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反対側にもしこりが・・・

[管理番号:4516]
性別:女性
年齢:45歳

田澤先生、はじめまして。
 
私はちょうど3年前に、左乳がんの温存手術を行い(リンパ郭清もしました)
その後は放射線とホルモン療法(リュープリン+タモキシフェン。
 
リュープリンは
1年ぐらい前に終了)を続け、何事もなく過ごしてきました。
ところが、先日やったマンモグラフィーで、反対側の右胸にしこりがあることがわかりました。
その後エコーと細胞診をしました。
右の脇にも腫れがあるといって、そこも細胞診しました。
 
今日の午後、結果を聞きに行きます。
2センチくらいのしこりです。
言われるまで、全然気づきませんでしたが
触ったら、確かにあります。
 
この検査の翌日、3カ月ぶりに生理がきて、
もしかしてそのせい?なんて期待しましたが、
1週間たった今も、残っています。
やっぱり癌なのか…と思っています。
再発?転移?とすごく不安になり、ネットを彷徨っていたら
田澤先生に出会えました。
 
Q&Aを読ませていただいて、安心した部分もあります。
でもあえて聞かせてください。
私の、3年前と反対側の胸へのしこりは、転移や再発ではないのでしょうか?
 
1年前のマンモには、
こんなしこりはありませんでした。
 
1年でこんなに大きくなるものなのでしょうか。
ホルモン療法をしていても、
癌ができるということは、あるんでしょうか。
左の乳がんとは、全く無関係なのでしょうか。
私は抗がん剤はしておらず、そのために今回の癌ができてしまったとしても
それは後悔していません。
 
ただ、もし、今回の癌で、抗がん剤を…という話になったらと思うと
それがすごく怖いです。
また、右側ということで
リンパ郭清になったら・・・と思うと
それもすごく嫌です。
できればしたくないです。
 
先生の情報を読んでいると、とても落ち着きます。
だから、今日検査結果を聞きに行くのですが
先生にも相談させていただきました。
 
もし手術をするとしたら
GW明けになるかもと言っていました。
こんなに期間があいても、大丈夫でしょうか。
これからも色々と相談させていただきたいです。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
 
乳癌は決して対側へ転移はしません。
明らかに「異時性両側」乳癌となります。(つまり転移ではなく、原発です)
 
「再発?転移?とすごく不安」
⇒転移でも再発でもありません。
 異時性両側です。
 
「私の、3年前と反対側の胸へのしこりは、転移や再発ではないのでしょうか?」
⇒決して左とは無関係です。
 
「1年でこんなに大きくなるものなのでしょうか。」
⇒その間に(ホルモン療法を3カ月に1回、通院していた筈ですが)超音波していないのですか??
 1年あれば、おかしくはありません。
 
「ホルモン療法をしていても、癌ができるということは、あるんでしょうか。」
⇒ホルモン療法が効かない癌もあるし、「効くタイプだとしても」抑えきれるとは限りません。
 
「左の乳がんとは、全く無関係なのでしょうか。」
⇒それは間違いありません。
 
「もし手術をするとしたらGW明けになるかもと言っていました。」
⇒乳癌の場合は、その位は大丈夫です。(3カ月待ちとなることもあります)
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生 
先日は回答いただきありがとうございました。
 
再発や転移ではなく、安心しました。
(3ヶ月ごとに通院し、腫瘍マーカーもして(数値変化はなし)、触診はしていましたが、エコーは年1回でした。
主治医の先生はとても良い先生で信頼していました。
 
だからこそ、触診していたのに、気づかなかったのか?と残念ですが、それを先生にも言えませんでした・・・。
自分でもわかりませんでした)
が、また悩みが出来てしまいました。
先日、検査結果を聞いた結果、やはり乳がんでした。
脇にも転移を認めるとのことでした。
(そんなにひどくはなさそうです)
 
