[管理番号:3888]
性別:女性
年齢:42歳
はじめまして、私は、今夏、DCIS(非浸潤乳管癌)と診断され、MRI、CT、生検の結果、左乳房の部分切除(温存手術)および、センチネル生検を受けました。
その後、術後の療法として、ホルモン療法および放射線治療を勧められました。
ホルモン療法に関しては、ノルバデックス20mgを5年間服用するように言われました。
その際の副作用には、子宮体がんの発病の可能性があること、ただし、
1000人に1人位の割合でマレであること。
また、半年に1度程度、
婦人科にて検診、フォローする旨を話してくださいました。
ホルモン療法についてですが、なぜ、リュープリンではないのでしょうか?
そして、放射線治療ですが、主治医(乳腺外科医)は、今回該当している部分の切除はきれいに取り切ったと言われたのですが、一応100ミリ分の1くらいの大きさの小さい癌細胞が左乳房に無いとは言い切れないし、放射線を照射すれば、高確率で死滅するので、放射線を受けてください。
と言われました。
そして、放射線外科を紹介され、(放射線照射は、この病院では、放射線専門医のもと、照射位置の特定などをします)、放射線医師の診察を受けたところ、主治医との判断とは少し相違がありました。
というのも、私の病理や手術を見る限り、初期の段階で見つかり、癌の部分はきれいに切除され、センチネルの結果も陰性であることから、放射線治療における副作用(二次発癌など)を考えると、放射線の照射は必要ないのではないか? と言われました。
ホルモン治療はした方が良いのでいので、それで大丈夫では?とも言われました。
ただ、照射するのもしないのもあなた次第だから、よく考えて心が決まったら来てください。
とのお話をされました。
というわけで、正直、放射線治療をするかどうか迷っています。
私の迷いどころは、放射線治療をすれば、根治に近い状態になるのは分かっているのですが、副作用として可能性のある二次発癌のことです。
10年、20年、もしくは3年から白血病や、食道癌、肺がんの発病の可能性があるようです。
放射線治療を受ければ、ホルモン療法と合わせて、乳がんに関しては、
根治の近い状態になるかと思われますが、放射線治療を受ければ、数年後から他の癌になる可能性があり、その場合の癌の質は悪く進行度も高いとされております。
どちらにせよ、何らかの形で、癌になる可能性は否めないのでしょうか?
放射線治療を受けなければ、乳がんの再発率はかなり高確率になりますが、見つかった時点で、今度は全摘出すれば、根治するのではないか?とも思ったりします。
また、放射線治療をすると、皮膚が硬化し、その後の手術(全摘出や再建←予定はありませんが)がむずかしくなると言われています。
放射線治療をし、乳がんが再発した場合、再度、部分切除は可能なんでしょうか?
とにもかくにも、放射線治療をするべきかどうか、しなくても良いのか、先生の御診断を賜りたく、どうぞご高診の程、お願い申し上げます。
長文になりましたが、私の病理診断の結果を下記にてお知らせ申し上げます。
1. DCIS(solid type)
2. Nuclear gradeⅡ, necrosis(-)
3. ER;90%
4. PgR;90%
5. HER2:1+(in situ)
6. 断端陰性
7. 43歳。
既往歴なし。
8. センチネル生検:陰性
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
残念ですが、私の考え方は日本の診療ガイドラインに準拠したものであり、「質問者が関わった(独自の考え方を持った)医師達とは異なる」ようです。
私であれば (診療ガイドラインに準拠して)『ホルモン療法は無し』『放射線は必須』です。
(以下 乳癌診療ガイドライン)
①非浸潤癌での術後ホルモン療法(タモキシフェン)の推奨度はC1
②非浸潤癌で温存術後照射の推奨度はA
お解りでしょうか?
○普通に考えれば、「ホルモン療法無しで、放射線は必須」となります。
♯非浸潤癌にタモキシフェンは適応は一応あります(推奨度C1ではあるが)が、
LH-RHagonist(リュープリンやゾラデックス)の適応はありません。