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細胞診クラス4 → マンモトーム生検異常なし

[管理番号:4945]
性別:女性
年齢:43歳
初めて質問させていただきます。
2年ほど前にドッグで要精密検査の結果がでました。
エコーとマンモグラフィーの結果、石灰化が見られるが、経過観察でいいだろうということで、以後半年おきにエコーとマンモグラフィーの検査を受けてきました。
今年4月の検査から担当の先生が変わり、エコーとマンモグラフィーの結果は変わりがないが、念のため細胞をとって検査しましょうと言われ、その日に細胞診を行いました。
5月上旬に結果を聞きに行ったところ、クラス4と言われ、確定診断をつけるために5月中旬にエコーガイドのマンモトーム生検をしました。
おそらく乳がんで、手術をすることになるだろうと先生に言われていたので、覚悟を決めて5月下旬に結果を聞きに行くと、がんは見つからなかったということで、先生も悩んでおられました。
細胞診でクラス4が出ているので、このまま経過観察とはいいづらく、マンモグラフィーのマンモトーム生検をするか、より大きく組織をとって検査をするか、ということにしたいということで、MRIの検査をしてどちらにするかを判断しましょうということになり、6月下旬にMRIの予約をとりました。
手術になると思っていたので、拍子抜けしたのと、本当に大丈夫なのだろうかとより不安になったのとで、戸惑っています。
先生にお尋ねしたいのは、
①細胞診でクラス4が出ているのに組織診で異常なしということはよくあるのでしょうか。
②このような状況で、先生でしたらどちらの検査をされますか。
③どこまで検査をして、どんな結果がでれば、大丈夫だと判断できますか。
ということです。
まとまりのない文で申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
メール拝見しました。
ポイントは2つです。
1.今回の細胞診もマンモトーム生検も「エコー所見を基」にしているが、そもそも「石灰化の所見」と「エコー所見」は『部位的に同一と考えられるのか?』
2.そのマンモトームはきちんと採取していると、『その主治医自身が確信をもっているのか?』
補足すると大原則として
○エコー所見に関してはMMTE(エコー下マンモトーム)で100%確定診断となる。
○石灰化所見に関してはST-MMT(マンモトームガイド下マンモトーム)で診断すべきだが、(病変全体の評価とならないので)時にグレーの結果となる。
だから、今回のケースでも(もし私自身がMMTEしていれば)エコー所見は細胞診でクラス4とでていますが、それ(エコー所見)については解決済み(つまり良性)と判断します。
ただし、「石灰化をともなっている」ので、(エコー所見とは別に)ST-MMTを行います。(それでも良性なら、晴れて「良性確定」とします)
「6月下旬にMRIの予約」
⇒全く無駄な検査です。
 診断にMRIなど無用です。 むしろ「MRI的免罪符」を担当医に与えてしまうだけです。
「①細胞診でクラス4が出ているのに組織診で異常なしということはよくあるのでしょうか。」
⇒あっては困る事です。
 実際には殆どありません。
 どうしても、その「組織診の精度は大丈夫か?(きちんと、正確に採取されているのか?)」という点が問題となります。
「②このような状況で、先生でしたらどちらの検査をされますか。」
⇒これは冒頭で述べたように「エコー所見と石灰化の所見が同一」と考えるのか?にもよりますが、
 (私の場合MMTEによりエコー所見は確定診断と考え)「石灰化に対してST-MMTを行う」こととなります。
「③どこまで検査をして、どんな結果がでれば、大丈夫だと判断できますか。」
⇒結局いきつくのが「その医師の検査の精度」となりますが、きちんとした精度があれば、
 エコー所見:MMTEで確定診断となる。
 石灰化所見:ST-MMTすべき(ただし、ST-MMTの場合にはグレーゾーンとなる可能性があり、その場合には外科的生検しかない)
☆結論として
 まずはST-MMTをすべきです。(それで良性なら、良性確定、グレーゾーンならそこで、外科的生検すべき)
 ただし、担当医が自分自身のMMTEに確信を持っていないなら(ST-MMTで良性とでても)外科的生検せざるを得ない事になります。