そして今日、CTを撮り(閉所恐怖症のためMRIは拒否しました)
結果を見ながら手術の方針の説明があったのですが、
私の場合、母親が卵巣がんで亡くなっており
私自身、左乳がんのあと、今回右側にも癌が出来ているので、
遺伝性乳がんの可能性がある。
 
温存手術できる状態だが
全摘した方が良い、それを一番に勧める・・と言われました。
来週までに決めることになっています。
手術は4月(中旬)日に予定しています。
遺伝検査もあると言われましたが
金額的に、受けるのは無理そうです。
 
私自身、全摘への不安が強く
精神的にどうにかなりそうなのが一番心配です。
今回温存して、その後万一再発したら全摘でもいいのかとも思いますがそうすると放射線後では再建は難しいと言われました。
もしも最初から全摘→再建しておけば・・となるのも後悔しそうでどうしたらいいのかわかりません。
 
また、左側のしこりは、上の方にあったので、
乳房の形も綺麗ですが、今回は、乳首の少し上、大きさは2センチくらいです。
温存したとしても、元の形を保つのは難しいのでしょうか。
 
田澤先生、私の場合は
やはり全摘した方がいいのでしょうか??
田澤先生が主治医だとしたら、どちらを強く勧めますか??
自分だけではどうしたらいいか決められず、田澤先生にお聞きしたいです。
自分では、乳房があることはもちろん重要だけど、再発リスクも避けたいです。
(左側は温存・放射線照射してしまっていますが・・・)
 
温存して放射線をするのと
全摘するのでは、どれくらい、リスクに違いがあるのでしょうか。
 
また、対側にも乳がんが発生している場合
遺伝性乳がんの可能性が高いのでしょうか。
対側にも乳がんが発生するのは、珍しいのでしょうか。
 
ちなみに左乳がんはステージ2A,リンパ節転移1個。
ルミナールB。
ホルモン療法開始後3年たちます。
今の所再発はありません。
今回の右側癌が見つかってから、ホルモン剤はストップしていますが
ストップしていても左側乳がんは、大丈夫なんでしょうか?
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
 
「母親が卵巣がんで亡くなっており私自身、左乳がんのあと、今回右側にも癌が出来ているので、遺伝性乳がんの可能性がある」
⇒その通りです。
 両側の方は多いですが、身内に卵巣癌となるとかなり確率が上がることになります。
 
「田澤先生、私の場合はやはり全摘した方がいいのでしょうか??」
「田澤先生が主治医だとしたら、どちらを強く勧めますか??」

⇒迷っている時点で結論は出ています。
 温存でいいと思います。(その替り、ホルモン療法をしている間は「3カ月に1回通院しているわけだから、担当医にきちんと毎回超音波をお願い」してみましょう)
 「強く勧められている」のに「全摘の決心がつかない」ということは「乳腺にこだわりがある」証拠です。
  遺伝性乳癌だからといっても全摘しなくてはならないわけではありません。
 (左を全摘しているのであれば、話しは少々違ってきますが)左も温存しているのだから「右も温存でいい」と思います。
 
「温存して放射線をするのと全摘するのでは、どれくらい、リスクに違いがあるのでしょうか。」
⇒乳房内再発のリスクは「温存+照射」で「10年で5%」程度です。(全摘では、ありません)
 ♯ただし、違いは「局所のみ」であり、「遠隔転移再発のリスクは同じ」です。
 
「対側にも乳がんが発生するのは、珍しいのでしょうか。」
⇒珍しくはありません。
 
「今回の右側癌が見つかってから、ホルモン剤はストップしていますがストップしていても左側乳がんは、大丈夫なんでしょうか?」
⇒短期間ですから、問題ありません。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生
今回も丁寧なご回答ありがとうございました。
先生のご回答や、
このQ&Aを読んでいると
とても落ち着きます。
ネットの情報に左右されなくてすむことに何より救われます。
 
