[管理番号:4908]
性別:女性
年齢:47歳
はじめまして。
今年4月初旬に乳がんの診断を受け、5月に右胸、乳腺のみを摘出する乳頭乳輪温存皮下全摘手術をカナダ、トロントの病院で受けました。
日本とカナダでは治療方針が異なることや充分な説明が医師から無いこと、又手術の日程が思ったより早くに決まったために自分自身この病気における知識がないまま手術を受けてしまったことを後悔しており、再度手術を受けなおした方がいいのかどうかを迷っています。
現在はカナダでセカンドオピニオンを受けられるかどうか、再手術を受けるなら日本に帰国し貴院で受けることが可能がどうかも含めてお聞きしたいと思っています。
以下長くなりますが、どうぞよろしくお願いします。
診断までの流れ:
?両胸に嚢胞あるいはしこりのようなものがあるらしく、30代後半から定期的に超音波とマンモの検診を受診。
いつも異常なし定期的な経過観察要といわれる。
?2015年10月に右胸上、外側にしこりを感じ、トロントのファミリードクター(家庭医)に相談し、細胞診/組織針をしてほしいと依頼するがマンモと超音波のみの検査で6か月間の経過観察といわれる。
2016年6月に再診し、再度細胞診をお願いするも超音波のみの検査で再度6か月間の経過観察といわれる。
2016年秋にはしこりが大きくなっていること感じ不安になったが、前回の検査より4か月しかたっておらず、診断を断られると思い我慢。
(今年4月に癌と診断されるまで実に18か月の時間を無駄にしました。)
?今年3月に通常の健康診断(胸部X線、血液、便、尿検査→結果異常なし)及び右胸超音波、マンモ、MRI, 組織針を受ける。
検査結果は右胸しこり3つのうち一つがDCIS、手術5月15日、左胸はしこりはあるものの、6か月ごとの経過観察といわれる。
医師からは温存+放射線あるいは全摘+(放射線の有無は術後の病理結果による)
の選択肢を与えられ、右胸にしこりが3つあることから温存にすると乳房がかなり変形するため、全摘を勧められる。
PETやCTなどの日本で一般的に行われる術前検査は一切なし。
術前検査の右胸しこり3つの大きさ: 2.3cm、
1.1cm、0.5cm、両胸ともにExtremely dense
breast,乳腺濃度が異常に濃いといわれる。
手術及び術後の経過:
?5月にトロントの病院にて乳頭乳輪温存皮下全摘手術を受ける。
リンパ郭清なしセンチネルのみ。
入院なしの日帰り手術で、自宅療養。
ドレーンは術後1週間でとれるも、ドレーンを抜いた直後に患部にナイフで刺されるような痛み、38度を超える発熱、患部から体液?(ネバネバしたオレンジ色のもの)が出始め、感染症を起こしていると診断される。
抗生物質の処方及び簡単な外科処置を施され、現在は患部にガーゼを挿入されており、毎日取り換える処置を行い現在に至る。
(傷跡がみにくく、鏡でみるたびに涙が出て落ち込みます。
余談ですが、こちらカナダでは個人が専門医に直接会うことはできず、
家庭医からの紹介状が必要で原則病院、専門医は選べません。)
疑問点:
1.NCCNのガイドラインでは乳頭乳輪温存全摘手術は近年10年くらいの間に欧米を中心に急速に普及するも、いわゆる全摘手術には値せず、温存手術に値する、信頼度は通常の全摘には劣り注意要と記載があります。
貴院のQ&Aも拝見しました。
私は癌を取り除きたいと思っていたので、温存手術は考えておりませんでした。
しかし全摘にも色々な種類があるとは知らず、しかも医学的証拠が低いこのような手術となり再発の不安をぬぐい切れません。
医師からは全摘に関する術前の説明はありませんでした。
術後医師からは、ほんの少ししか胸部組織はとれていないといわれました。
私の胸がとても小さいからだと思います。
再度、手術を受けて全摘した方がいいのではないかと思っていますが、どう思われますか?もし再手術を受ける場合、いつ頃受けるのがベストでしょうか?
