosis ?
Tumor-infiltrating lymphocyte +
ly1、v0、Perineural invasion -、
Non-invasive component + ( 10%, non-comedo type, solid subtype, intermediate garade ) Sentinel lymph node ( 0/1 ) UICC
pT1N0M0 Stage1A
ER 10%以上 中等度
PgR 10%以上 高度
HER2 1+ タンパク過剰発現 なし
Ki-67 9.5%
放射線後、ホルモン療法中なのですが
強い痒みの症状が出て非常に困っています。
主治医は、痒みの症状は聞いた事がないと言い皮膚科へとの指示。
皮膚科では、塗り薬と飲み薬を出すだけです。
薬の影響じゃないのかなと言いつつ、ホルモンの薬で痒みが出るのは
聞いた事がないとの事でどうする事もなく、塗り薬と飲み薬を続けています。
薬を飲まないともっと酷くなる痒みで、薬が効いていない訳ではないのですが痒みが治まる事もないので、体中傷だらけです。
さすがに主治医も、だったら休薬してみたらと。
一方で休薬するにも再発率が上がる事が心配です。
15~20%くらい上がると言われています。
まだ閉経はしていませんので、薬の変更も無理だそうです。
掻きむしる程の痒みなので、精神的に非常に参っています。
腕も足も出せないので、暖かくなるこれからは更に苦痛です。
田澤先生は多くの患者さんを診ておられますが、このような症状の方はいらっしゃいますか?
いらっしゃるとしたら、どのような対応をされているのでしょうか?
またステージ1の場合、腫瘍計が10mm以下の方には再発の記憶はありませんとQ&Aで拝見します。
では、再発してしまいそうなタイプは決まっていますか?
統計上、どうなんでしょうか。
pT1aとpT1bよりはpT1cが再発する率が高いと思うので、休薬の勇気も出ないのです。
最初の主治医の前向きになれない言葉も気になってしまいます。
このまま我慢する他ないでしょうか。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「田澤先生は多くの患者さんを診ておられますが、このような症状の方はいらっしゃいますか?」
⇒勿論、いらっしゃいます。
 因果関係も明らかなら「薬剤性」となります。(発診があれば「薬疹」ということです)
「いらっしゃるとしたら、どのような対応をされているのでしょうか?」
⇒休薬です。(皆がみんな「同じ治療ができる」わけではないのです)
 ただ、「痒いけど、再発リスクが上がるのが怖い」と「頑張って飲み続けている」人もいるし、(休薬するよりも「マシ」と)「飲んだり飲まなかったりで継続」している人もいます。
「再発してしまいそうなタイプは決まっていますか?統計上、どうなんでしょうか。」
⇒ステージごとの再発率を見ると解りますね?
 「ステージが高い方が再発率は高い」
 逆に言えば、そういう傾向が無ければ「ステージを設定する事自体、無意味」となりますよね??(ある程度のリスクを知るためのステージなのです)
「このまま我慢する他ないでしょうか。」
⇒閉経前は…
 タモキシフェンとLH-RHagonistしか選択肢がありません。
 もう一つの方法としては(タモキシフェンを休薬して)LH-RHagonist単独治療です。(エビデンスは不十分ですが)