[管理番号:680]
性別:女性
年齢:43歳
質問者様の別の質問質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。 |
はじめまして。
先生のブログを拝見し、こちらでいろいろ勉強させていただいています。
主治医はこちらが質問しないと、ほとんど説明してくれない為、自分の乳癌がどんな種類なのかも正確に分からず、また今後の治療にも不安があります。
病理診断レポートも欲しいと言ったのですが、カルテ開示になってしまうので出来ないと言われ、口頭で教えてもらった次第です。
現在までの流れを説明させていただきます。
・2月に定期検診(乳腺症の為、毎年2月に検査しています)
・触診では問題ないと言われたが、マンモの画像が気になるとのことで超音波を受けました。
・超音波でも気になる所見があるとのことで、次に細胞診を受けました。
しこり自体はやわらかく、動きました。
・細胞診の結果、クラスⅢと出たので、4月23日に外科生検(腫瘍大きさ1.1cm)
をしました。
・5月22日にがんとの診断を受け、6月11日右乳房温存手術を終えました。
・7/9に術後病理結果が出て、下記の結果が出ました。
Ki67 10% ER 高度陽性10% Pgr陽性10% Her2 マイナス ルミナルA
核因子2 分裂因子1 乳管から一部がん細胞が間質を抜けて脂肪質にも出ているとのこと。
尚、1回目の外科生検でがんは取り除けており、術後の病理(切除範囲:2.5cm)では、がん細胞は見つからなかったそうです。ただADH病変2ヶ所ありとのこと。
・今後の治療は、放射線治療25回が終わったら、ホルモン治療(タモキシン)を始めるそうです。ちなみに放射線治療が違う病院で行います。
私が主治医を不信に思う原因ですが、毎年診断しているのに、何故1センチになるまで気が付かなかったのか。(触診でも気がつかなかった)
又、がんと診断されたときに、2011年にあった5ミリのものが、2014年から大きくなって、がん化したみたいだねと言われました。
今後の再発のことを考えると、見落とされそうで不安に思います。放射線治療を終えたら、違う病院に行こうか迷っています。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
私がこのメールを見て最初に問題に思ったのは「細胞診のあと、針生検をせずに、外科的生検」をしている点です。
これは
①針生検をする技術がない?
②結局癌だったのに細胞診でクラスⅢしか出せない(細胞診ではクラスⅤ、最低でもⅣを出せない様では技術的に問題があると思います。)
更に「病理レポートも渡せない」としている点です。
「カルテ開示になってしまうので出来ない」なんて理由聞いた事もありません。
更に、4月23日に生検、結果が5月22日?(何故1カ月もかかるのか?長くても2週間程度の筈)結果として2月の検診から手術まで4日月!もかかっています。
回答
「2011年にあった5ミリのものが、2014年から大きくなって がん化したみたいだね」
⇒完全に誤ったコメントです。
本当にそう思っているとしたら問題です。
間違いなく「5mmの時点で癌だった」筈です。
癌は最初から癌、良性は何時まで待っても良性です。
まさか、担当医がそんな事も知らない訳ではないと思いますが…
「今後の再発のことを考えると、見落とされそうで不安に思います」
⇒私も賛成です。
『5mmの腫瘍を診断するつもりがない』事が最大の問題です。
○質問者は腫瘍径が1cmであり、しかも大部分が非浸潤癌のようです(正確な内容は不明ですが…)
十分早期でありますが、5mmで発見した方がやはりいいのです。
「5mmで診断しようと思わない」ような乳腺外科医は問題だと思います。
♯ 私が時々いうように『自分の家族でも、そうなのでしょうか?』
質問者様から 【質問2】
お忙しい中、早々にご返信をいただき本当にありがとうございます。
主治医以外の先生から、いろいろ教えていただける場を作っていただいていることに本当に感謝申し上げます。
針生検は、2011年に今回のがんとは違う部分で行ったことがあります。そのときは超音波画像を見ながら行ったのですが、今回は、触診したその寝台で、その場で細い針をさされたので、前回とやり方が違うと思っていました。私はそれも針生検と思っていたのですが、乳癌プラザのQ&Aの答えの中で、今回のは細胞診だとわかったのです。
今回のがんは細胞診のあとは、針生検を行わず、外科生検しました。先生のご指摘の通り、
結果がでる迄、1ヶ月と長く待たされました。生検は大学病院に出していて、1週間で出るが、病理に迷っていること、GWがはさんでいたこともあって長く待たされてんだと思います。(ただ、術後の病理検査は1ヶ月待たされました。)
しこりは、5ミリの時点でやはりがんだったんですね。
ここで何点か質問させていただきたいのですが、
①がんでもやわらかい,動くしこりというのはあるのですか?
