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治療方針について

[管理番号:7462]
性別:女性
年齢:39歳
病名:乳癌
症状:

乳癌診断にて全摘手術をしたものです。

病理の結果
2cm以下の病変でほとんどが非浸潤癌 浸潤は2mm程度
g 、ly3 、v0 、グレード1 、断端陰性 センチネルリンパ節微小転移あり
レベル1リンパ節郭清リンパ節転移なし
追加所見にて
微小浸潤部は染色にて非浸潤癌の範疇
リンパ管侵襲は疑わしい部分が一部みられるが判定が難しい
参考値
ER(+)
PgR(-)
HER2(-)
MIB-1 15%

この情報で先生ならどのような術後補助療法を行いますか?

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

ほぼ微小浸潤癌で全摘:ほぼ根治です! おめでとうございます。

「この情報で先生ならどのような術後補助療法を行いますか?」
→無治療です。(ほぼ根治なのだから)

 どうしても(治療しないと)不安だから「治療がしたい」という場合にはホルモン療法となりますが…
 →副作用(ホットフラッシュなど)や経済的負担や通院の負担、子宮体癌のリスク増加
 これらと、「不安だから…」がバランスするのか?(私は「バランスしない」と思います)

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

治療方針について
性別:女性
年齢:39歳
病名:乳癌
症状:

質問のお返事ありがとうございました。

先生のおめでとうございますのお言葉とても嬉しかったです。

また少し質問させていただきます。

病理結果に深部剥離面の1mm以内にDCISが迫っていますとありますが、放射線治療はどうですか?
また最初の病理結果にはly3、PgR 0、センチネルリンパ節に微小転移ありでしたが、無治療で大丈夫でしょうか?
この情報での再発率はどの程度でしょうか?

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「病理結果に深部剥離面の1mm以内にDCISが迫っていますとありますが、放射線治療はどうですか?」
→勿論不要です。
 『今週のコラム 86回目 このようにすれば、全摘で深部側断端が陽性となることはないのです』を熟読してください。(乳腺に切り込まない限り非浸潤癌で断端陽性となる筈がないのです。:非浸潤癌とは乳腺内に留まっているのだから)

「また最初の病理結果にはly3、PgR 0、センチネルリンパ節に微小転移ありでしたが、無治療で大丈夫でしょうか?」
→勿論、無治療(前回の回答通り) 微小転移は予後には無関係です。

「この情報での再発率はどの程度でしょうか?」
→ほぼゼロでしょう。
 前回の回答でも「ほぼ根治なのだから」と記載しましたが、そういう意味です。

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

治療方針について
性別:女性
年齢:39歳
病名:乳癌
症状:

いつも丁寧なお返事ありがとうございます。

先生のお言葉にはいつも救われます。

また少し質問させてください。

リンパ節の微小転移は予後には無関係とのことですが、
ly3というリンパ管侵襲、PgR 0は予後が良くないと記載されたものを見たことがあるんですが、大丈夫ですか?
また、追加所見で再度浸潤部を調べてもらい浸潤部はDCISの範疇、リンパ管侵襲は疑わしいが不明瞭と結果がでましたが、ホルマリン固定をして結果が変わったってことはあるんでしょうか?
また、もし不安だからホルモン療法をしたいと思った場合、術後2、3ヶ月過ぎてても大丈夫なんでしょうか?

ほぼ根治と言われているのに度々の質問申し訳ありません。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

私の回答見ていますか?

(以下、前回の抜粋)
「また最初の病理結果にはly3、PgR 0、センチネルリンパ節に微小転移ありでしたが、無治療で大丈夫でしょうか?」
→勿論、無治療(前回の回答通り) 微小転移は予後には無関係です。

「この情報での再発率はどの程度でしょうか?」
→ほぼゼロでしょう。
 前回の回答でも「ほぼ根治なのだから」と記載しましたが、そういう意味です。

★質問者が「不安」でホルモン療法するのかは勿論自由ですが、私の「無治療」に変更は未来永劫ありません。

 
 

 

質問者様から 【質問4 】

治療方針について
性別:女性
年齢:39歳
病名:乳癌
症状:

以前、今後の治療について質問したものです。

度々、しつこい質問すみませんでした。

微小浸潤癌、ほぼ根治と言われているのになかなか自分の中で受け入れられなかったのだと思います。

田澤先生、この先癌の事を忘れて前向きに過ごして行っていいんでしょうか?
先生の患者さん達は皆さんどう乗り越えているのですか?
疾患的な質問じゃなく申し訳ありません。

 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。

「この先癌の事を忘れて前向きに過ごして行っていいんでしょうか?」
→その通り。

「先生の患者さん達は皆さんどう乗り越えているのですか?」
→時間が全てです。
 「時間薬」と言いますよね?