2.針生検をした跡の皮膚が残ると局所再発の可能性が高まると聞きましたが本当でしょうか?貴院のQ&Aを拝見しました。
3.日本では断端部と癌細胞との距離が5ミリ以下だと陽性と判断されると知りました。
カナダの医師に聞くと2ミリが断端陽性の基準となり、私の場合は1ミリと3ミリで判断が非常に難しいが、放射線治療は無しとのことでした。
病理検査結果ではPosteriorが3ミリというのは胸筋までの癌との距離を意味しているのでしょうか?又DCISとの一番近い距離(しこりがあった部分と胸の皮膚表面までの距離?)が1ミリなので、医師は放射線治療がなければ、この部分のみ局所麻酔で皮膚を切開するというようなことを言っていました。
DCISの腫瘍があった
乳輪の外側に現在術中に縫った跡をわざと残しており、
この部分を取り除くといっているのだと思います。
このような処置、治療をどう思われますか?
4.しこり3つをとったものの、乳腺は全部取り切れているのかはこの病理検査結果からわかりますか?しこりは3つ合わせると5センチ近くになりますが、それでもステージは0期になるのでしょうか?
5.左胸にもしこりがありますが、右胸のように経過観察といわれています。
これも癌だったら、、という不安が常に付きまとっています。
今年の秋に検査といわれていますが、できれば組織針をしてほしいと思っています。
しかし断られる可能性が大きく、どうしたものかと思案中です。
1センチくらいの大きさのように感じますが、両胸ほぼ同時に癌になることもありますか?
6.病理検査結果は簡単に医師から説明がありましたが、疑問点が多く残り不安です。
特に断端が陽性なのか、陰性なのかがわかりません。
その他、この病理結果からわかる情報及びアドバイスがあればぜひともよろしくお願いします。
非浸潤性乳管がん(DCIS)、乳頭乳輪皮下全摘手術、腫瘍の大きさ28mm、ステージpTis→0期、センチネルリンパ節3つ摘出うち転移数0。
pN0(i-)→リンパ節転移無し。
核グレード2、DCISとの距離、前後方<1mmと
<3mm。
ホルモン受容体、HER2,Ki-67の情報はなし(現
在医師に調査依頼中です)。
乳頭は癌所見なし。
術後の病理結果(一部抜粋):
Diagnosis:
1.Breast, mastectomy(right, skin and nipple sparing):
?Ductal Carcinoma In Situ(DCIS), see synoptic report
?DCIS<1 mm from anterior margin
?Atypical ductal hyperplasia and flat epithelial atypia ?Lobular neoplasia (lobular carcinoma in situ/atypical lobular hyperplasia) ?Usual ductal hyperplasia, columnar cell change, fibrocystic change, fibroadenomatoid change, sclerosing adenosis ?Biopsy site reaction ?Fibroadenoma (at least
8mm) 2.Breast(right, nipple papilla):
?Negative for carcinoma
3.Soft tissue(right axillary):
?Fibroadipose tissue, negative for carcinoma 4.Lymph nodes(right sentinel):
?3 lymph nodes, negative for metastatic carcinoma(0/3) Synoptic Report:
Breast DCIS Specimen
Procedure: skin and nipple sparing mastectomy Lymph Node Sampling:
Sentinel lymph node(s) Specimen Laterality: Right Tumor Site; Upper outer quadrant Tumor Size(Extent)of DCIS, Size 28mm Histologic Type: Ductal carcinoma in situ Architectural Patterns: Cribriform and Solid Nuclear
Grade: Grade II (intermediate)
Necrosis: Present, central
Margins
Margins: uninvolved by DCIS
Distance of DCIS from Closest Margin: Distance is <1mm Closest Uninvolved margin: Anterior Distance of DCIS to Margins: Posterior 3mm Lymph Nodes Sentinel and Non-Sentinel Nodes Total Number of Lymph Nodes
Examined: 3 Micro/Macro Metastases: Not identified Number of Lymph Nodes with Isolated Tumor Cells: None Sentinel Node Biopsy: Performed Number
Examined: 3 Method of Evaluation of Sentinel Lymph Nodes:
H/E, multiple levels and Immunohistochemistry
Stage(pTNM)
Primary Tumor(pT): pTis(DCIS) Ductal carcinoma in situ
Modifier: (sn): Only sentinel node(s) evaluated Regional Lymph Nodes(pN):
pN0(i-): No regional lymph node metastases histologically, negative IHC Distant Metastasis(pM): Not applicable Additional Non Tumor Findings Additional Pathologic Findings: Atypical ductal hyperplasia Lobular
neoplasia(ALH/LCIS) Flat epithelial atypia Usual ductal hyperplasia Columnar cell change, fibrocystic changes, fibroadenomatoid change and sclerosing adenosis Fibroadenoma(at least 8mm) Biopsy site Comments:A specimen of intraductal proliferative changes are seen ranging from usual ductal hyperplasia to atypical ductal hyperplasia to ductal carcinoma in situ.
