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治療について

[管理番号:4349]
性別:女性
年齢:44歳
初めまして。
乳癌と診断され、いろいろな情報に恐怖心が募っていた時
にこちらを拝見させていただき、だんだん冷静に向き合うことができるようになりました。
以後継続して勉強させていただいております。
よろしくお願いいたします。
2015年2月、定期健診時に、その少し前から気になっていた左胸のしこりについて調べてもらいました。
マンモグラフィーとエコーによる診断で6mmの良性嚢胞と言われ、次回も定期健診で大丈夫とのことでしたので安堵しておりました。
しかし、少し気になったまま2016年11月に別の乳腺専門医に診せると、バネ式針生検により、その嚢胞が浸潤癌であると判明。
7mmの浸潤性乳管癌とわかりました。
2017年1月に左乳房温存手術とセンチネルリンパ節生検を行ないました。
リンパ節転移はありませんでした。
術後病理検査結果
しこりの大きさ 0.7×0.4㌢
浸潤性乳管癌
組織型 非浸潤癌 + 浸潤癌
腫瘍径 全体 3.5cm、 浸潤部 0.6cm
リンパ節転移なし
切除断端陰性
悪性度I
脈管浸潤 なし
ki67 11%
エストロゲン、プロゲステロン 共に陽性
HER2 2+(Fish陰性)
今月より放射線治療を25回行なう予定です。
ただ、その後の治療について主治医からは、薬物療法なし、と言われました。
他の方へのお答えで「浸潤癌である限りはホルモン治療はするべきだ」
とおっしゃっているのを拝見して、病理検査の結果で多少条件が違うかもしれませんが、私もホルモン治療をするべきではないかと思い、心配になっております。
ホルモン治療が適応な場合、標準の量を5年間、と考えれば良いでしょうか。
また、ホルモン治療をする場合としない場合の転移する確率を教えていただけますか?
また、私は胆石があり、すでにウルソとコスパノンを数年飲んでいる状況ですが、タモキシフェンが脂肪肝を引き起こす可能性がある、と聞いたことがあるのですが、ホルモン治療をしても胆嚢・肝臓等への影響は深刻にはならないでしょうか?
また、ホルモン治療の重要性は、以前より重視されてきている傾向はありますか?
今の主治医にも良くしていただいたので、事を荒立てたくはないのですが、やはり自分の命のことですので、最終的には転院も考えております。
術後治療からの転院というのも可能なのでしょうか? その際、どうしても紹介状が必要でしょうか?
既出のこともありそうで申し訳ありませんが、アドバイスいただきたく、どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1b(6mm), pN0, luminalA
完璧な早期癌です。
実際は「再発、超低リスク」となるので担当医が「ホルモン療法を省略したい」と考えるのも無理はないと思います。
ただし、「標準治療」であるかぎり、「提案はすべき」とは思います。
「ホルモン治療が適応な場合、標準の量を5年間、と考えれば良いでしょうか。」
⇒その通りです。
「また、ホルモン治療をする場合としない場合の転移する確率を教えていただけますか?」
⇒無治療 14%
 ホルモン療法を行うと9%
 ♯ただし、上記確率は「1cm以下」での括りなので「6mmである質問者」の場合には実際は「もっといい数字」となるでしょう。
「ホルモン治療をしても胆嚢・肝臓等への影響は深刻にはならないでしょうか?」
⇒稀に「脂肪肝となり肝機能障害がでる」人がいらっしゃいますが…
 その場合には「止めればよい」ということです。
「また、ホルモン治療の重要性は、以前より重視されてきている傾向はありますか?」
⇒特に変化はありません。
 単に「長期投与の成績が出てきている」だけの話です。
「術後治療からの転院というのも可能なのでしょうか? その際、どうしても紹介状が必要でしょうか?」
⇒最低限、正式な病理結果は必要となります。