[管理番号:8654]
性別:女性
年齢:39歳
病名:
症状:
投稿日:2020年6月19日
田澤先生。
初めまして。
友達が乳がんになってこの病気に対して調べるようになり先生のサイトにたどり着きました。
いろいろQA見ていると非浸潤で見つかる場合は切除でその後は無治療が多いのですが、
非浸潤で見つかる人(石灰化)と浸潤で見つかる人はどう違うのでしょうか?
浸潤で見つかる人は非浸潤で見つかるのは難しかったのでしょうか?
自分がこの病気になった時非浸潤で見つかった方がいいのだろうと思っていますが、QAで質問される方は浸潤の方が多い気がします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「非浸潤で見つかる人(石灰化)と浸潤で見つかる人はどう違うのでしょうか?浸潤で見つかる人は非浸潤で見つかるのは難しかったのでしょうか?」
⇒最初、このQを見た際には「あまりにも基本的なことだ」と思ってしまいました
(失礼)
ただ、(それと同時に)とても大切な視点だということに気付かされました。(お礼を言わせてもらいます)
詳細は、今週のコラム243回目(6月28日掲載予定)に図を用いて説明することにしました。
今回は、簡単に説明します。
まず乳癌は乳管の細胞から発生し、「乳管内」に増殖します。
この段階が非浸潤癌(浸潤とは「乳管の壁を破って外へ出る」ことなのです)
この段階で見つかるには3つのケースがあります。
頻度順に示すと
1.石灰化を起こした場合 乳癌の全てが石灰化を起こすわけではありません。
(乳癌全体の1割以下だと思います)
2.乳管内に増殖した状態が(エコーで)「腫瘤非形成性病変」として捉えられた場合 (1に比べると少ない)
3.(浸潤しないまま)乳管内で「しこりを形成」するまで大きくなった場合 稀なケースです。
非浸潤癌で見つかるケースは圧倒的に1のケース(つまり癌が「たまたま」石灰化を起こし、それを検診マンモで捉えられ) ST-MMTで確定診断された場合なのです。
つまり、(石灰化を起こさない)90%以上の乳癌は(上記2,3の幸運が無い限りは)浸潤癌でないと見つからないわけなのです。
★詳細は『今週のコラム243」までお待ちください。
質問者様から 【質問2 】
非浸潤(石灰化)と浸潤
性別:女性
年齢:39歳
病名:
症状:
投稿日:2020年6月29日
田澤先生、先週質問したものです。
質問が他の皆さんと違って単純なものですいませんでした。
でも先生のコラムを見てとても勉強になりました。
友達が乳がんになるまで”しこりを触れば乳がん”ぐらいしか知らなかったので。
一般的に言われているしこりを触れる時が唯一乳がんを検知できるものかと思っていましたが、もっと踏み込めば先生が示された三つの条件の一つが当てはまったら非浸潤がんを見つけられるのですね。
私もこの病気になったらこの段階で見つければと思いました。
がそのためには、医者の方がちゃんと早期発見で小さいな病変も見逃さないで、組織検査をしてくれる
人ですしょうか?検診で、乳腺症経過観察一年と言われればそのまま何もしないと思ってしました。
田澤先生の様な方に診てもらったら違うのでしょうね。
万が一検診で乳腺症、経過観察と出た場合、組織検査に持っていくのはどうしたらよろしいでしょうか?
直接田澤先生にお願いした方がよろしいのでしょうか?
あと、提示された非浸潤を探す方法で見つけられなかったら浸潤するまで待つしかないですよね?
このコラムを是非このサイトの全面に出してほしいです。
乳がんの知識ない私みたいな人が深く理解するコラムだと思いました。
本当にありがとうございました。
感謝です。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「万が一検診で乳腺症、経過観察と出た場合、組織検査に持っていくのはどうしたらよろしいでしょうか?」
⇒強く希望するしかありません。
「直接田澤先生にお願いした方がよろしいのでしょうか?」
⇒MMTEの精度まで含めて考えたら、(自分で言うのもなんですが)それがベストです。
「あと、提示された非浸潤を探す方法で見つけられなかったら浸潤するまで待つしかないですよね?」
⇒そういうことです。
所見が無ければ見つけようがないのです。
「このコラムを是非このサイトの全面に出してほしいです。」
⇒そのつもりで、このコラムを書きました。(改変後ですが)
質問者様から 【質問3 】
8654
性別:女性
年齢:39歳
病名:
症状:
投稿日:2020年7月26日
田澤先生、再度質問いたします。
非浸潤というのを見つけることが可能になったのは何年前ぐらいからなのでしょうのか?
それはどんな技術の進歩によってでしょうか?
マンモトーム生検の登場からでしょうか?
マンモトームが使用されるまでは乳がんイコール浸潤で発見されるのが当たり前だったのでしょうか?
田澤先生から 【回答3】
こんにちは田澤です。
なかなか鋭い質問ですね。
「非浸潤というのを見つけることが可能になったのは何年前ぐらいからなのでしょうのか?」
⇒石灰化のST-MMTが行われるようになったのは、(私自身は)2005年となります。
⇒腫瘤非形成性病変に使えるエコーガイド下MMTは、同時期から使えてましたが
(その当時)装置の利便性が悪く、
コンセントフリーのMMTEが出てから(私自身が使い始めてから7年位)となります。
「それはどんな技術の進歩によってでしょうか?マンモトーム生検の登場からでしょうか?」
⇒その通り(上記)
「マンモトームが使用されるまでは乳がんイコール浸潤で発見されるのが当たり前だったのでしょうか?」
⇒基本的には「今週のコラム243」のcase 3だけなので、少なかった(乳癌自体の数も少なかったですが)
質問者様から 【質問4 】
非浸潤(石灰化)と浸潤
性別:女性
年齢:39歳
病名:
症状:
投稿日:2020年9月2日
田澤先生、この病気に罹患していない現在この質問コーナーを利用させて頂きありがとうございます。
いろいろ先生のあるあるコーナーなど見て勉強しているのですが、Ki67やがんの悪性度(グレード1,2,3)があるのがわかりました。
しかし、例えば、同じ浸潤径で、グレード3でKi67が10%のものと、
グレード1でKi67が45%のものがあるとします。
その場合どちらが悪性度が高いのでしょうか?
それとも私がかりに出した数字はあり得なく、グレードとKi67は比例しているものなのでしょうか?
田澤先生から 【回答4】
こんにちは田澤です。
「その場合どちらが悪性度が高いのでしょうか?」
⇒比較する意味などありません。
Ki67は(癌細胞が)細胞分裂期にある割合のことであり、核グレードとは核異型スコア及び核分裂スコアで決めています。
Ki67は(歴史的に)ルミナールタイプにおいて「抗がん剤すべきか?(抗がん剤が効きそうか?)」に使われていますが、核グレードはあくまでも目安にすぎません。