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非浸潤性乳管癌の疑い

[管理番号:5789]
性別:女性
年齢:39歳
おはようございます。
血分泌(しぼることで出ます)
マンモ(石灰化)
エコー
細胞診(カテゴリー4)
により、非浸潤性乳管癌の疑いで検査中です。
石灰化は広範囲みたいなのですが、こめど型ですか?と聞いたら、
こめどぽい配置ではなさそうみたいなことをいってました。
石灰化をみて、こめど型ぽいとかはわかるものですか?
そして昨日、MRIをしました。
MRIの結果、石灰化の結果に相違がない広範囲の乳管内病変(今のところ乳管内病変ぽい)があるということです(何かグラフみたいのの、たちあがりが、ゆるやかでないから悪性の可能性も高いなどいってました、一概には言えませんがとのことです)
乳管内進展はどのくらいですか?ときいたら、MRIではわからないといわれました。
よく皆さん何センチとか書いてますが、何からわかるのでしょうか?
やはり、生検が必要で(バコラ)、エコーではみにくいみたいなのでじっくり見てやってみますということで、
先生は少人数の乳腺外科ですが、総出でエコーをみながら生検をするために、ここがどうか、と一生懸命話し合ってやってくれてました。
でも、あまり症例がないくらいわからないみたいで、
う~ん、う~ん、これかなどうかなとやってました。
最終的に、石灰化がとれてるかレントゲンをしてました、
その結果0や1個という声がきこえてきました。
これで、わからなければ
傷が落ち着いたら
ステレオガイド下マンモトーム生検や外科的生検をしましょうという話でした。
疑問
1、最初からステレオガイド下をしたら、
よかったのではと思いましたが、そういう単純な話ではないのでしょうか?
確定診断が延び延びになり、手術も先になり(一ヶ月まち)そうですが、
癌が進んだりしませんか?
2、生検で、ぐりぐりしたり、病変あたりを刺激して癌が悪化したりしないのでしょうか?
3、1個とれたみたいですが、それで結果がわかりますか?
4、血乳と石灰化は同じ病変からの症状なのですか?
5、今の状況から、どんな癌がどんなステージで想像されますか?
結局浸潤癌で、リンパにも転移してました。
などもあるのでしょうか?
6、結果がでなかった場合、次回の生検は、ステレオガイド下と外科的生検、どちらが妥当ですか?
7、非浸潤性乳管癌の場合、この結果から浸潤部分があるとしたら
どの程度が予測されますか?
5㍉をこえる場合もありますか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
内容は理解しました。
石灰化病変は、(本当は)ST-MMTしたいところだけど(「ST-MMTは枠が決まっている=混んでいる」もしくは「手間がかかる」ことにより)何とか超音波で「それらしい部位」を探し出して、「エコーガイド下マンモトーム(バコラやMMTEなど)」で診断をつけたい。
ということのようです。
「乳管内進展はどのくらいですか?」
「よく皆さん何センチとか書いてますが、何からわかるのでしょうか?」

⇒MRIで有る程度予測できることもありますが…
 結局、「術後病理」でしか本当のところは解りません。
「1、最初からステレオガイド下をしたら、よかったのではと思いましたが、そういう単純な話ではないのでしょうか?」
⇒冒頭でコメントした通りです。
 ST-MMTは(USガイドより)「手間がかかる」のです。
「癌が進んだりしませんか?」
⇒進行するような程度の癌だったら…
 そんなに苦労しなくても診断できるのです。(つまり、かなり「大人しい」かつ
「早期」であるということです。
「2、生検で、ぐりぐりしたり、病変あたりを刺激して癌が悪化したりしないのでしょうか」
⇒大丈夫です。
「3、1個とれたみたいですが、それで結果がわかりますか?」
⇒1個では…
 寂しいですね。(材料が少なすぎると)診断が確定しないこともあり得ます。
「4、血乳と石灰化は同じ病変からの症状なのですか?」
⇒どちらも「乳管内病変」を示唆しています。
 血性分泌:乳管内の腫瘍から出血⇒乳管を通って乳頭から分泌
 (壊死型)石灰化:乳管内を癌が増殖して、内部で癌が壊死を起こして石灰化が起こる。
「5、今の状況から、どんな癌がどんなステージで想像されますか?」
⇒非浸潤癌(0期)です。
「結局浸潤癌で、リンパにも転移してました。などもあるのでしょうか?」
⇒「微小」浸潤の可能性はありますが…
 リンパ節転移は無いでしょう。
「6、結果がでなかった場合、次回の生検は、ステレオガイド下と外科的生検、どちらが妥当ですか?」
⇒ST-MMTです。
「7、非浸潤性乳管癌の場合、この結果から浸潤部分があるとしたらどの程度が予測されますか?5㍉をこえる場合もありますか?」
⇒超音波で苦労している様子から…
 あっても「微小浸潤」を想像します。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

