[管理番号:2942]
性別:女性
年齢:52歳
田澤先生、はじめまして。
放射線治療についてご質問いたします。
よろしくお願いします。
昨年12月乳がんの診断を受け、今年1月右乳房全摘手術、リンパ節郭清の手術を受けました。
主治医の説明よりわかっているのは、次の通りです。
ステージⅢA、リンパ節転移の個数は2/10(センチネル1/1、腋窩リンパ1/9)核グレードは2、リンパ節外浸潤あり、脈管侵襲あり(LY+、V
V-)、ルミナールA、病理学的腫瘍径は不明(腫瘍がコロッとしたものでなくボヤっと広がっているため)です。
術後1か月よりTC療法3週間毎4クール実施し、化学療法終了と同時にホルモン療法ノルバデックス20の服用を開始し、本日で1週間になりました。
TC療法の実施については、主治医より、乳腺やリンパ節の周囲脂肪の中にに浸潤していることと、年齢を考えて行いましょうとの説明を受け、実施しました。
その後、私の中では、まずは、月1回の受診と半年定期健診、ホルモン療法を受けていけばいいと思っていましたが、先生のQ&Aを拝見するうちに、「節外浸潤」が「予後不良因子」であり、「節外浸潤は用心したほうがいい」「放射線治療も考慮すべき」ということを初めて知り、ショックを
ショックを受け、自分が思っているより再発リスクが高いことに怖くなってきました。
ホルモン療法ですら不安になってきました。
先生のQ&Aの中に、放射線治療について「他のリンパ節に転移がなく、
きちんと郭清されていれば問題ない」とのご助言もございます。
主治医からは、放射線療法の話は今まで一度もありません。
先生のQ&Aによるとによると一般的に「評価は一定ではない」ようですが、「放射線照射を
考慮する因子」として私に有効であれば、受けたい気持ちはあります。
が、どう判断していいのかわかりません。
そこで、ご質問です。
先生のご意見をどうぞよろしくお願いいたします。
・放射線治療の選択について、受診時にどのような情報を主治医からいただいき、判断したらたらいいでしょうか。
・先生なら、放射線治療を選択されますか。
・放射線治療による再発予防の上乗せは、先生のご経験から何パーセント位でしょうか。
・ホルモン療法は、このままでいいでしょうか。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
節外浸潤についてですね。
「節外浸潤」が「予後不良因子」であり、「節外浸潤は用心したほうがいい」
「放射線治療も考慮すべき」
⇒その通りです。
更に、「他のリンパ節に転移がなく、きちんときちんと郭清されていれば問題ない」ということも事実です。
一般的に「評価は一定ではない」ようですが、「放射線照射を考慮考慮する因子」として私に有効であれば、受けたい気持ちはあります
⇒これについては担当医と相談してみましょう。
実際の「手術所見」と「病理所見」から総合的に考えるべきです。
○ただ、「腋窩に照射」することは「きちんと郭清している場合」には「患肢浮腫のリスク因子」となるので、その辺の(手術時の)状況などは担当医にしか解らないことなのです。
つまり、「節外浸潤」といっても、(術中所見として)「明らかではない程度」であり、一方で「きちんとした郭清」をしていれば、あえて(腋窩照射による)「患肢浮腫のリスク」を避けるという考え方があるのです。
「・放射線治療の選択について、受診時にどのような情報を主治医からいただいき、判断したらたらいいでしょうか。」
⇒「節外浸潤の程度」と「腋窩郭清の程度」のバランスです。
「・先生なら、放射線治療を選択されますか。」
⇒もしも「肉眼的所見では解らない程度」であり、(手術時に)「きちんとした郭清」が行われていれば、選択しません。(リンパ節はトータルで2個だけです)
「・放射線治療による再発予防の上乗せは、先生のご経験から何パーセント位でしょうか。」
⇒抗ガン剤(TC)もしているので「数字に出るほどではない」と思います。
○あとは、担当医が「局所再発のハイリスク」と考えるかどうかです。
「・ホルモン療法は、このままでいいでしょうか。」
⇒問題ありません。