さて、
主治医と話す日が迫っているため
連続の質問になること、お許しください。
 
今回の先生の回答で「温存でいいと思います」とありました。
先回の質問をさせていただいたのは
主治医から「全摘の方がいい」と聞いたその日でした。
気持ちが整理できていなかったと思います。
少し時間が立ち、このQ&Aを読ませていただきながら
色々考え、再建前提で、全摘でもいいのかな。
と、思い始めていました。
その上で再度質問させてください。
 
「遺伝性の可能性」を考慮すると
やはり全摘の方が(局所再発の面で)安心と思われますか?
それとも、温存できる状態であるのに
10年後5%(これは遺伝性の場合でしょうか?)の再発の可能性のために
全摘するのは、もったいないことでしょうか?
(対側を温存しているための再発リスクや、再建の際の手間や術後の痛み等も含め)
温存した場合、手術の結果で断端陽性になった場合、
その時点で再手術をし全摘すれば、再建はできるのでしょうか?
 
それとも、一度温存しているので
傷が残り、初めから全摘の場合よりは、傷が増えてしまうのでしょうか?
局所再発も心配ですが
術後の取り残しなどの可能性も考えると、
それがないであろう全摘の方がいいのかもという方向に気持ちが傾いています。
 
ただ、無駄な全摘ならしたくないです。
全摘後の再建の際のリスク、温存後の再発のリスク
簡単に比較はできないと思いますが、
どちらの方がより高いのでしょうか?
再建失敗のリスクは高いのでしょうか?
(病院はがんセンターで、形成外科医もいます)
それも含め、どちらをより勧められますか??
 
田澤先生、もう一度、
先生のご意見お聞かせください。
よろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
 
私からみれば、前回と状況に変化は全くありません。
もう一度、前回と同じ回答します。
 
「田澤先生が主治医だとしたら、どちらを強く勧めますか??」
⇒迷っている時点で結論は出ています。
 温存でいいと思います。(その替り、ホルモン療法をしている間は「3カ月に1回通院しているわけだから、担当医にきちんと毎回超音波をお願い」してみましょう)
 「強く勧められている」のに「全摘の決心がつかない」ということは「乳腺にこだわりがある」証拠です。
  遺伝性乳癌だからといっても全摘しなくてはならないわけではありません。
 (左を全摘しているのであれば、話しは少々違ってきますが)左も温存しているのだから「右も温存でいい」と思います。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

田澤先生
いつもありがとうございます。
 
温存か全摘かでご相談させていただいておりました。
全摘に気持ちが傾いていましたが
主治医から、「温存でいいと思う」との言葉をいただき
田澤先生にも同じ言葉をいただいていたので温存に決めました。
 
主治医が温存で・・・と言ったのは
●そもそも遺伝性がんかどうかは、わからないこと
●左乳房を残していることと
●右側腋窩リンパ節に転移があり、3個以上の可能性がある。
その場合は全摘でも放射線をしないといけないので再建ができないから・・・
ということからなので
あまり喜べる状況ではないのかもしれませんが、
こちらでしっかり診ていくから・・・と言っていただけたのを信じていきたいです。
 
そして、今回お聞きしたいのは
私は左側の腋窩リンパ郭清をしていて(3年前)
今回右側もです。
リンパ郭清をした方の腕では
採血などをしないで・・と言われてますが
両側郭清した場合、どうしたらいいのでしょうか?
先に郭清した方の腕で、やるのでしょうか?
主治医に聞いたら、なんとかなると言われましたが、
むくみが出たりしないか不安です。
手術の時に、点滴の針を入れていた記憶がありますが
そういうのも大丈夫なんでしょうか?
何か方法があるのでしょうか?
 
