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コラム125について

[管理番号:6221]
性別:女性
年齢:48歳
いつもこちらのサイトを拝見して沢山勉強させていただいております。
今回、コラム125回について教えて下さい。
今週のコラム 125回目 (ただのカルシウムにすぎない)石灰化が、原因で癌が起こることは「当然」ありえないことです。
私は20代前半より胸を絞ると母乳が出ました。
出産経験も授乳経験もありません。
当時は人より乳腺が発達しているから、
と言われたので放置していました。
35歳になって毎年マンモ、エコーの検診を受けていましたが3年ほど前に乳管内病変と言われ(細胞診して良性)経過観察。
昨年分泌が茶色に変わったので受診。
すると、乳がんと言われました
先生のコラムを拝見すると良性の疾患が
がんになることはない、との事でした。
私は20代の時からがんだったのでしょうか?
ステージ1と言われましたが、がんだったとしてこれほど長い間放置していたのにステージ1なのでしょうか?
よろしくお願いします。
凄く不安です。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
様々な勘違いがあるようです。
この機会に正しく理解しましょう。
「私は20代前半より胸を絞ると母乳が出ました」
⇒これは、全くの無関係です。
 乳管内病変がミルクを分泌することは1000%ありません。
 あくまでも(何らかの理由で)「プロラクチンが高かった」というだけです。(プロラクチンと乳管内病変は1000%無関係です)
「3年ほど前に乳管内病変と言われ(細胞診して良性)経過観察昨年分泌が茶色に変わったので受診すると、乳がんと言われました」
⇒これは(本来あってはいけないけれど)非常によく見る診療です。
 その時点で正しい診療(乳管造影⇒乳管腺葉区域切除)が行われていれば、乳癌(おそらく非浸潤癌)が見つかっていたと思います。
 ★分泌があるのに(エコーで見える病変だけを)細胞診して「良性」とするのは、実際は誤りです。(ただ、このような診療は残念ながら蔓延しています)
「良性の疾患ががんになることはない、との事」
⇒その通りです。
 今回の場合…
 3年前の(おそらく分泌が有ったのですね?)乳管内病変は癌だったのです。
 ♯ 細胞診で外したのか、(それとも)同じ乳管系の中に癌があったのか?
 どちらかです。
「私は20代の時からがんだったのでしょうか?」
⇒20代のミルクの分泌は10000%無関係です。
「ステージ1と言われましたが、がんだったとしてこれほど長い間放置していたのにステージ1なのでしょうか?」
⇒20代の分泌は忘れましょう。(実際は3年前に正しく診断されるチャンスがあったということです)