[管理番号:762]
性別:女性
年齢:43才
質問者様の以前の質問質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。 |
先生こんにちは
以前質問させていただいた者です。
とても気になることが有り、改めて質問させていただきました。
どうぞよろしくお願いします。
左胸にしこりが触れたのが昨年の6月だったのですが、実は左手の手首から9センチの所にも以前からしこりがありました。それが左胸のしこりと同じ時期だったのかそれ以前なのか以後なのか私も記憶が定かではないのですが、1回目の抗がん剤が始まり数日たったころ気になったので皮膚科に行ったところまだ小さいし動いているので様子をみましょうかとのことでした。(その時乳がんの話はせず)
初回の抗がん剤後一旦腕のしこりが小さくなった気がしていたのですが、次第にまた触れるようになり、二回目の抗がん剤が終わった後、2週間ほどでまた小さくなっている気がして怖くなり再度皮膚科を受診して、乳がん治療中だったことを話しましたら、そうだったのねと、そうなると話は違ってくると。
触れてる感じは確かに小さくなってるね、まず脂肪なら抗がん剤では小さくならないからと、原発巣からの転移だとしたら小さくなるからと、総合病院に行くことになりました。
触った感じでは皮膚のガンはもっと硬いはずだから違うと思うんだけどとも言われたのですが、とても心配です。
田澤先生のご回答でとても前向きに希望を持てたのですが、今回の腕のしこりは乳がんと関係があると思われますか?転移なのでしょうか?
もしそうであれば、今後の治療はどうなるのでしょうか?
私は、どれくらい生きられるのでしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
今回の回答は簡単です。「皮膚転移ではありません」
これは断言できます。
私が何故、そのように断言できるのか。質問者はそれでも心配かもしれません。
ご安心を。
私は皆さんの想像を遥かに超える位の診療経験があるのです。
私は医師になって20年、「20年なら、もっと経験年数の長い医師がいるのでは?」そう思うかもしれませんね。
でも実態は全く異なります。
「密度の圧倒的に高い20年」と「そうでもない40年」では比較にもなりません。
東北地方で頭抜けた症例数を誇る東北公○病院での10年間は「他に類を見ない」症例経験をもたらしました。
長期間、東北地方No1の手術症例数は「他では考えられない程の沢山の再発患者さんの診療の場」でもありました。
数多くの手術症例と(長年の蓄積による、それに負けないほどの再発症例)です。
&nbap;
○病院全体としては「○研○明などの方が多い」ではないか?
そう思うかもしれませんが、担当する医師の数が全く異なるのです。
「○研○明」は「東北公○」の「倍の症例数」に対し、『医師数は6倍~7倍以上』が居ました。(東北公○病院では長い間2名で診療してきました)
と、前置きが異常に長くなりすみません。
私が「自分の経験に絶対の自信を持っている」のには理由があるのです。
回答
「左手の手首から9センチの所にも以前からしこりがありました」
⇒そんな場所に「皮膚転移」など起こりません。
「今回の腕のしこりは乳がんと関係があると思われますか?転移なのでしょうか?」
⇒乳癌とは、全く関係ありません。
今まで「気が遠くなるほどの」多くの再発患者さんをみてきましたが、「腕に(しかも手首に近い部位)の皮膚転移」など見た事がありません。
「乳がん治療中だったことを話しましたら、そうだったのねと、そうなると話は違ってくる」
⇒皮膚科の先生だから「このように質問者を不安にさせるコメントをしても」許してあげてください。
もし「担当の乳腺外科医」が「少しでも皮膚転移の可能性」を考えたとしたら、全くの経験不足と非難されるべきです。
○皮膚転移についての私の知見
- 局所再発の最終段階といえます。
つまり、局所再発(胸壁や温存乳房内)などを起こして、更に病状が進行していき「治療が行き詰った際に」認められます。
皮膚転移を制御することは「かなり困難」です。 - 局所(胸壁や乳房の皮膚)から出現します。
局所が何ともないのに、突然「手や足に出る」など全く考えられません。 - 最も大事な概念は『転移』という言葉を用いていますが、実態はあくまでも『局所再発からの拡がり』なのです。
骨転移や肺転移などのように「局所と無関係」に起こるものでは全くありません。