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針生検と病理結果の不一致について

[管理番号:6716]
性別:女性
年齢:47歳

乳がんになり、勉強させてもらってます。

6月末にしこりに気付き受診。
マンモグラフィー、エコー、針生検にて7/(中旬)に乳がんと告知。
その時の結果ですが
(術前?針生検)
大きさ 2cmぐらい
異型度 グレード3
ホルモン ER+ PgR+
HER2タンパク2+
ki67 30%~40%
しかわかりません。

7/(下旬) 右乳房全摘手術 再建手術なし

(術後?病理結果)
浸潤性乳管癌
浸潤径 25×26×24mm
f(+)、Iy(+/HE)、v(+/EVG)、
LN(0/3)
リンパ節 10mm 1つ有り。
レベル1郭清
済み(先生に確認したら1/4になるか
な?と言ってました)
ホルモン ER 中陽性 PgR 1%~5%
HER2 0
ki67 12%
断端 陰性
不整な充実性小胞巣、或いは孤立性増殖を示し、scirrhousな浸潤を示します。

乳管内病変は腺管形成型であり、壊死を伴ってます。

という結果になり、先生もHER2とKi67の数値に驚いてます。
納得出来ないようで、もう一度調べ直してほしいと頼んだようですが受け入れてもらえず、他に頼んでいるとのこと。

病理結果でいくと、ルミナールAになり抗がん剤は不要。
しかし、9月のマンモグラフィーでなかったものが(職場の健診)このような状態で見つかり、ルミナールAではないと考えているようです。

今後の治療方針は、高リスクと考えルミナールb。
化学療法AC→DTXと言われました。

?先生であれば病理結果で今後の治療方針を決めますか?
?針生検と病理結果でこれだけの差が出るものでしょうか?
?硬癌、コメドタイプは抗がん剤治療は必須ですか?
?リンパ節1cm 1つも考え 抗がん剤治療になりますか?

まとまりのない文になり申し訳ありません。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

メール内容を読みましたが…
私とその担当医の考えは全く違うので、混乱されるとしたら大変申し訳ありません。
ただし、私の回答を見て「でも主治医はこう言っているのだけど…」的な再質問は控えてください。(それは私に聞くべきことではなく、その主治医に聞きましょう)

「しかし、9月のマンモグラフィーでなかったものが(職場の健診)このような状態で見つかり、ルミナールAではないと考えている」「今後の治療方針は、高リスクと考えルミナールb」
→??
 全く根拠がありません。
 「ルミナールAなのかBなのか?」は、そんなこととは1000%無関係です。

「?先生であれば病理結果で今後の治療方針を決めますか?」
→勿論!

 Ki67は本来病変全体で評価すべきものだから12%は明らかにルミナールAです。(OncotypeDXをするまでもありません)
 私なら1秒も迷うことなくホルモン療法のみです。

「?針生検と病理結果でこれだけの差が出るものでしょうか?」
→これだけの差?

 HER2 2+ → 0  も Ki67が30~40%→12% も 針生検と手術標本では、それほど珍しい乖離ではありません。

「?硬癌、コメドタイプは抗がん剤治療は必須ですか?」
→???

 硬癌を悪者にする必要がある?? 是非『もしも『まだ』硬癌が心配な人がいたら、まず『スキルス乳がんについて』をご一読ください。』ご一読を。

「?リンパ節1cm 1つも考え 抗がん剤治療になりますか?」
→リンパ節転移と抗がん剤の適応は1000%無関係!!

 ルミナールA(抗がん剤が効かない)でリンパ節転移があったとして、抗がん剤が意味があると思いますか??

★重要な観点は、「効く治療を行う」ということであり、「進行度と治療法の選択は無関係」なのです。
 是非『今週のコラム 131回目 「進行しているから」と言う理由で「効かない筈の治療に我慢する」それでいいのですか? (付記)「ホルモン療法と抗癌剤」は全く別の作用であり、「強い、弱い」ではないのです。』 をご一読を。