[管理番号:549]
性別:女性
年齢:50歳
質問者様の別の質問新たな管理番号としました。 |
マンモグラフィー検診でカテゴリー4となり、その後超音波とマンモグラフィーの2方向検査を受け、石灰化が悪性を疑うとのことで、また後日MRI検査と針生検を受けました。
結果、非浸潤がんですが広範囲に広がっているため手術をして同時にシリコンを入れる手術を行うという説明を受けました。
乳頭と乳輪については「見た限りでは残せそうです」とのことでした。
「その際にリンパも一応調べます」とも言われました。
とても分かりやすく、質問も何でもどう ぞと言われたのですが、
その時点では質問もあまり浮かばず、今になって色々不安になっています。
質問は2つあります。
非浸潤がんと言われましたが、浸潤がんである可能性があるからこそ
リンパを調べるということなのでしょうか?
それとも非浸潤がんと言われたということは、リンパの検査はあくまでも念のためで、心配しなくて大丈夫ですか?
もう1つは、仕事にはひと月も立たずに戻れますとも言われましたが、
もしリンパに転移があったがあれば、その限りではないのでしょうか?
よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「広範囲の石灰化」針生検で非浸潤癌ですね。
回答
「非浸潤がんと言われましたが、浸潤がんである可能性があるか」
⇒針生検は「病巣のごく一部の、所謂(ボーリング調査)」なので、「術後病巣全体の病理診断で浸潤癌が見つかる」可能性はあります。
ただ、通常は「病巣の中心部分」が針生検で非浸潤癌であれば、「浸潤部分があったとしても微小浸潤」だと思います。
「浸潤癌が見つかる可能性があるからこそリンパを調べるということなのでしょうか?」
⇒(上記に示したように)浸潤癌の可能性はあります。
リンパ節転移の可能性は「殆どありません」が、「(微小)浸潤の可能性はある」ので、『極少ないながら、リンパ節転移の可能性を考えて、センチネルリンパ節生検を行う事が推奨』されています。
「非浸潤がんと言われたということは、リンパの検査はあくまでも念のためで、心配しなくて大丈夫ですか?」
⇒仮に「微小浸潤があった」としても、「リンパ節転移の可能性は殆ど無い」のです。
心配は全く不要です。
「仕事にはひと月も立たずに戻れますとも言われましたが、もしリンパに転移があったがあれば、その限りではないのでしょうか?」
⇒そもそも仕事に復帰するのに「ひと月もかかりません」
江戸川病院では「月曜日に手術」すれば、その週のうちに仕事に復帰する方も多いです。(全く問題なし)
それは「センチネルリンパ節生検」だけであっても、(センチネルリンパ節生検で陽性となり)「腋窩郭清した方」でも全く同様です。
◎質問者の施設が、どの程度の「精度を持った手術」をするのか不明ですが、『十分な精度を持った手術であれば、腋窩郭清しても殆ど影響無い』のです。
質問者様から 【感想2】
全ての質問に回答下さるわけではないとのことでしたのにご回答いただきありがとうございました。
誰にも相談できず不安な毎日を過ごしている者にとって、こんなに迅速に丁寧な回答を下さったことに本当に感謝致します。
私は家系に癌を患った者は1人もおらず、いわゆる乳がんリスクに当てはまるのは初潮が11歳だったことのみでしたので、今回検診で非浸潤がんが見つかったことは本当に青天の霹靂でした。
12年前に夫を亡くし娘2人と頑張って生きてきて、ここにきて自分が癌と言われたことで本当に辛かったです。
もし…私に万が一のことがあれば娘たちは…とか
リンパ節に転移してて、治療の副作用等で働けなくなったら生活そのものがどうなってしまうだろう…とか。
主治医は乳腺専門医で、きちんと時間を掛けて説明して下さいます。
この年齢でもやっぱり手術は怖いですが、命の心配さえなければありがたいと思っています。
お礼をどこでお伝えしたらよいのか分からず、問い合わせフォームに入力しました。
本当にありがとうございました。
質問者様から 【質問3】
先日ご回答ただだきました件で追加の質問をさせていただきます。
無事に予定通り手術を終えることができました。
先生のおっしゃられた通り、リンパ節転移はありませんでした。
ありがとうございました。
が、今度は先生のおっしゃった「極小浸潤」について不安で仕方がありません。
主治医にうかがったところ「低いですが可能性はあります」
「仮に浸潤が多ければ、あなたの場合は抗がん剤治療になると思います」
との説明でした。
検査の結果を待つしか仕方がないと分かってはいますし、
治療が必要なら受けるしかないのも分かっています。
でも、抗がん剤は手術より怖いです。
ネットで調べてみたところ、一般的に浸潤部分が5mm以上だと抗がん剤とありましたが、針生検で非浸潤と言われても、5mm以上浸潤していることはよくありますか?
先生のおっしゃった「極小」とは一般的にどれくらいの大きさとのご認識ですか?
また(その場合はもちろん主治医とよく相談させていただきますが)主治医の見解の相違なく抗がん剤を受けるのが最良ですか?
抗がん剤を受けないという選択は有りなのでしょうか?
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
術前針生検で「非浸潤癌」だった場合に、「病変全体の評価でどの程度、浸潤癌が見つかるか?」
このような題名だと思います。
回答
「仮に浸潤が多ければ、あなたの場合は抗がん剤治療になると思います」
⇒情報がありませんが、「この内容」からすると、「針生検で非浸潤癌と診断された組織のサブタイプがトリプルネガティブないしはハーツータイプ」なのだと推測されます。
但し、注意が必要なのは、「非浸潤癌部分」と(仮に存在するとして)「浸潤癌部分」は「サブタイプが異なる事もある」事です。
つまり、「非浸潤癌部分がトリプルネガティブであっても、浸潤部分はルミナールタイプ」ということもあるのです、
「針生検で非浸潤と言われても、5mm以上浸潤していることはよくありますか?」
⇒それ程多くはありません。
浸潤があるとしても「微小浸潤(極小ではなく、微小です)」だと思います。
「先生のおっしゃった「極小」とは一般的にどれくらいの大きさとのご認識ですか?」
⇒浸潤径1mm未満です。
微小浸潤(pT1mi)と表記されます。
「主治医の見解の相違なく抗がん剤を受けるのが最良ですか?抗がん剤を受けないという選択は有りなのでしょうか?」
⇒(主治医の見解と相違するかどうかよりも)まずは「最大浸潤径」と(浸潤癌の)「サブタイプ」です。
「主治医の考え」ありきではなく、十分に納得してから行うべきです。
質問者様から 【質問4 微小浸潤でした】
非浸潤と言われて手術した場合にも抗がん剤治療になる可能性があると知り、
とても不安に思っていました。
結果は先生がおっしゃって下さったように、微小浸潤で無治療となりました。
色々不安だった時に相談させてもらえる場所があり、
先生が詳しく説明して下さったことで、手術前も病理検査結果を待つ間も、
少なからず安心することができました。
ありがとうございました。