非浸潤性乳管癌の疑い
性別:女性
年齢:39歳
先日はお返事いただきありがとうございました。
今日バコラ生検の結果をききにいってきたのですが、
病変部位がとれなかったようで、異常なしでした。
これからステレオガイド下か、外科的生検をやるようです。
なかなか結果がでず、不安な毎日です。
そこで質問なのですが、
1、血乳がでたことで、近所のクリニックを受診し、エコーをして少し気になる場所の細胞診をして、カテゴリー3bから4の結果がでたので、こちらの大きい病院にきたのですが、なぜこちらの病院ではクリニックではエコーをみながら細胞診をしていた場所がわからないと思われますか?
機械のちがいとかあるのですか?
なんでなのだろうと不安です。
2、MRIで広範囲の病変がみえるのに、エコーでは、わからないのはどういう場合ですか?
MRIでみえて、エコーでみえないことは、あまりないと読んだのですが。
3、次のステレオガイドで結果がでないとそれは、まずいから最初から外科的生検にするかも、上と相談しますと今日の先生はいってましたが、ステレオガイドの生検は技術がかなり必要なのですか?
田澤先生も、次はステレオガイドが妥当と答えて頂けてましたが、外科的生検になってしまっても大丈夫でしょうか?
その場合クリップで場所をとめて、とるみたいなことをいってましたが、エコーでわからないから、バコラは失敗したのに、どうやって場所を特定するのでしょうか?
4、胸から脇のあたりがしくしくあつぼったい感じがするのですが、転移も考えられますか?
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
メール内容を読みましたが、質問者の感覚は間違っていません。
「今日バコラ生検の結果」「病変部位がとれなかったようで、異常なし」
⇒担当医が扱いに慣れていれば…
 バコラ(私はMMTEを使ってますが)は、(その気になれば)採取できる組織量は膨大であり「外科的生検の必要性を無くした」と言っても過言ではありません。
「なぜこちらの病院ではクリニックではエコーをみながら細胞診をしていた場所がわからないと思われますか?機械のちがいとかあるのですか?」
⇒これは、はっきり言って(超音波の)「器械」ではなく「技術」の違いだろうと思います。
 ☆超音波検診が進まないのは超音波の「器械の問題」ではなく「人間側の技術の問題」なのです。(マンモグラフィーなら誰が撮影しても同じですが、超音波となると…)
「2、MRIで広範囲の病変がみえるのに、エコーでは、わからないのはどういう場合ですか?」
⇒その通りです。
 本来は(MRI相当の部位は)エコーで解らなくてはいけません。
 エコー技術の問題だと解釈します。
「ステレオガイドの生検は技術がかなり必要なのですか?」
⇒これは「エコーの技術」とは、かなり「意味合い」が異なります。
 ST-MMTの難易度は「石灰化の位置(引っ張り出せる位置にあるのか?)」と「乳腺の厚み」が大きく関連します。(前者の方がより重要ですが)
 逆に言えば上記2つに問題がなければ「サルにもできる」手技ですが、上記2つのどちらか(時に「どちらも」)に該当すると「技術と経験が必要」となるのです。
 『今週のコラム77回目と78回目』をご覧になるとイメージできるでしょう。
今週のコラム 77回目 針は「枠」にしか刺せないのです。
今週のコラム 78回目 この間、何回も引っ張られたりして大変な思いをした患者さんですが、得られたのも(我々ではなく)「患者さんの勝利」なのです。
「エコーでわからないから、バコラは失敗したのに、どうやって場所を特定するのでしょうか?」
⇒それは非常に「的を射た」疑問といえます。
 これは(実際に画像を見ていないので)「想像」ですが…
 その「ターゲット」なる部位(的)が「曖昧」で「広範囲」なのだと思います。
(イメージとしては腫瘤非形成性病変)
 広い範囲の「的」らしきものがあるのだが、「それのどこを刺せばいいのかが解らない」という状態でしょう。(本来、バコラをそのつもりで広範囲から満遍なく採取すれば問題ないのですが)
 今回の「外科的生検」はその「広く」「曖昧」な領域を「完全に切除する」つもりのようです。
 ☆ただ、(本当に石灰化が病変の中心と解釈するのであれば)「曖昧なターゲットを摘出する(外科的生検)」よりも「ターゲットとして明確である石灰化をST-MMTできちんと採取する」方が理にかなっているように思えます。
 
