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フルコース治療について

[管理番号:4518]
性別:女性
年齢:60歳
はじめまして 五日前に右側の温存手術を済ませました 浸潤癌 六ミリまわりに怪しい物あり トリプルポジティブKi-67 50 % HER2 3プラスでした。
術後の結果は(下旬)日の外来でとのことです。
患部はキレイに取れた
と言ってくれました ステージ1でした 検診で発見されましたので 早くてよかったねと言ってくださいました が 病理の結果が安心出来るほど
ではないと言われ 術後 放射線 抗がん剤 ハーセプチン ホルモン剤
しっかりと 治療して 根治しましょうと言ってくれました  信頼出来ますし 耳もかたむけてくださいます
でも 告知後 毎日 確かめていた先生のご意見も お聞きしたいのです
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
物事はシンプルに考えなくてはなりません。
まず、「局所療法」と「全身療法」に明確に分けることが第1です。
「局所療法」
これは、手術で「温存手術」を選択した以上、「術後放射線照射は必須」となります。(ここに選択の余地はありません)
「全身療法」
トリプルポジティブとはluminalB(HER2陽性)のことを言います。(つまり、ホルモン療法も抗HER2療法も、どちらも効果が期待できるということ)
ここでポイントは「浸潤径」となります。
○質問者は「六ミリまわりに怪しい物」とあります。
考え方としては
浸潤径≦5mm 抗癌剤(ハーセプチンを含めて)の適応なし
5mm<浸潤径≦10mm 抗癌剤(   〃      )を考慮する
10mm<浸潤径    抗癌剤(   〃      )は必須
ホルモン療法は「5mm<浸潤径」ならば必須、それ以下なら「ご本人次第」だと思います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

おはようございます
右乳房温存手術後 放射線治療の前に
ホルモン剤治療をしています。
放射線終了後 抗がん剤 抗がん剤+
ハーセプチンになります
まだ 術前の検査の結果しか渡されて
いないのですが 自身のサブタイプが
今一つ はっきり分かりません
主治医もはっきり言われませんし もやもやしてしまいます
grade(2+1)
ER 3b
PgR 0
Allred(0+0)
HER2 3+
ki67 50% と表記してありました
この タイプで 一番適している治療方法も 教えていただけたら ありがたいです
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
サブタイプはルミナールB(HER2陽性)です。(下記の1、③にあたります)
(参考に)
◎サブタイプとは?
  組織検査(針生検や手術標本)などで以下の3点を調べます。
   エストロゲンレセプターの発現(ER)
プロゲステロンレセプターの発現(PgR)
HER2蛋白の過剰発現の有無(HER2)
⇒これらの組み合わせで
     1.luminal type:(ER陽性のもの)は以下の3群に分かれる
       ①luminalA(HER2陰性及びKi67低値)ではホルモン療法単独
②luminalB(HER2陰性及びKi67高値)では、(ホルモン療法に加え)化学療法も行う事が多い
       ③luminalB(HER2陽性)       では、(ホルモン療法に加え)抗HER2療法(ハーセプチン+通常の抗癌剤)を行う
       ♯luminalBには②と③の2つがあります。
     2. HER2 type:(ER陰性でHER2陽性のもの) 抗HER2療法を行う
     3.トリプルネガティブ:(ER陰性、PgR陰性、HER2陰性)通常の抗癌剤を行う
「一番適している治療方法」
⇒TC+HER(ハーセプチン)x4回⇒放射線⇒HER(単独)x14回
 もしくは
 weeklyPTX+HER(ハーセプチン)x12回⇒放射線⇒HER(単独)x14回
 ♯TC+HER及び、HER単独は3週間に1回、weeklyPTX+HERは毎週です。
     
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生 おはようございます。
以前 管理ナンバー4518にて
質問させて頂きました。
ありがとうございました。
主治医とは 治療の順番違っていたのですが 内容は同じで 落ち着いて治療に専念出来ております。
 気になる事が ひとつ出来ましてお聞きしたいと思います
お忙しい中 申し訳ありません
主治医は 先生が提案して下さったハーセプチン+パクリタキセルの前にECを4回加えました
Ki-67が50 %と高かったとの事でした 今週2回目の予定です
ホルモン剤もアロマターゼを服用しておりましたが ハーセプチン単剤になるまで 飲まなくてよいと言われましたが
ホルモン陽性なので 心配になります。
閉経前の方は飲まなくていいが 閉経後の場合は服用する場合が多いと 記してある資料も気になっています 先生のお考えをお聞きしたいです。
サブタイプはルミナールbです。
 よろしくお願い致します。
             
 
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「ハーセプチン+パクリタキセルの前にECを4回加えました」
⇒これは、所謂「アンスラサイクリン+タキサン」レジメンです。
 質問者はステージ1ということで「非アンスラサイクリンレジメン」でいいと思うのですが…
  ♯ECがアンスラサイクリン
   パクリタキセルがタキサン
「Ki-67が50 %と高かったとの事」
⇒HER2が陽性のタイプでは、その位が普通です。
 気にしない様にしましょう。
「アロマターゼを服用しておりましたが ハーセプチン単剤になるまで 飲まなくてよい」
⇒化学療法併用中は副作用もあるので、ハーセプチン単剤となってから併用でもいいでしょう。(本来、化学療法と併用しても構いませんが…)
 
 

 