②1センチのがんになるまで、約10年かかると他のネットに載っていましたが、私のがんは 10年前から出来始めたのでしょうか?つまり今回のがんが発覚するまで、何回も発見するチャンスはあったのでしょうか?(主治医とは15年くらいの付き合いです)
③術前検査なのですが、胸のMRI検査は行わず、扇形に切るとの説明を受けました。切口の大きさは確認しなかったのですが、術後、縦に9センチしかも乳輪まで切られていることに気づいたのですが、適切な方法なのでしょうか?
④脈管侵襲はあったか聞いたのですが、今はそういう言葉は使わないと言われましたが、本当でしょうか?
⑤放射線治療とタモキシンホルモン剤の服用で、完治は望めますか?
⑥病理で迷っていたと言われましたが、良性をがんと間違えることはあるのでしょうか?
以上長くなってしまって、申し訳ありません。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
私から見ると随分問題のある診療に思えます。
回答
「がんでもやわらかい,動くしこりというのはあるのですか?」
⇒あります。
「硬さ」
周囲の間質浸潤を起こし線維(ファイバー)を多く含むものは一般に「硬く」あります。
それに対して「細胞成分主体」(非浸潤癌など)では相対的に「柔らかくなります」
「動き」
皮膚のファイバー(クーパー靭帯)や大胸筋膜などに浸潤しない限り「良く動き」ます。
「1センチのがんになるまで、約10年かかると他のネットに載っていましたが、私のがんは 10年前から出来始めたのでしょうか?つまり今回のがんが発覚するまで、何回も発見するチャンスはあったのでしょうか?」
⇒大いに誤解があります。
癌細胞が生まれてから10年かかるとしても、超音波で見つけられる大きさ(最低でも3mm以上)となってからでは2年はかかっていないと思います。
○つまり、「癌を発見するチャンス」は「去年」と「一昨年(一昨年の時点では3mm以下だった可能性も十分にありますが…)」程度でしょう。
「縦に9センチしかも乳輪まで切られていることに気づいたのですが、適切な方法なのでしょうか?」
⇒1cmの腫瘍に対して9cmは長すぎます。
「脈管侵襲はあったか聞いたのですが、今はそういう言葉は使わないと言われましたが、本当でしょうか?」
⇒脈管侵襲という言葉は使います。
ただv(血管)とかly(リンパ管)などと記載するようになった。ことを言っているのかもしれません。
「放射線治療とタモキシンホルモン剤の服用で、完治は望めますか?」
⇒(私は質問者の正確な病理結果を知らないのですが…)
十分早期のようなので、完治の可能性は高いと思います。
「病理で迷っていたと言われましたが、良性をがんと間違えることはあるのでしょうか?」
⇒間違える事はありません。
ただ、「診断のため」に特殊染色(免疫染色)が必要だったのだと思います。
質問者様から 【質問3】
田澤先生の分かりやすいご説明に納得出来ました。本当にありがとうございました。
主治医は、60代(もしくは70代に近い)の方で、長年診てもらっていることから、先生の診察診断を疑ったことはありませんでした。ただ診察のあとは「問題ないですよ」の一言ぐらいなので、説明は欲しいとは思っていましたが、、。
入院中、看護師さん達に先生に聞けないことをいろいろ質問すると、ほとんど全員が、
同じような反応するので、あまり信頼されていないんだなと思ったこと、古いやり方とおっしゃっていた方もいたので、先生に対する信頼が揺らぎ、今回の質問に至った次第です。
主治医の年齢のことも考えると、今後は転院を考えようと思います。
看護師さん医療スタッフから信頼の厚い先生に診てもらいたいとも思います。
本当にありがとうございました。