DCIS is present in 3 consecutive slices spanning up to 2.8cm. The largest extent of DCIS measured on a glass slide was16mm(block D4). Lobular neoplasia is also seen
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「再度、手術を受けて全摘した方がいいのではないかと思っていますが、どう思われますか?」
⇒非浸潤癌は本来「全摘で根治」なので、もしも「乳頭乳輪にこだわっていないのであれば全摘すべきでしょう。
「針生検をした跡の皮膚が残ると局所再発の可能性が高まると聞きましたが本当でしょうか?」
⇒実際に起こることは非常に稀ですが、気になるならば「その部分の皮膚を切除」する事もできます。
「病理検査結果ではPosteriorが3ミリというのは胸筋までの癌との距離を意味しているのでしょうか?」
⇒(正確に言えば)「摘出した裏面(大胸筋側となります)までの距離」となります。
つまり、大胸筋の上に組織が残っていれば「その残っている組織分+posterior」が「大胸筋までの距離」となりあmす。
☆非浸潤癌は乳腺内に留まっている筈なので、(手術時に)「きちんと乳腺を切除」していれば「posteriorは気にする必要はない」となります。
逆に言えば、「乳腺に切り込んでなければ」癌が残りようがないのです。
「このような処置、治療をどう思われますか?」
⇒本来、乳頭に近い部位に癌が有る場合は(そもそも)「乳頭乳輪温存は望ましい術式では無い」となります。
「ステージは0期になるのでしょうか?」
⇒非浸潤癌に「大きさは関係なし」です。
「両胸ほぼ同時に癌になることもありますか?」
⇒それ程珍しくはありません。
「特に断端が陽性なのか、陰性なのかがわかりません。」
⇒断端は陰性のようですが、その部分が「乳輪の外側」だという点が気になります。
「その他、この病理結果からわかる情報及びアドバイスがあればぜひともよろしくお願いします。」
⇒そもそも、「非浸潤癌」なのだから、「マージンを気にする必要はない」と思います。(きちんと乳腺組織を全部切除していれば、断端陽性になりようがないのです)
ただし、例外は「乳頭部」です。
ここには「例え断端陰性」だとしても乳腺が残っている以上、その部位に「癌組織が再発するリスクがある」わけです。
しかもこの場合、乳輪部(乳頭近傍)に癌があったわけですから、そのリスクをどう考えるかです。
決して「乳頭乳輪部に癌が局所再発するリスクが高い」と言っているわけではありません。
「乳頭乳輪部を切除」すれば、(低いとはいえ)「そのリスクにおびえる必要がなくなる」と言う事なのです。
質問者様から 【質問2】
田澤先生、お忙しいところ、ご返答ありがとうございました。
管理番号4908です。
疑問点が多々あり、ご助言をいただけると心強いです。
よろしくお願いします。
先週、主治医に会い、これで治療は一旦終了だといわれました。
次回の診察は10月です。
5月に乳輪乳頭皮下温存全摘手術を受けた際に乳輪の右上の腫瘍があった場所にまだ縫糸が残っています。
気になるならこの部分を切開するといわれていますが、おそらく10月の次の診察までこのままだと思います。
放射線治療、飲み薬なしです。
このまま半年近く放っておいても大丈夫でしょうか?