質問者様から 【質問4】

術後のCT 結果について
性別:女性
年齢:60 歳
おはようございます お世話になっております トリプルポジティブ ステージ1 リンパ転移(-)
腫瘍径6㎜ の病理結果でご相談しました者です 順調に治療でき今週から タキソール+ハーセプチンが始まりました その前にCTを撮ってところ 肺に影が映りました 主治医は術前にもあるが少し大きくなっていると言われました しかし 映像の角度とかでおおきく映る時もあるし これは心配するものではないと言われました 放射線もあてましたのでその影響もあるのかな?とおもいますが 私としては 大きくなってると言われたのが引っ掛かり素直に安心できない状態です 田澤先生も言われるように ステージ1 抗がん剤治療中に肺転移を懸念する事はないのでしょうか?
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
6mmの癌で(全く無駄な)CTを撮影するから、質問者に無駄な心配を刺せる原因となっています。
この無駄な検査は一体誰が得するのでしょうか??
ご本人も3割負担し、国庫も7割負担し、無駄な被爆の問題も看過できません。
病院の売上となるのでしょうが…
「抗がん剤治療中に肺転移を懸念する事はないのでしょうか?」
⇒全くありません。
 主治医の「これは心配するものではない」という言葉を信用してあげましょう。
 
 

 

質問者様から 【質問5】

術後の胸の痛みについて
性別:女性
年齢:61歳
3月に右胸温存手術後半年経ちまして ウィークリィパクリタキセル+ハーセプチン×12を6回終えました 
先日もCTに映った肺の影で質問させていただき 先生の言われたように 治療に専念しております 
本当に心の支えとなっております ありがとうございます 又 お聞きしたい事ができました お忙しい中申し訳ありませんが お願い致します
手術から7ヶ月経ちまして(右下方)の傷の痛みは全くありませんが(右上方)が最近 腕を上げたりすると筋肉痛みたいに痛みます
 触ると 張り があるようです 主治医は リンパ精検してるからね と言われました(リンパに転移はありませんでした)
術後 CT は撮りましたが超音波は まだ撮っていません
1年検査まで 様子をみてよろしいでしょうか? 
 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。
「(右上方)が最近 腕を上げたりすると筋肉痛みたいに痛み」
「主治医は リンパ精検してるからね」
「1年検査まで 様子をみてよろしいでしょうか?」

⇒(それで)大丈夫です。
 「痛み」に過敏となる必要はありません。 
 
 

 

質問者様から 【質問6】

術側の胸のシミの発生についてお聞きします
性別:女性
年齢:61歳
おはようございます 毎回的確に答えて頂き 安心でき前向きの治療出来ております 
心より感謝してます 
3月に右胸下方の温存術後 8ヶ月経ちまして フルコース治療をしてます 
順調に治療できまして 後はウィークリィパクリタキセル+ハーセプチンを2回 
ハーセプチン14回 ホルモン治療となります 
仕事にも復帰して 副作用も 何とか乗り越え 日々の生活の中に治療を加えてるつもりで過ごしております 
最近気づいたのですが 乳房チェックの際に術側乳頭にかかる シミが確認れました 
幅2センチ 長さ5センチぼどです 
気になります 
放射線治療の影響でしょうか? 
又 傷痕も 痛みなど殆どなかったのですが 最近は痛みます 
手をあげると痛みもあります 術後半年以上たってからの影響でしょうか? 
お忙しい中申し訳ありませんが よろしくお願い致します  管理Noは4518 です。
 

田澤先生から 【回答6】

こんにちは。
「シミ」は無関係です。(気になるのかもしれませんが)気にしない様にしましょう。
「傷痕も 痛みなど殆どなかったのですが 最近は痛みます」
⇒寒くなってきたからでは?
「手をあげると痛みもあります 」
⇒血管炎では?
 『今週のコラム 93回目 創部の下が痛い場合には「骨(肋骨)転移?」と、心配されるようです』をご参考に。
「痛み」が気になるのは解りますが…
 基本的に「再発所見とは無関係」と考えて結構です。
 
 

 

質問者様から 【質問7 右胸上方の痛みについて】

性別:女性
年齢:61歳
 田澤先生おはようございます。
管理番号4518にてお世話になっております ルミナルBにてフルコース治療をハーセプチン単独ホルモン治療を残して 順調に治療できております ありがとうございます。
先日1年検診で 超音波を撮り異常はありませんでした が 以前より 患部は右胸の左下方を温存してますが 右胸上部の痛みがあり 最近は咳をすると胸を押さえなくては出来ないくらいに痛みがあります 咳をしなければ大丈夫なのですが 筋肉の痛みと 主治医は言われました。
 痛みには 神経質になり ハーセプチン投与中でもあり 大丈夫だと言い聞かせてますが 先生のご意見はいかがでしょうか? 
お忙しい中 申し訳ありませんが お願いいたします
 

田澤先生から 【回答7】

こんにちは。田澤です。
「患部は右胸の左下方を温存してますが 右胸上部の痛み」
⇒物事はシンプルに考えましょう。
 質問者は「何を心配」しているのですか??
☆物事はブラックボックスに入れて「何が何だか分からないけど、何かが心配」という発想は止めましょう。(無意味な不安に陥るだけです)
 そうではなく、そもそも「痛みが再発の兆候だとすれば、それは骨転移しかない」のです。
 だから、もしも「その部分の痛みが再発?」と心配なのであれば、その部分のレントゲン(この場合には肋骨しかありません)を撮ればいいだけです。(そして安心しましょう)
 骨転移以外で痛みが再発の兆候となることは無いのです。
 1.胸が痛いから「肺転移?」と言う発想は誤り(肺転移で痛みはありません)
 2.乳腺が痛いから(その部分に)「乳房内再発?」という発想は誤り(乳房内再発で痛みはありません)