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腋窩リンパ郭清後の放射線治療の有無について

[管理番号:8154]
性別:女性
年齢:46歳
病名:乳癌
症状:

初めて質問させて頂きます。
11月中下旬に乳がん告知されております。

手術前のマンモトーム生検結果
硬癌、サブタイプ:ルミナルa、グレード2、ki67:10%、リンパ転移なし、ステージ1(4つあり、1番大きい腫瘍サイズは1cm)でした。

12月頭に左乳房全摘手術を受けましたところ、センチネルリンパ節に2ミリ以下の転移が2つ見付かりました。
(4本中2本) あわせて腋窩リンパ郭清をレベル1+αしております。
只今病理結果待ちです。

入院中に今後の治療の流れとして主治医より放射線と抗がん剤が必要とお聞きしました。
治療方針が大幅に変わってしまったのでかなり落ち込んでおります。
2個の微小転移があった場合、放射線治療は必要なのでしょうか?リンパ浮腫も気になり不安です。

抗がん剤につきましてはオンコタイプDXを依頼しております。

郭清されたリンパにも転移があったらと思うと…気が気でありません。

お手数をおかけいたしますが、よろしくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「2個の微小転移があった場合、放射線治療は必要なのでしょうか?リンパ浮腫も気になり不安です。」
→手術病理で最終的に…

 4個以上なら放射線の適応があります。(ただし腋窩ではなく、「胸壁+鎖骨上」です)

〇最も大事な視点は「郭清が不十分だから(郭清手技が不十分だから)」放射線で誤魔化すというのは誤りです。

 『4個以上の転移があった場合に(全摘後でも)照射したほうがよい』というのは、あくまでも(腋窩ではなく)「鎖骨上+胸壁」なのです。
 郭清した部位(腋窩)に照射をすることは患肢浮腫のリスクを増大させるので選択すべきではありません。(腋窩はあくまでも手術できちんと郭清すべきなのです)

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

リンパ節転移の大きさ、今後の治療について
性別:女性
年齢:46歳
病名:乳癌
症状:

お忙しい中、お返事を頂きありがとうございました。

術後の病理結果が出ました。
再度ご相談させて頂きます。

術前ではER:90% ,PR:80%(%は口頭で聞きました)
    HER2:1+, ki67:10% でした

病理結果↓
グレード1, DICS病変:50%,t:48×50mm(8×20)
リンパ節:(+) 3/20
一群:1/8 2群:0/8 3群: ,SN:2/4
(レベル1とレベル2まで郭清 レベル1+αと聞いてます)

となっていました。
コメントでリンパ節転移の大きさが記載されてましたが…1mm、2mm、11mm!!
術後は1mmと2mmは聞いていましたが、今回新たに11mmの転移があったことに驚きました。
同時に不安もこみ上げてきます…
担当の先生は癌細胞は取り切れていると仰っていました。

①オンコタイプをお願いしているのですが、そもそもこの11mmは検査を出すまでもない大きさなのでしょうか…?
担当の先生がオンコタイプ結果で抗がん剤をするか判断ということなのですが検査に出せる範囲なのでしょうか?

②今後の治療で放射線を勧められています。
(あくまで本人の意思で)受けるべきでしょうか?
日本では1-3のリンパ節転移(郭清済み)の放射線は弱く推奨で、アメリカでは強く推奨とのことでした。

③リンパ節転移のオンコタイプのRSスコアのボーダーは18であっていますか?
18以上の場合は50歳以下ですと抗がん剤がある程度有効とのことでした。
抗がん剤は考慮したほうが良いのでしょうか?

④病理結果でR1:1,MP:1とありました。
これは何を意味しているのでしょうか?
調べてみたのですがわかりませんでした。
予後不良要因でしょうか?

私の病理結果は根治が狙えるのでしょうか?
文章が纏まらず申し訳ございません。

よろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「①オンコタイプをお願いしているのですが、そもそもこの11mmは検査を出すまでもない大きさなのでしょうか…?」
→??

 リンパ節転移の大きさが大きいと(OncotypeDXの)検査に出せないのか?という意味ですか?
 全くナンセンス。

 OncotypeDXは
 「リンパ節転移なし」「微小転移」「1~3個」「4個以上」の記載をして提出します。

「②今後の治療で放射線を勧められています。(あくまで本人の意思で)受けるべきでしょうか?」
→4個以上でないと(私は)勧めません。

「③リンパ節転移のオンコタイプのRSスコアのボーダーは18であっていますか?」
→25です。
 『今週のコラム 188回目 このデータを見ても、まだ「リンパ節転移があると(ルミナールAでも)化学療法が必要だと思いますか??」』のグラフなど参考にしましょう。
 50歳以下だと(21~25までは)LH-RHagonist併用したほうがいいというデータはあります。
 (50歳以下) RS≦20 タモキシフェン
        21<RS≦25 タモキシフェン+LH-RHagonist
        26<RS 抗がん剤も併用

「18以上の場合は50歳以下ですと抗がん剤がある程度有効とのことでした。
抗がん剤は考慮したほうが良いのでしょうか?

「④病理結果でR1:1,MP:1とありました。
これは何を意味しているのでしょうか?」

→主治医に聞いてみましょう。(前後の文脈が無いと見当がつきません)

「私の病理結果は根治が狙えるのでしょうか?」
→勿論です。

 OncotypeDXで再発率を見ると安心するでしょう。