術後感染症は治まり、日ごとに患部は良くなってきているように思いますが、傷口は見るに耐えません。
これに加えて腫瘍のあった部分を部分切開すればさらに傷跡が残りますので、それならやはり少しでも局所再発の可能性が低くなるように乳輪も乳頭もとって、将来,再建することを考えた方がいいのではないかと思っています。
もし再度手術をする場合、いつ頃までにした方がいいでしょうか?やはり早い方がいいのでしょうか?仕事面で再度長期での休暇がとれるのか調整が必要になります。
先生にお願いする場合、8月や9月はこれからでも可能でしょうか?仕事は10月以降忙しくなります。
反対に来年の年明けというのは遅すぎますか?
現在は針生検した後の皮膚は切除した方がよいとのご意見でしたが、追加で乳輪乳頭をとる全摘の場合、皮膚も取られてしまい、胸筋のみが残るという理解でいいのでしょうか?将来の再建は問題ありませんか?
貴院のQ&Aを拝読した際に読ませていただいた管理番号4815「全摘乳房再建後に大胸筋に転移での相談です。」の方の全摘乳房再建後に大胸筋に局所再発のケースをみて本当に悲しく怖くなりました。
先日の先生のご回答では、
非浸潤癌は乳腺内に留まっている筈なので、(手術時に)「きちんと乳腺を切除」していれば「posteriorは気にする必要はない」となります。
逆に言えば、「乳腺に切り込んでなければ」癌が残りようがないのです。
とご返答があります。
やはりこの部分がなかなか理解が難しいです。
貴院のサイトを読んでいると本当に医師の
経験によって診断や手術内容が大きく異なることに衝撃を受けました。
私の個人的な情報(病理結果など)がない状況で先生がご意見を述べるのは大変難しいとは承知しておりますが、先月の手術でちゃんと癌細胞が取れ切れているのか、どのような手術だったのかがわかりません。
乳腺をきちんと切除されているかどうか、乳腺に切り込んでいないかどうかの確認はどのようにすればわかりますか?病理検査結果からわかりますでしょうか?
先日貴院にお送りした病理結果は一部抜粋で、お伝えしておりませんが、別紙にどのように組織が取り除かれ、
インクの色なども記載されている箇所があります。
私が一番知りたいのは追加手術が必要なのか?どの程度必要なのかです。
日本人の12人に一人が乳がんになると聞きました。
これは8.3%の確率で、私はのこの中の一人です。
2か月前までこの病気にかかる前は大きな数字ではありませんでしたが、今の私にとって8%は大きな数字です。
再発しないかどうかが気になります。
左胸にもしこりがあるため先週主治医に会った際に生検をしてほしいとお願いしましたが、前回の検査の半年後にあたる9月まで待つこと、生検は無しで超音波のみの検査といわれました。
3月の検査結果ではBIRADS3です。
今回の右胸も3でしたが結果はDCISで手術となった経緯から心配です。
すでに浸潤癌になってはいないか?
と正直心穏やかではありません。
貴院に入院する場合、
左胸の検査(生検含む)から右胸の追加手術、病理検査結果までの一連の全ての期間はどれくらいかかりますか?私は東京に身内がおらず、遠方なのでホテル滞在になります。
帰国後すぐに貴院に入院できるのでしょうか?
職場及び航空券の手配の関係から入院の期間と治療期間のだいたいの目安を教えていただけますか?
先生の手術では全摘+腋下郭清でもドレーンは無しですか?私の場合、右側のセンチネル生検は再度必要でしょうか?又、もし左のしこりを摘出あるいは全摘となった場合はどうなりますか?
全身のCTスキャンは被爆量が多いと聞きましたが、CTでなくても一度全身を見てもらいたいという気持ちがあります。
カナダでは必要最低限の検査しかうけさせてもらえないためです。
可能でしょうか?
先生にセカンドオピニオンを正式に伺うことは可能でしょうか?こちらから貴院に送金し、これまでの検査結果のCDや必要書類もお送りし、こちらの病院での術後の細胞組織をお送りするとか。。。
先日病院に聞くと術後
20年間病理組織は保管されると確認しました。
最後に現在は手術後なので、癌所見はなしとみなされると思いますが、通常の保険適用でお願いできますか?