両側リンパ郭清して大丈夫なのかすごく不安になってきました。
リンパを流すマッサージなども、両側だとどうしたらいいのか。。。
 
是非田澤先生にお聞きしたいです。
よろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
 
「リンパ郭清をした方の腕では採血などをしないで・・と言われてますが」
⇒そもそも、(少なくとも私は)採血は全く気にしていません。
 
「両側郭清した場合、どうしたらいいのでしょうか?」
⇒採血はどちらでもいいと思いますが…
 
「手術の時に、点滴の針を入れていた記憶がありますがそういうのも大丈夫なんでしょうか?」
⇒点滴の場合は「左手に浮腫みがないなら」左手で
 もしも左手に浮腫みがあるなら右手で行う事になるでしょう。
 
「先に郭清した方の腕で、やるのでしょうか?」
⇒浮腫みが無いならそうなります。
 
「リンパを流すマッサージなども、両側だとどうしたらいいのか。」
⇒変わりません。
 
 

 

質問者様から 【質問5】

田澤先生
いつもお世話になっております。
 
無事、右乳房温存手術+腋窩リンパ郭清が終了し、先日退院しました。
まだ病理結果は出ていないのですが、その前に田澤先生にお聞きしたく、質問させていただきます。
 
私は、どうしても抗がん剤は避けたいです。
副作用や、仕事や、家庭環境から、自分には無理ではないかと思うからです。
このように患者本人がいやだと言っても
どうしても抗がん剤をやるしかない場合はあるのでしょうか。
仮にそれでもやらなかったとして、
再発リスクはどれくらい上がるのでしょうか?
 
やるべき抗がん剤治療をやらない選択をした場合、
どうなっていくのでしょうか?
ホルモン剤など、他の治療を拒否するつもりはありません。
抗がん剤は、どうしても避けたいです。
(しこりは2cm位です)
 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。
 
「このように患者本人がいやだと言ってもどうしても抗がん剤をやるしかない場合はあるのでしょうか。」
⇒ありません。
 あくまでも術後補助療法は、再発「予防」なのです。
 「治療」である手術とは根本的に意味合いが異なります。
 
「仮にそれでもやらなかったとして、再発リスクはどれくらい上がるのでしょうか?」
⇒サブタイプも病理結果も解らないのにコメントしようがありません。
 抗癌剤の(期待される再発予防)効果は(そのサブタイプにより)「ピンキリ」なのです。
 
「やるべき抗がん剤治療をやらない選択をした場合、どうなっていくのでしょうか?」
⇒どうもなりません。
 単純に「再発率」に「違い」がでるということです。
 ♯抗癌剤をやれば絶対に再発しないというわけでもなく、抗癌剤をしなければ絶対に再発するということでもないのです。(再発率に「少し」差がでるということです)
 
 

 

質問者様から 【質問6】

田澤先生
いつもお世話になっております。
 
4/(下旬)に、右乳房温存手術とリンパ節郭清をし
本日、病理検査結果を聞いてきました。
浸潤がんの大きさ:22×14㎜
組織学的グレード:3
リンパ管侵襲:+
血管侵襲:±
転移リンパ節:1/16
断端陰性
病期:ⅡB
ホルモン受容体:なし
ER:0
PgR:0
HER2タンパクの発現:1(陰性)
Ki67発現:高い(20%以上)
サブタイプ:トリプルネガティブ
ということでした。
 
以前の質問にも書いたのですが
私は、抗がん剤はやりたくありません。
もしもトリプルネガティブだったらしかたないのかも・・
とも思っていましたが、
実際その診断を受けて、
それでもやはり拒否したい思いが強いです。
 
しかし、再発してもっと大変な状況になったら。。。
と思うと
ほんの少しですが、迷いも生じるところです。
ですが無治療での10年無再発生存率は70%と聞くと
効果のあるかわからない抗がん剤で苦しむのなら
やらない方がずっと元気でいられるのではないか・・・
そう思います。
それほど拒否感が強いです。
 
抗がん剤をすることで、さらに弱ってしまいそうです。
主治医からは
EC2週毎×4回→タキソール毎週×12回(こちらを勧める)
またはEC→タキソテール3週×4回の提示がありました。
この抗がん剤をした場合、副作用は強い物でしょうか?
ECの時には仕事も休んだ方がいいと言われ
ただでさえ働かないとやっていけないのに、
抗がん剤でお金がかかるのに、仕事を休むなんて。
 
もしもそれで、退職になったらどうしようとも思います。
が、やはり抗がん剤をしたくない1番の理由は、副作用(脱毛)です。
見た目が変わることで、人目を気にしてしまいそうです。
普段通りの生活が出来なくなるのも、嫌です。
 
特に今年子供が受験ですので、そんな時に・・・・と思います。
田澤先生、トリプルネガティブなのに、抗がん剤を拒否するのはおかしいですか?
(必須といわれていたので・・・)
やらないと、どうなるのでしょうか?
 