「4、胸から脇のあたりがしくしくあつぼったい感じがするのですが、転移も考えられますか?」
⇒1000%ありえません。
  理由は2つ
 1.(リンパ節)転移に症状はない。(症状は明らかに不安から来るストレスによる卵巣の刺激症状です)
 2.(転移しているような)癌を診断することは容易(今回、診断に苦慮しているのは、もしも癌だとしても「癌かどうか判断に困るような微妙な(非常に早期)病変」だからです)
 
 

 

質問者様から 【質問3 非浸潤性乳管癌の疑い】

性別:女性
年齢:39歳
先日は質問に答えてくださり、ありがとうございました。
とても励みになります。
また質問させてください。
結局、ステレオガイド下マンモトームをうけにいったひ、
ボスの先生が45分くらい説明してくださり、私の場合は、マンモ画像で石灰化とその後ろのもやもやしたとこが気になるから、外科的生検にしましょうとなり、外科生検になりたした。
外科生検のとるべき場所は、マンモで念入りににきめていました。
しるしをつけたとこを、またエコーしてましたが、見えないといってました。
場所は乳頭からはなれた
末梢のあたりのようです。
きってみると、血分泌のあとや、バコラのあとなどがあり、バコラはあと0、5センチ下?だったらあたってたようです、
そのときは、納得したのですが、
外科生検のあとに気になることがでてきたので教えてください。
1、マンモで、石灰化のうしろのもやもやした広いとこが気になるというのは、もやもやは何と思われますか?
2、外科生検でとったあたりの場所は、血分泌のあとや、バコラのあとがあることから、私は最初、血分泌がでたことにより病院にかかりはじめたのですが、石灰化やもやもやあるところ、血分泌は同じ病変とおもわれますか?バコラの位置は、広いもやもやあたりもとってはいるが、外れたということですか?
3、非浸潤の疑いですが、浸潤してることもあると思います。
その場合、あやふやな位置を生検などして、きったり、出血したりして、癌細胞が
血液にのって、遠隔てんいを、おこしたりしませんか?
4、生検したとこの痛みは2日たっても、まだまだあります。
ときどき、体の向きを変えたりすると、患部の中のほうがドクドクと血があつまるような、あたたかい感じになってきもちわるいのですが、これは変ですか?
今、現在、みためてきに、あきらかなたくさんの出血はありません。
5、摘出したものをみて、何かわかりませんか?と医者にきいたら、あきらかに悪そうなものだとわかるが、これではわからない。
顕微鏡の世界といわれたのですが、先生もそうおもわれますか?0.5みり以上浸潤してることもありますか?
6、非浸潤癌で一部浸潤していた場合、骨しんちや、CTなどの全身検査は
浸潤がナンミリくらいなら必要になりますか?
7、外科生検ですべての場所をとったわけではなさそうですが、(先生が、これはどうしようか?今は検査だけにしときましょう。
みたいなニュアンスの先生同士の会話が聞こえました。)もし非浸潤癌とでた場合は、手術をしても非浸潤癌の確率になりますか?やはり術後病理までわかりませんか?
8、場所が外側の真ん中あたりで、乳頭から離れた末梢のあたりのようですが、リンパに近いからリンパに転移しやすくなるとかありますか?
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
(解り易い)「石灰化をターゲットとしたST-MMT」よりも、何故(エコーで解らない解らないというような)「外科的生検」にしたのか、いまひとつ判然としませんが…
「1、マンモで、石灰化のうしろのもやもやした広いとこが気になるというのは、もやもやは何と思われますか?」
⇒マンモでの「もやもや」は「乳腺濃度が濃い部分」という意味でしょう。
 つまり(その部分に)増殖性病変=腫瘍  かもしれないという所見です。
「石灰化やもやもやあるところ、血分泌は同じ病変とおもわれますか?」
⇒「偶然2つの病変」と言う可能性もありますが…
 メール内容からは「同じ病変を想定」しているようです。(それらの医師は)
「バコラの位置は、広いもやもやあたりもとってはいるが、外れたということですか?」
⇒そのようです。
「あやふやな位置を生検などして、きったり、出血したりして、癌細胞が血液にのって、遠隔てんいを、おこしたりしませんか?」
⇒この手のことを、いつも言われますが…
 想像のし過ぎです。
「4、生検したとこの痛みは2日たっても、まだまだあります。」
⇒個人差の範囲内です。
「これではわからない。顕微鏡の世界といわれたのですが、先生もそうおもわれますか?0.5みり以上浸潤してることもありますか?」
⇒このメール内容から判断することは不可能です。
 結果がでるまで待ちましょう。
「6、非浸潤癌で一部浸潤していた場合、骨しんちや、CTなどの全身検査は浸潤がナンミリくらいなら必要になりますか?」
⇒診断に苦労する程度の癌(つまり大した進行度ではない)に、そんな検査は一切不要です。
「もし非浸潤癌とでた場合は、手術をしても非浸潤癌の確率になりますか?やはり術後病理までわかりませんか?」
⇒外科的生検での非浸潤癌の診断は(針生検でのそれとは異なり)「一致率は抜群に高い」ことは間違いありません。
「リンパに近いからリンパに転移しやすくなるとかありますか?」
⇒前回の回答通り、
 「 2.(転移しているような)癌を診断することは容易(今回、診断に苦慮しているのは、もしも癌だとしても「癌かどうか判断に困るような微妙な(非常に早期)病変」だからです)」
 ということです。
 
