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治療の方針について

[管理番号:6818]
性別:女性
年齢:39歳
病名:乳がん
症状:

初めまして。
いつも拝見させて頂き
田澤先生の豊富な知識と
不安を取り除く理路整然とした
回答に安心を頂いています。

先月(下旬)日に乳がん検診に行き
3センチの乳がんがあると診断を受け9/(中旬)大学病院で検査を受けました。

MRIの結果左胸(乳輪の上)2.7cm
脇の下に2つのしこりがあり
脇の下は細胞診の結果待ちですが
恐らく間違いはないとのことでした。

サブタイプはルミナールB/HER2-
ki67/23という数値でした。
主治医の先生に頂いたメモからですので
これ以上詳しいことはわかりませんが
とても長い時間話を聞いて下さる良い先生でしたが
田澤先生のご意見も頂きたいです。
拙い文章で申し訳ありません。

主治医先生の提案は
術前科学療法(3週毎のもの3ヶ月毎週毎のもの3ヶ月の半年)
もし変化がなければ2回で中断しますとのこと。
その場合は私はルミナールAだったということでしょうか?
腫瘍が小さくなれば部分切除→放射線療法でした。

乳輪のすぐ上だとやはり小さくしてからでないと
取り除くのは難しいのでしょうか?
私のki67の数値はグレーゾーンではないかと思ったのですが
他に何か決め手となるものがあるのでしょうか?

もし田澤先生に診察を希望する場合は
どのくらい先になりますか?

どうぞ宜しくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

私は、その大学病院らしい「リンパ節転移有=術前抗がん剤ありき」という治療方針には全く賛成しません。

Ki67=23%であればグレーゾーンです。

物事はシンプルに考えましょう。
重要なことは以下の3点
1.術前抗がん剤は「小さくして温存」のために行うものであり、「現時点では温存できないが、抗がん剤が効けば温存できる。」ことが前提で更に「それを質問者自身が希望す
る」のであれば行うべき。(リンパ節転移とかKi67とは全く無関係に)

2.「リンパ節転移陽性」であることと、「抗がん剤が必要(抗がん剤が再発率を減らす)」こととは全く無関係

3.Ki67=23%はグレーゾーンであり「再発予防としての抗がん剤が必要なのか?」は解らない。

★重要な視点としては、
 術前抗がん剤は純粋に「小さくして温存を希望する」場合に行うべきであり、それは「ルミナールAなのかBなのか」とも「リンパ節転移がある」こととも全く無関係。

 術前抗がん剤を選択すれば、(その時点で)「術後に抗がん剤をすべきか?」という判断のためにある「ルミナールAなのかBなのか?」は議論すること自体、無意味となる。