私は、両側乳がんです。
(3年前手術した反対側は、ホルモン受容性ありでした・・)
母が卵巣がんで亡くなっているので、遺伝性の疑いもあると言われています。
このような状況なら、なおのこと抗がん剤をした方が良いのでしょうか??
 
トリプルネガティブでは、
抗がん剤をやるのとやらないのとでは
予後にすごく差があるのでしょうか??
乳がんは再発したら治らないと言われました。
死ぬまでずっと、抗がん剤をやり続けるということでしょうか?
再発したら、余命わずかということでしょうか?
 
自分の命は大切にしたいですし、
出来る限りのことはしたいです。
でも同時に、普通に生活したい。
抗がん剤で、普通に元気に過ごせなくなるのなら・・
やはりやりたくない。
 
母が抗がん剤で苦しんでいる姿を見ているので
余計にそう思うのかもしれません。
(20年前のことですが)
拒否感が強くてもそれでもやった方がいい治療でしょうか?
経口抗がん剤という選択はあるのでしょうか?
無治療よりは・・・という何かはあるのでしょうか?
 

田澤先生から 【回答6】

こんにちは。田澤です。
 
「主治医からはEC2週毎×4回→タキソール毎週×12回(こちらを勧める)またはEC→タキソテール3週×4回の提示がありました。」
⇒スタンダードです。(私も全く同様です)
「この抗がん剤をした場合、副作用は強い物でしょうか?」
⇒副作用は人それぞれです。
 
「やらないと、どうなるのでしょうか?」
⇒再発率が、その分上がることになります。
「私は、両側乳がんです。このような状況なら、なおのこと抗がん剤をした方が良いのでしょうか??」
⇒それは無関係です。
 
「トリプルネガティブでは、抗がん剤をやるのとやらないのとでは予後にすごく差があるのでしょうか??」
⇒凄い差はないですが、それ以外に再発予防の手立てがないのです。(やれることが限られているということです)
 
「乳がんは再発したら治らないと言われました。」
⇒再発部位にもよりますが…
 転移再発乳癌の10年生存率は5%程度、20年を超えて生存するのは2-3%と言われています。(古いデータとなりますので、現在はもっと多いでしょう)
 
「死ぬまでずっと、抗がん剤をやり続けるということでしょうか?再発したら、余命わずかということでしょうか?」
⇒現実に「抗癌剤をやりつづける」ことは不可能です。
 
「経口抗がん剤という選択はあるのでしょうか?無治療よりは・・・という何かはあるのでしょうか?」
⇒エビデンスがありません。
 
 

 

質問者様から 【質問7】

田澤先生
考えすぎて頭がどうにかなりそうです。
 
また受診日が近いため
続けての質問、どうかお許しください。
 
トリプルネガティブでの抗がん剤について質問させていただきました。
お答えいただきありがとうございました。
どうしても不安になり
色々サイトを見ていたら、
私の乳がんは遺伝性だと強く疑うようになりました。
トリネガで遺伝性だとかなり予後が悪いのでしょうか?
トリネガの中でも、遺伝ではない人に比べて再発率が高いのでしょうか?
遺伝性の疑いありなのに、抗がん剤をしないのは無謀でしょうか?
遺伝性だと抗がん剤が効きにくいまたは効きやすいなど、あるのでしょうか?
今の所、再発予防の抗がん剤はしない選択でいます。
万一の再発時には、使える抗がん剤が増えるということはあるのでしょうか?
(再発予防で提示された抗がん剤が使える等)
ここで言う再発とは、遠隔再発のことでしょうか?
局所再発の時には、手術はできるのでしょうか?
抗がん剤を選択したら、気持ち的にどうにかなってしまいそうなので
前向きでいたいので
しない選択をしました。
 
でも、私の状況でそうすることは
自分の人生を放棄するようなものなんでしょうか?
 

