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Her2陽性乳癌

[管理番号:7120]
性別:女性
年齢:53歳
病名:浸潤性乳がん
症状:左乳房の乳首付近に触診で5cm大の腫瘤。痛みや分泌物等の症状はなし。腋下リンパ節も触診では肥大なし。

初めて質問させて頂きます。
先日、妻が乳がんとの診断を受けました。
経緯は
以下の通りです。

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これまで毎年受けている人間ドックでマンモグラフィーと触診の検査を受けていた。
一昨年末(約一年前)の人間ドックでは良性の所見ありだが経過観察との診断であった。

昨年末(1か月前)に受けた人間ドックで至急要検査の指摘を受け近所の乳腺外来を受診し、エコー検査の結果でカテゴリー4との結果。
近所の総合病院であるが、乳腺外来が週1回しかなく患者さんも他にいなかっ
たため、別の機関病院の乳腺外科を再受診した。
エコーと生検を受けて、浸潤性乳がんと診断。
腫瘍は3センチ弱と他の小さなものが2つほどあって全体で5センチくらいとなっている点、リンパ節は明らかな腫れを伴っていないが、
形状が好ましくなく転移があるだろうとのこと(個数不明だが赤い丸が二つ)。

細胞診の結果は、ホルモン受容体陰性、Her2陽性、Ki67=60との説明を受けた。
ただし、これ以上の情報は提供されず。

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今後の治療方針は遠隔転移があるかで変わってくるので、まずは全身のCT検査で転移の有無を調べるとともに、乳房のMRI検査で反対の胸も含めて腫瘍の状態を調べるとのことで、その当日のうちに造影剤下でのCT検査を受けました。
またHer2タイプは脳転移の可能性が高いとのことで、別日に頭部MRI検査も受けました。
現在、遠隔転移の検査結果を待っているところです。

初診で遠隔転移はないだろうと思っていたのですが、妻の印象では、主治医は遠隔転移があることを前提に話をしているように感じたと言っており、とても不安です。
先生はいつも遠隔転移はそう簡単に起こらないと仰っていますが、
Her2タイプのように増殖能が高い乳がんでも遠隔転移はそう簡単には起こらないと考えてもよろしいのでしょうか。
毎年のマンモグラフィーでも明らかな指摘を受けたのは今回が初めてです。
また、しこりを感じ始めたのは昨年の10月ごろのようですが、検査で問題ないと言われていたこともあり、それほど注意はしていなかったようです。
なお、昨年末の人間ドックでは、胸部レントゲンと腹部エコー、CEAなどの腫瘍マーカーには異常はありませんでした。

もう一点ですが、診断の際に今後の治療方針を聞いたところ、遠隔転移の有無を確認してから改めて説明するとは言われたのですが、遠隔転移がなかった場合には術前薬物治療を勧められました。
Her2タイプなので抗がん剤ん効果が期待できるので、術前に治療をすることで抗がん剤が本当に聞くか確認することで術後薬物治療を確実にするという目的を説明されました。
これまで術前薬物治療の目的は温存を希望するかどうかだという話は聞いたことがあるのですが、この説明は初めてでした。
抗がん剤の効果を確認するという目的には一定の理解はするのですが、仮に手術を先行して行なった場合、抗がん剤の効果を確認できないことにどの程度のデメリットがあるのでしょうか。
この状況でも
手術を先行する方を先生は勧められるでしょうか。

ご意見をお聞かせいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

私は、その主治医のいう「戯言」には興味がないので事実だけを記載します。
1.術前術後の化学療法は術前でも術後でも予後は同じ(術前に行い「効果を見る」など、まったく無意味)
2.術前化学療法の意味は「小さくして温存」のみ
3.上記はHER2陽性も一緒
4.HER2陽性乳癌で初期治療の段階で脳転移を疑い検査をするなど「愚の骨頂」
 事実は(万が一再発した際に)抗HER2療法が強力なために全身がコントロールされるのだが、脳へは(脳血管関門があり)薬剤が到達しないから最終的に「脳転移が成立するまで全身が保たれる」というだけの話です。

「手術を先行する方を先生は勧められるでしょうか」
→勿論です。