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ホルモン療法について

[管理番号:8492]
性別:女性
年齢:49歳
病名:浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2020年4月30日

初めまして。

妻の乳癌についてお聞きしたいことがございます。

ステージⅠ。
しこりの大きさが2cm程度。
乳房温存手術を行いました。

切除検体の検査結果は

Grade:NG2,HGⅠ
リンパ:ly 0
血液:v 0
ER:90%
PR:90%
HER2:2+
Ki-67:10%
Surgical margin:Negative
Tumor size:22×17×16mm
サブタイプがルミナールA

主治医からは術後の治療として放射線治療とホルモン療法を行う必要があるとのことです。

ホルモン療法ではノルバディックスを5年から10年服用する必要があり副作用で更年期障害のような症状が出る場合があると聞きました。

放射線治療は免疫力が低下するとの報道もあり、新型コロナウィルスが流行している状況や副作用も考えるとどの位の再発リスク軽減になるのか、放射線治療による妻への負担、新型コロナ罹患時のリスクを考えると本当に必要なのか考えてしまいます。

ホルモン療法も転移の抑止、再発抑制に効果があることは主治医から説明を受けましたが、長期間服用すること、ホットフラッシュなど副作用による妻への負担を考えるとできうることなら止めておきたいのが本音です。

妻のタイプの乳癌治療におけるスタンダードな術後治療法は放射線治療とホルモン療法がセットとのことですが、ネットで調べていると他にも選択肢があるようなことも書いてあるのですが確立されたものはあるのでしょうか。

ご回答いただければ幸いです。

よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「放射線治療は免疫力が低下するとの報道」
⇒本当に、いい加減な報道で(我々は)皆迷惑しています。

 日本放射線腫瘍学会からの表明を是非ご覧ください。
 「今週のコラム」の『今週のコラム 234回目 palbociclib① だけで著効、長期間継続している症例』をご一読ください。

「新型コロナウィルスが流行している状況や副作用も考えるとどの位の再発リスク軽減になるのか、放射線治療による妻への負担、新型コロナ罹患時のリスクを考えると本当に必要なのか考えてしまいます。」
⇒温存手術は、あくまでも「術後照射を前提」とした治療なのです。
 術後照射をするつもりが無いのであれば、「乳腺全切除」を選択すべきでした。

 

「ホルモン療法も転移の抑止、再発抑制に効果があることは主治医から説明を受けましたが、長期間服用すること、ホットフラッシュなど副作用による妻への負担を考えるとできうることなら止めておきたいのが本音」
⇒副作用ばかり気にしては、治療になりません。
 あくまでも「risk benefit」で標準治療は確立しているのです。

「妻のタイプの乳癌治療におけるスタンダードな術後治療法は放射線治療とホルモン療法がセット」
⇒これは100人の乳腺外科医のうち、100人全員が頷くはずです。

「ネットで調べていると他にも選択肢があるようなことも書いてある」
⇒全く無責任。(議論の余地なし)

「確立されたものはあるのでしょうか。」
⇒ありません。
 是非、後悔しないように「正しい治療」を行いましょう。