田澤先生から 【回答7】

こんにちは。田澤です。
 
物事はシンプルに考えなくてはなりません。
「考えすぎて頭がどうにかなりそうです。」というほど、考えるべき材料はありません。
「何をしたら絶対に再発しない」というものは誰にも解らないし、「何かをしても一体無駄なのか」なども解り様がありません。
物事はシンプルに考えましょう。
 
○トリプルネガティブで再発リスクを下げる「可能性がある唯一の治療が、抗ガン剤である」ということです。
 それ以上でもそれ以下でもありません。
 
「私の乳がんは遺伝性だと強く疑うようになりました。」
⇒質問者が何を疑うのかは勿論自由ですが…
 何の意味もありません。
 
「トリネガで遺伝性だとかなり予後が悪いのでしょうか?トリネガの中でも、遺伝ではない人に比べて再発率が高いのでしょうか?」
⇒無関係だし、そんな過程の話をしても質問者にとって「どんな利点がなるのか?」
私には全く理解できません。
 
「遺伝性の疑いありなのに、抗がん剤をしないのは無謀でしょうか?遺伝性だと抗がん剤が効きにくいまたは効きやすいなど、あるのでしょうか?」
⇒無意味な「過程」をして議論をすることは止めましょう。
 
「今の所、再発予防の抗がん剤はしない選択でいます。」
⇒それなら、それでいいでしょう。
 
「万一の再発時には、使える抗がん剤が増えるということはあるのでしょうか?(再発予防で提示された抗がん剤が使える等)」
⇒それはその通りです。
 
「ここで言う再発とは、遠隔再発のことでしょうか?」
⇒その通りです。
 
「局所再発の時には、手術はできるのでしょうか?」
⇒部位にもよりますが、その可能性はあります。
 
「私の状況でそうすることは自分の人生を放棄するようなものなんでしょうか?」
⇒考え過ぎです。
 
 

 

質問者様から 【質問8】

田澤先生
いつもためになる信頼できる情報をありがとうございます。
そんな田澤先生に是非お聞きしたいです。
 
昨日、小林麻央さんが亡くなり、
ネットを見ていたら、医師の話として麻央さんは多分トリプルネガティブ。
トリプルネガティブは、非常にたちが悪く予後が悪い・・・
と載っているのを発見してしまいました。
 
今後もきっと、このような情報があふれてくると思います。
田澤先生の、正確な情報を頭に入れておきたいので教えてください。
 
トリプルネガティブは、
他のサブタイプに比べ、
そんなにたちが悪く予後も悪いのでしょうか??
私は4月に右温存手術→現在放射線治療中。
しこりの大きさは2.2cm×1.4cm
腋窩リンパ節転移1個(郭清しました)
ステージ2B
サブタイプはトリプルネガティブでした。
再発予防の抗がん剤は、やらない選択をしました。
 

田澤先生から 【回答8】

こんにちは。田澤です。
 
これに対しては、私なりの解釈があります。
乳癌は基本的に大人しいのですが、(どの癌種でもそうですが)稀に「急速な経過を辿るケース」があるのです。
○その意味で(手術をそもそもしていない、小林麻央さんに当て嵌まるわけではありませんが)「術後2年以内に再発して急速に増大」するケースは(少ないながら)確かにあるのです。
トリプルネガティブと一口に行っても(おそらく何万もの性質を持っている中で)
「ER,PgR,HER2が陰性である」という「僅か3つの共通点」しかない雑多な集団なのです。
 