これから調べますが、国民健康保険の3割負担が適用できると思います。
まとまりのない文で申し訳ありません。
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
全摘なのに、局所再発(大胸筋面)が起こってしまう仕組み(本来あってはいけないものです)について説明が必要です。
しかも、非浸潤癌ならば(乳腺に切り込まなければ)『残り様が無い=局所再発などありえない』から尚更です。
そのために、前回のコラム『今週のコラム 85回目 ○この層構造の理解が、「皮膚側断端」「深部側断端」の理解に役立つのです』を記載しました。(序章として、乳腺の層構造を図解しました)
次回の86回目に「実際の手術で、深部断端はどのように作られるのか?」を説明します。
「先日貴院にお送りした病理結果は一部抜粋で、お伝えしておりませんが、別紙にどのように組織が取り除かれ、インクの色なども記載されている箇所があります。」
⇒残念ながら、
まだ私のもとには届いていません。
「私が一番知りたいのは追加手術が必要なのか?どの程度必要なのかです。」
⇒標本が届いていない(郵便?)のでコメントできません。
秘書メールで問い合わせてもらえば、(到着して)「確認し次第、回答」します。
「帰国後すぐに貴院に入院できるのでしょうか?」
⇒それはできません。
必ず1度は外来受診が必要となります。
「貴院に入院する場合、左胸の検査(生検含む)から右胸の追加手術、病理検査結果までの一連の全ての期間はどれくらいかかりますか?」
⇒具体的に言うと
①外来受診日
この日に左胸のマンモトームをして、更に(右胸の)手術の「術前検査」、説明同意書、入院案内まで全てしてしまいます。
②「外来受診日」から1週間後
「左のマンモトームの病理結果」がでます。
これにより、(もしも左も癌なら)両側の手術に変更も可能です。
♯この日は「外来受診」でもいいし、メール等で連絡し「受診なし」でも構いません。
③手術前日入院
④手術
⑤手術翌日退院
上記①~⑤までは
①~②までは1週間
②~③までは、最低でも1週間程度
③~⑤は3日間
術後病理が出るのは(非浸潤癌であれば3週間はかかりません)
合計で最短「1カ月半」でしょう。
♯ただし、病理結果まで居てもらう必要はなく、病理結果は郵送でも可能です。
(術後創部の処置は不要です)
「先生の手術では全摘+腋下郭清でもドレーンは無しですか?」
⇒その通りです。
「あらゆる手術」で、この4年間、ドレーンを入れた事は「1度もない」のです。
(例外はありません)
「私の場合、右側のセンチネル生検は再度必要でしょうか?」
⇒非浸潤癌が確定しているので「不要」です。
「又、もし左のしこりを摘出あるいは全摘となった場合はどうなりますか?」
⇒両側手術でも可能です。
「CTでなくても一度全身を見てもらいたいという気持ち可能でしょうか?」
⇒必要は無いと思いますが、
ご希望ならできます。
ただし本気で全身検索するとなると(CTやPETとなるので)被爆は避けられません。
「先生にセカンドオピニオンを正式に伺うことは可能でしょうか?
こちらから貴院に送金し、これまでの検査結果のCDや必要書類もお送りし、こちらの病院での術後の細胞組織をお送りするとか。」
⇒可能です。
もしもご希望なら秘書メールがいいでしょう。
「最後に現在は手術後なので、癌所見はなしとみなされると思いますが、通常の保険適用でお願いできますか?」
⇒これは可能です。
乳癌の病名があるので大丈夫です。(温存術後の再手術などもこれにあたります)
秘書室へメールは、
各ページの右上にある 「秘書室へメール」からご相談ください。
もしくは、こちらのリンクをクリックしてください。
質問者様から 【質問3】
5月に乳頭乳輪皮下全摘手術をカナダで受けました。
性別:女性
年齢:47歳
田澤先生、先般より貴院の秘書室を通して診察のアレンジ等をお願いしているものです。
いつもお忙しいとこ
ろ、ご丁寧に対応していただきまして有難うございます。
心よりお礼を申し上げます。
本日は2点ほど、伺いたい点がありこちらのフォームよりご連絡を差し上げております。
よろしくお願いします。
1.左胸の新たな症状について
5月に右胸DCISの手術を受けましたが、左にも4つしこりがあります。
3月の診断ではBAIRAIDSは3となっています。
今までは自分で触ってもしこりを感じることはなかったのですが、6月頃から感じるようになりました。
最近は乳輪の時計12時のあたりを押すと弾力性に欠け、くぼみというか、へこんだままですぐに元に戻りません。
気持ち悪いです。
いままでこのような症状はありませんでした。
ちょうどしこりを感じる部分がこのようなへこみがあるのですが、これは何か悪い症状なのでしょうか?
