[管理番号:5541]
性別:女性
年齢:35歳
はじめまして。
こちらのQ&Aを拝読し、乳がんについて勉強しているところです。
放射線治療について教えてください。
乳房温存手術後の放射線治療は、術後9カ月でも効果はあるのでしょうか。
再発率は変わりますか。
標準的な治療では、術後2カ月以内に放射線治療を開始するかと思います。
温存手術を受けた担当医は「術後半年や1年以内でも効果はある」と言っていました。
状況が許せばすぐにでも放射線治療を始めたいのですが、
5歳(幼稚園)と2歳(未就園児)がおり、
通院時の子どもの預け先の問題もあって、
術後1年でも効果があるのであれば、来年5月以降にしたいのが本音です。
すぐに始めないと効果が無いのであれば、少しでも通院期間を減らせたらと思っています。
手術を受けた病院には放射線治療の設備がないため、治療を受けるには大病院へ行くことになります。
江戸川病院の放射線治療は、照射量を増やして回数を減らす方法がスタンダードなのでしょうか。
貴院のホームページ(放射線治療)で拝見しました。
また、照射量を増やした場合、副作用は強くなるのでしょうか。
江戸川病院の乳腺外科を受診する場合、このQ&Aの管理番号があった方がスムーズでしょうか。
8月(中旬)日 超音波、マンモ、MRIの結果、
乳がんの可能性が高いと判断
8月(下旬)日 乳房温存手術
9月(下旬)日 病理検査の結果が出る
大きさ1.8センチ(1カ所)
リンパへの転移なし
断端陰性
ホルモン受容体陽性
Ki-67 20%
タモキシフェンを服用中
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
当院で放射線治療をする場合には、直接「放射線科外来」に連絡しましょう。
もともと(3年前に私が赴任する前までは)他院から大勢の乳癌術後照射の依頼があり照射していたようです。
現在では当院で手術した患者さんがメインですが、(もともと)当院にはトモセラピーが3台あるのでキャパシティーは大きく受け入れてくれると思います。
「乳房温存手術後の放射線治療は、術後9カ月でも効果はあるのでしょうか。再発率は変わりますか。」
⇒術後5カ月以内に照射をすればいいと言われています。
それ以上のことは不明です。
「江戸川病院の放射線治療は、照射量を増やして回数を減らす方法がスタンダードなのでしょうか。」
⇒それ(寡分割照射)は原則的に行っていません。(日本でのエビデンスがないため)
もしも質問者が希望しても質問者は「年齢」でASTRO(American Society for Radiation Oncology)の基準から外れるので、(当院では)拒否されると想像します。
「また、照射量を増やした場合、副作用は強くなるのでしょうか。」
⇒かわりません。
「江戸川病院の乳腺外科を受診する場合、このQ&Aの管理番号があった方がスムーズでしょうか。」
⇒当科ではなく、『直接、放射線科を受診』しましょう。
質問者様から 【質問2 再発・遠隔転移後の治療について】
性別:女性
年齢:37歳
病名:再発乳がん、遠隔転移
症状:
2017年にこちらのQ&Aで質問させて頂いた者です。
[管理番号5541]
2017年11~12月に、貴院放射線科の浜先生のもと、放射線治療を受けています。
この度、再発・遠隔転移となりました。
現在の治療が最善なのか気になり、乳がんプラザのQ&Aを利用させて頂いた次第です。
今年2月に自身でしこりを確認。
MRI、マンモで再発が確定。
転院し、生検、骨シンチ、CT、PET-CT等受ける。
核グレード2
組織学的グレードⅡ
ER 90%
PgR 100%
HER2 0%
Ki67 23%
PET-CTの結果、左乳房、左腋窩リンパ節
Ⅰ、気管分岐部、右肺門部、右下葉枝リンパ節、右肺下葉S6及びS8末梢に集積。
骨は集積認められず。
現在腫瘍内科にて、フェソロデックス・リュープリン・イブランスでの治療を受けています。
イブランスは125mgを2週間服用しましたが好中球減少した為、100mgで服用中です。
お聞きしたいのは、
①薬の選択は現在のものがベストでしょうか?
②現在の薬が効かない場合、どのような治療をすべきでしょうか?
(毎月の腫瘍マーカー、3~4ヶ月毎にCTを受けて効果を診る)
③貴院の放射線科浜先生が行われているホウ素中性子補足療法は乳がんも対象になるのでしょうか?
④平均で余命5年と言われました。
田澤先生も同じ見解でしょうか?
ご回答よろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「①薬の選択は現在のものがベストでしょうか?」
→再発治療にスタンダードはありません。
しかし前回のメール内容をあわせると「抗がん剤を一度もしていない」ようですね?
それであれば、抗がん剤→(画像上)CR(可能なら)→palbociclib +Fulvestrant+ LH-RHagonist がいいのでは?(個人的には)
★それと、肺転移の状況が不明ですが…
局所治療(乳房全摘+腋窩郭清)も当然考慮されるべきでしょう。
「②現在の薬が効かない場合、どのような治療をすべきでしょうか?」
→そもそも、スタートが違います。
「③貴院の放射線科浜先生が行われているホウ素中性子補足療法は乳がんも対象になるのでしょうか?」
→その通りです。
「④平均で余命5年と言われました。」
→それは不明ですが…(統計のデータの時代と今では薬剤の進歩が全然違うから)
「先の先」を見るのではなく、「第1の目標(画像上CR)」をクリアーしていくことをお勧めします。(そうすると第2の目標も自ずと見えてくるのです)