☆つまり、上記の様な例外的なケースは(トリプルネガティブと一括りにされてはいるが)、「実は種々雑多な集団の中のごく一部に見つかるケース」であるという事です。
★(勿論)トリプルネガティブ全てがそのような性質をもっているわけではないが、
「そのような性質を持った例外的な乳癌」はトリプルネガティブの中に見つかるという意味なのです。
 イメージとして乳癌を分類すると
 ①ルミナールタイプA
 ②ルミナールタイプB(HER2陰性)
 ③ルミナールタイプB(HER2陽性)
 ④HER2タイプ
 ⑤トリプルネガティブ予後良好型(抗癌剤は不要)
 ⑥トリプルネガティブ予後中間型(抗癌剤は効く)
 ⑦トリプルネガテイブ予後中間型(抗ガン剤が効きにくい)
 ⑧トリプルネガティブ予後不良型(抗癌剤をしても早期再発をして急速な経過を辿る)
 現状では、⑤~⑧を区別する方法がないのです。ただ⑧は⑤~⑧までの中でごく少数の割合です。
 
「トリプルネガティブは、非常にたちが悪く予後が悪い・・・と載っているのを発見」
⇒ご理解いただけましたか?
 正確には「トリプルネガティブの中には予後不良群もある」ということです。
 
「トリプルネガティブは、他のサブタイプに比べ、そんなにたちが悪く予後も悪いのでしょうか??」
⇒違います。
 そもそも「(種々雑多な集団である)トリプルネガティブを一括りとしてコメントする」事自体、完全な誤りなのです。
 
 

 

質問者様から 【質問9 遠隔転移の治療について】

性別:女性
年齢:47歳
 
田澤先生
お久しぶりです。
 
先回の手術から1年が過ぎ、順調に過ごしてきました。
ところが最近になって、胃の辺りが急に痛み出し、
不安だったので、乳腺科の主治医に相談し、造影CTを撮ったところ、
多発性肺転移・肝転移 と言われました。
 
所見には 疑い と書いてありましたが
転移で間違いないと言われました。
私は、左右両方乳がんですが、どちらからの転移かはわかりません。
ショックですが、こうなった以上仕方ない。
ここで見つかって良かったんだと言い聞かせて、治療に入ります。
主治医からは、AC療法を提案されました。
 
もらった書類には、
AC療法 点滴・3週毎(半年ぐらいがmax)
と、あと
アバスチン+タキソール 点滴 3投1休
という2種類がありました。
正直頭が真っ白で、あまり頭に入ってきませんでしたが
アバスチンのパンフレットをいただきました。
そして私は遺伝性の可能性もあるので
リムパーザが認可され、遺伝性の診断を得られたら
ACをやった後、内服にするのもあり・・・
ということも言われました。
 
私は抗がん剤は一度も使っていません。
このどちらをやるのが、より有効なんでしょうか?
(アバスチン+タキソールでは、期間はどれくらいになるのでしょうか?)
または、この提案で良いのでしょうか?
来週月曜日に、決めることになっています。
田澤先生のご意見もお聞きしたく、質問させていただきました。
よろしくお願い致します。
 
そして、もう一点、
私の場合、何もしなければ、あと1年くらい
抗がん剤をすれば、年単位で変わってくる と言われました。
まだ、治療をすれば、(画像上)転移が消失し、普通に生活できる希望はあるのでしょうか。
 
画像診断では
肺野:右上葉S1結節は7mmに増大。
右S8に10mm大の結節が出現
両肺胸壁側にすりガラス濃度上昇を認める
肝左葉外側区末梢の小低吸収域は著変なし。
嚢胞疑い。
S3に6mm大、S4に16mm大の血管腫疑い。
上記S3結節に接する41mm大の内部不均一な腫瘤が出現
と書いてあります。
 
また、腫瘍マーカーの数値が、範囲内だが上がっていると言われました。
肝機能の数値は異常なし。
このCTの前1週間ほど、胃の辺り(真ん中~左肋骨下)が痛んでいましたが、
何か関係あるのでしょうか?
(今は何も痛くありません)
 