 

 

質問者様から 【質問4 非浸潤性乳管癌の疑い】

性別:女性
年齢:39歳
田澤先生おはようございます。
お忙しい中、的確に質問に答えてくださり感謝しています。
検査結果がでるまでの期間は不安ですね。
担当の先生の話では結果は
1、なにもない
2、非浸潤性乳管癌
3、微小浸潤あり
が考えられますと言われてます。
いろいろなパターンを想定しておきたいのですが、
もし1のなにもないという結果が出たときに(確率は低そうですが)、
一つ気になるのが、
血性分泌とたまたまみつかった石灰化が同じ病変であるか?
ということなのですが、
たまたま同じ乳管内病変が重なっただったら、石灰化は解決したが、血性分泌が解決したことにならないようで不安です。
医師には、どのように聞いて、今後、どのような対応をしたらいいですか?
今回の外科生検が石灰化と血性分泌が解決といえる証明のようなものは、あるのでしょうか?
2今さらですが細胞診カテゴリー3bから4という結果は癌の可能性はナンパーセントですか?
細胞診というのはコメド型とかまでわかるのでしょうか?
3、乳房MRIは生理直前に撮影したのですが、
最適時期は生理後のほうがいいと書いてあったのですが、そのためにMRI相当なものがエコーでみえなかったという可能性はありますか?
4、結局この病院では技士さん一人医者二人の三人のエコーで患部がいまいちわからなかったという結果になりましたが、パッと患部がわかったのは細胞しんをしてくれた他病院の医者一人でした。
つまりこの病院のエコーレベルが低いということになりますか?
300くらいを三人の先生で手術してるようです。
5、結果が、しこりを作りにくい浸潤性小葉癌でしたという確率はありますか?
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
「医師には、どのように聞いて、今後、どのような対応をしたらいいですか?」
「今回の外科生検が石灰化と血性分泌が解決といえる証明のようなものは、あるのでしょうか?」

⇒ありません。
 「乳管造影」をしていないので不可能なのです。(結局、経過をみることになりそうです)
「2今さらですが細胞診カテゴリー3bから4という結果は癌の可能性はナンパーセントですか?」
⇒わかりません。
 細胞診には(行う医師によって)かなりの精度差がある(癌であれば必ずクラスⅤを出せる医師と、癌であってもクラスⅢしか出せない医師まで様々居るが実情なのです:本当はそれではいけないのだけど)のです。
 前者の医師が行ったクラス3b~4なら癌ではない可能性も高いですが、後者の医師なら「癌の確率が高くなる」のです。
「細胞診というのはコメド型とかまでわかるのでしょうか?」
⇒わかりません。
「最適時期は生理後のほうがいいと書いてあったのですが、そのためにMRI相当なものがエコーでみえなかったという可能性はありますか?」
⇒ありません。
 MRIを過大評価しないことです。(MRIを診断目的で用いるべきではないのです)
「つまりこの病院のエコーレベルが低いということになりますか?」
⇒その可能性はあります。
 そもそも「普段から技師にエコーをさせている」時点で、微妙な所見をとれるような努力を放棄しているのです。(厳しい様ですが)
「5、結果が、しこりを作りにくい浸潤性小葉癌でしたという確率はありますか?」
⇒そう考える根拠が全くありません。