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針生検について

[管理番号:7250]
性別:女性
年齢:40歳
病名:乳ガンの疑い
症状:症状は、両胸、とくに左胸にぼこぼこした筋のようなものや円盤のような固まりなど、手に触れるものはたくさんあり(パチンコ玉のような固いものはなし)

④市の乳ガン検診で、以下の結果から要精密検査となりました。

・視触診: 異常なし
・マンモグラフィ:左側局所的非対称陰影 右カテゴリー:1 左カテゴリー:3
・超音波検査: 左側乳腺腫瘤、右側乳腺嚢胞

3/(上旬)に別の乳腺科外来にて、視触診、マンモグラフィ、超音波検査を行い、その結果、
『左胸の乳頭直下に1cm程のしこりがあるのは確か。
見た感じ、悪そうではないけれど、
安心のため細胞を診ましょう』と言われ、3/(中旬)に針生検を行いました。

針生検では、まず、超音波でしこりを確認した際に『あれ、形が変わってるね。四角くなってる。
まぁ、角度によっても見え方は変わるけど』と言われながらも、パチンと細胞採取。

しかしながら、この1回目では、細胞がほとんど取れず。

二回目すぐにやりなおし。
また針を刺してパチンと採取しました。
今度は、少し取れたのですが、『中身、ほとんど液体みたいだね。
最近、痛みとかなかった?炎症かなぁ?』と。

『授乳中に乳腺炎?というか、胸がカチコチに固くなって苦労することはよくありました』と言うと、『そのときの内容物が残っていたのかも』と言われました。
(授乳していたのは、一年4ヶ月前まで、胸がカチコチによくなっていたのは一人目のときなので、四年以上前にはなりますが)

結果は2週間後になります。

しこりと言われて針生検を行いましたが、結果的に液体が入った袋で、細胞が採れない
(採りにくかった)というようなことはあるのでしょうか?
液体が入った袋といいながら、二回目の採取で何かが採れてきているのも、一体何なのか気になります。

実際に硬い癌細胞ではなく、液体が入った嚢胞だった場合、悪性の可能性はどれくらいあるのでしょうか?

いろいろ調べていると、嚢胞内腫瘍というものもあり、その場合に針生検を行った場合、
癌細胞が散らばるとの情報があり、もしかするとそうなのではないかと不安を感じています。

そもそも良性の可能性が高い場合にも関わらず、細胞診をとばして、組織診(針生検)を
行うことはよくあることなのでしょうか?

結構なベテラン医師(おじいちゃん)の雰囲気はありましたが、検査の進め方が妥当なのかどうか、ちゃんと針生検できているのかどうか心配にもなっています。

このような場合は、他の医療機関を受診(セカンドオピニオン?)した方がよいでしょうか?

お忙しいところ恐れ入りますが、ご回答いただけると、幸甚です。

どうか、よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「しこりと言われて針生検を行いましたが、結果的に液体が入った袋で、細胞が採れない(採りにくかった)というようなことはあるのでしょうか?」
→細胞診であれば、そうなりがちですが、組織診であれば、(その場合には)「正常乳管壁(嚢胞壁)」が採取されます。

「液体が入った袋といいながら、二回目の採取で何かが採れてきているのも、一体何なのか気になります。」
→(もしも嚢胞ならば)採れたものは「嚢胞壁=正常乳管細胞」となります。

「実際に硬い癌細胞ではなく、液体が入った嚢胞だった場合、悪性の可能性はどれくらいあるのでしょうか?」
→嚢胞は(正常乳管が閉塞して液体が貯留しただけなので)正常乳管となります。

「いろいろ調べていると、嚢胞内腫瘍というものもあり」
→「今週のコラム 51回目 嚢胞内腫瘍 これは嚢胞ではありません」をご参照のこと

「その場合に針生検を行った場合、癌細胞が散らばるとの情報があり、もしかするとそうなのではないかと不安を感じています。」
→嚢胞内腫瘍と判断する根拠がない(主治医も「そのような」判断ではない)のだから「先走りすぎ」です。

「そもそも良性の可能性が高い場合にも関わらず、細胞診をとばして、組織診(針生検)を行うことはよくあることなのでしょうか?」
→その通り。(細胞診では確定診断とならないのです)

「このような場合は、他の医療機関を受診(セカンドオピニオン?)した方がよいでしょうか?」
→病理結果が「出てから」考えましょう。(先走りしすぎです)