とにかく、治療をしながらでもすこしでも長く、穏やかに暮らせたらと思っております。
どうぞよろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答9】

こんにちは。田澤です。
 
遠隔転移とのこと。
お気持ち、お察しします。
 
「私は抗がん剤は一度も使っていません。」
「このどちらをやるのが、より有効なんでしょうか?」

→おそらく、bevacizumab + PTXの方が効果があるし、副作用も楽でしょう。『今週のコラム138回目 効果と副作用のバランスがとれた抗がん剤で「いい状態を維持」するやり方があることを知ってもらいたいのです。』をご参照ください。
 
「(アバスチン+タキソールでは、期間はどれくらいになるのでしょうか?)」
→まずは3か月が目安、そして(効果が継続するなら)そのまま6か月で「画像上CR(完全緩解)」を狙いましょう。
 
「または、この提案で良いのでしょうか?」
→もしもBRCA遺伝子変異があれば、オラパリブ(リムパーザ)が適応となります。
 その場合にはアンスラサイクリン及びタキサンを行っていることが前提となるため、その場合にはACは必ずしなくてはなりません。
 ただ、(BRCA遺伝子変異があるにしろ、ないにしろ)「アンスラサイクリン」はKey drugの1つであり、bevacizumab + PTXは「効果と副作用のバランスがいい」ので、妥当だと思います。

 
 

 

質問者様から 【質問10 反対側にもしこりが】

性別:女性
年齢:47歳
病名:乳がん
症状:肺・肝転移

田澤先生

いつもありがとうございます。

AC療法を始め、2クール終了。

明日、3クール目の予定です。

しかし、ここへきて、抗がん剤治療への不安がかなり出てきました。

もともと抗がん剤治療は絶対したくなくて、
術後の抗がん剤はしませんでした。

そのせいかどうかわかりませんが、転移がわかり
今回は、抗がん剤をするしかないと思い、始めました。

体調面の副作用はほぼなく、
思っていたよりずっと楽です。

ただ、精神面がきついです。

主人は抗がん剤否定派で
今回私が抗がん剤をすることにしたことに腹を立てたようで
「治療費は出さない」
「相談にも乗らない」
「もう病院にも行かない」
等と言います。

離婚も言われています。

こんな状況になったのは、私が抗がん剤をしたからだと思ってしまいます。

経済面でも、きついのは確かです。
(ここが一番大きいかもしれません)
この先ずっと、続けて行ける自信はありません。

自分だけで治療費を払うなら、なおさらです。
(がん保険なし、両親なしです)

経済面で続けられなくなった時(今の薬剤が終わった後、そうなりそうです)
治療をやめることは、ステージ4の私にとって、
かなりハイリスクでしょうか。

そして
抗がん剤を始める前、
「一回で効果が出なかったらどうするの?」と主人に言われました。

抗がん剤とは、一度で効果がわかるものでしょうか?
(そして、毎回それを画像診断で調べるべきでしょうか?)
それとも、何度かうった後、効果が出てくるものでしょうか?

今日の血液検査で腫瘍マーカーを調べます。

CTは、3ヶ月後と言われていますが、それでいいのでしょうか?

抗がん剤は、すごく悪いこと のような言い方をされ
本当にこれでよかったのか、不安です。

ステージ4です。

なにもせずに、このままいた方が幸せだったのかと思ってしまいます。

(もう髪も抜けてしまったので、何もしなくても、もう前の自分とは違いますが)

主治医は、一番にACを勧めると言いました。

そして、今は治療をするべきだと。

まだ、元気です。

食事もできるし、仕事も行けます。

これから回を重ねると、副作用もひどくなり、
元気な自分が変わってしまうのでしょうか?

 

田澤先生から 【回答10】

こんにちは。田澤です。

ご主人の協力がない。
経済的にきつい
上記のことは申し訳ありませんが、ここで回答することではありません。(病院に癌
相談員などいらっしゃる筈です)