二つ目は5月に受けた病理サンプルの件です。
先生からは下記の回答をいただきました。
”腫瘍が残存しているのか正確にしりたい」というご本人の希望をかなえるには「50枚あるスライドのセカンドオピニオン」となります。
その場合には、「病理のセカンドオピニオン」⇒「病変の残存の可能性の再評価」⇒「再手術が本当に必要なのかの相談」となります。
手術で腫瘍が取り切れているのかの再評価(病理のセカンドオピニオン)はせず、(リスクを回避するという目的で)「乳頭乳輪部及び(残存しているかもしれない)乳腺の切除」を行う。
○ご本人が「もしかして残っていたら…」と不安なのであれば、それを解消するのは2でもいいとは思いますが、
どうしても「本当に残存している可能性があるのか?」
と突き止めたいのであれば、1となります。
♯1と2の中間はありませんので、どちらがご希望なのか良く考えてみてください。
上記のお返事より、私自身よくわからない点があります。
1.病理サンプルを再評価するのは、かなり稀なことだと思います。
私が手術を受けた病院は大学病院と提携しており、病理結果も同じ院内で行っています。
かなり設備の整った病院だと思いますが、これだけ大きな病院の病理結果に間違いあって、実はDCISではなく浸潤癌だったという可能性は考えられますか?私は断端が前方1ミリ未満、後方3ミリ未満で乳頭乳輪温存手術、術後は無治療というのが気になっています。
また、癌の取り残しがないか不安があるのも事実です。
2.病理サンプルのプレパラートを50枚貴院にお送りして、万一病理結果に間違いあり、浸潤癌だとなると、
ホルモン治療や抗がん剤をこれから始めるということになるのでしょうか?私は先生の仰る通り、再発のリスクを回避するという目的で「乳頭乳輪部及び(残存しているかもしれない)乳腺の切除」を行う方向で考えていますが、この場合でもやはり病理サンプルはお送りした方がいいのでしょうか?先生に追加手術をしていただいて、その病理結果から現在の私の癌の状況を判断していただくことは可能ですか?
追加手術をすることを考えているのであれば、病理サンプルを送った方がいいのかどうかがわかりません。
又、
左胸の4つのしこりもマンモトームを受けたいと思っているので、この検査結果も考慮することになります。
3.セカンドオピニオンの予約は3週間ごとと決まっているのでしょうか?
以上、どうぞよろしくお願いします。
田澤先生から 【回答3】
今日は。田澤です。
物事はシンプルに考えましょう。
1.(現在の病院の)病理結果(断端に対する評価)が本当に正しいのか?
⇒当院でプレパラートを再評価
2.(もしかして)癌が残っていたら怖いから、(もしかして残存していないかもしれないが)リスク回避のために乳頭乳輪部を切除したいのか?
⇒(病理の再評価は不要であり)手術を行う
○質問者は勘違いしているのかもしれませんが、「上記1と2は全く別物」なのです。
摘出した標本をいくら見ても、「現に、身体に癌が残っているのか?」は永久に解らないのです。
つまり「断端陽性」であることと、「実際に身体に現に癌組織が残っていること」は同義ではないのです。
♯断端陽性で再手術をしても「結局、癌は残存していなかった」ということは珍しい事ではないのです。
「左胸の4つのしこりもマンモトームを受けたいと思っている」
「セカンドオピニオンの予約は3週間ごとと決まっているのでしょうか?」
⇒そもそも「マンモトームを受ける」のであれば、「セカンドオピニオンではなく、(通常の)診察」となります。