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病理診断や手術について

[管理番号:6162]
性別:女性
年齢:53才
具体的な治療の質問ではないのですが、教えて欲しい事があります。
標準的な乳癌の手術と神経内分泌腫瘍の手術の術中や術後の組織等の検査(腫瘍マーカー?)の違いを教えて下さい。
そして流れに置いて何か違いがありましたら教えて下さい。
通常の乳癌では、術中判断では腫瘍や身体の中に対してどのような検査(多分に組織を
マーカーや染色でみるのだと思われますが)をして術後には摘出した腫瘍に、どのような検査(組織検査と同じマーカーや染色ですか?)をするものなのでしょうか?
これに
対して、同じく神経内分泌腫瘍にはどのような検査をするのでしょうか?
少し必要があって勉強しております。
それからADHと言うのは、目には見えない癌なんでしょうか?2mm以下との事ですが、それは術中或いはct等の画像では認識出来ないものなのでしょうか? (以前にNECでADHが残っており再手術になったとする事柄を田沢先生のブログで見ております)この場合、残っているとする判断に置きまして、摘出した腫瘍の組織検査で判断したのでしょうか?それとも術中に身体中を調べられるものなのでしょうか?
そしてその検査とはSY、CGA、CD56、ER、PgR、HER2などですか?
この場合、摘出された腫瘍に対しての通常の乳癌の検査に上乗せして神経内分泌系の検査を(多分に組織をみるものだと思われますが)するものなんでしょうか?
 通常の神経内分泌腫瘍の検査では、まず癌細胞があるかどうかをみて、あった場合、
次に組織にサク状やリボン状等の異形型があるかをみて、SYやCGA、CD56で染色し、ERやHER2やpgp、Kiー67指数を調べる方法でいいのでしょうか?
また、そこで悪性とする癌細胞が認められない場合、異形型があってもSY等の染色やER以降の検査は行わないものなのでしょうか?更に再手術はしないものなのでしょうか?
仮に悪性の癌細胞が認められない場合でも染色でカルチノイドである事が判明した場合、手術でいいんでしょうか?
神経内分泌腫瘍は、旧カルチノイド腫瘍であり、悪性の癌細胞がでないガンモドキと
昔は言われたそうですが、良性の腫瘍という事で、やはり異形型は出ても悪性の癌細胞がでない事もあるんですよね?
とり残しにADHがあった場合、その小さな腫瘍に旧カルチノド腫瘍の要素がありガンモドキと言われるように悪性の癌細胞を持たなかった場合、術中でそれをとりきる手術
はしないものでしょうか?或いは、術後の腫瘍をみてADHがみつかっても悪性の癌細胞を持たないと再手術はしないものでしょうか?また術中にしろ術後にしろADHも
SY、CDA、CD56のマーカーでいいんですよね?他に何かありますか?NETやNEC、ADHは全て同じ旧カルチノイドでいいんですよね?
全て同じ腫瘍マーカーや染色でいいんですよね?(SY、CGA、CD56で?)
中途半端な質問で申し訳ありませんが宜しくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「通常の乳癌では、術中判断では腫瘍や身体の中に対してどのような検査」
→術中に検査は行いません。
「術後には摘出した腫瘍に、どのような検査(組織検査と同じマーカーや染色ですか?)をするものなのでしょうか?」
→普通のHE染色だけです。
 あとはサブタイプのために免疫染色するくらいです。
「神経内分泌腫瘍にはどのような検査をするのでしょうか?」
→特にかわりありません。
「ADHと言うのは、目には見えない癌なんでしょうか?」
→低異型度の癌があるが(癌と診断するには)小さすぎて(2mmが基準)癌とまでは診断しきれないものをいいます。
「それは術中或いはct等の画像では認識出来ないものなのでしょうか? 」
→全く認識できません。
「それとも術中に身体中を調べられるものなのでしょうか?」
→そんなことは全くできません。
「通常の乳癌の検査に上乗せして神経内分泌系の検査を(多分に組織をみるものだと思われますが)するものなんでしょうか?」
→しません。
「通常の神経内分泌腫瘍の検査では、まず癌細胞があるかどうかをみて、あった場合、次に組織にサク状やリボン状等の異形型があるかをみて、SYやCGA、CD5
6で染色し、ERやHER2やpgp、Kiー67指数を調べる方法でいいのでしょうか?」

→癌で無い限りはサブタイプは調べません。
 癌が(HE染色で組織型が絞りきれない際に)「神経内分泌分化をしているのか?」追加することはあります。
「そこで悪性とする癌細胞が認められない場合、異形型があってもSY等の染色やER以降の検査は行わないものなのでしょうか?」
「更に再手術はしないものなのでしょうか?」

→その通りです。
 
 

 

質問者様から 【質問2 炎症と肉下種の治療について】

性別:女性
年齢:53才
複雑な状況に置き、お教え下さい。
宜しくお願い致します。
以前に癌細胞がとれず画像上には腫瘍があり、非常に不調でしたので、抗がん剤治療を
希望し治療をしたところジ徐々に抗がん剤が効いて9カ月くらいで腫瘍がほぼ消えました。
(PEM上ではまだ残っているので現在も化学療法中です)
ところでADHの組織検査はどのようなものをするのでしょうか?
まず癌細胞かどうかをみる。
次にSY、CDA、CD56
次にER、prg、HER2、ki-67でいいのでしょうか?
悪性細胞かどうかをみるのには、HEでしょうか?
その他ADHはどのような項目で調べるものなのでしょうか?
あと、癌細胞が認められず炎症は認められたのですが、(再発です)私は以外と癌が悪化している時には自分の身体上の不調から癌であると判断がつきます。
また肺に細かい腫瘍があり、それは病理で肉下種の疑いがかかりました。
炎症や肉下種の治療も希望しているのですが、ステロイドでいいのでしょうか?
乳腺外科ではステロイドの治療はやっていないという事で、困っているのですが。
またステロイドだとしたら、何のステロイドをどのくらいの期間で試みればいいのでしょうか?肺に関しては呼吸器科に行こうかと考えております。
問題の炎症の乳腺では、どうしたら良いのか分かりません。
乳腺外科で乳房に炎症がある時には、どのような治療が他にありますか?また肺転移?
の肉下種ならばどのような治療がありますか?
これまでの経緯で抗がん剤でほぼ腫瘍が消えたとするところと、未だに悪性腫瘍と認められないので、過剰治療となり化学療法をSTOPしなくてはならなくなるのではないかと不安です。
化学療法をSTOPすると非常に胸が痛くなり不調になりますので。
また癌が広がるような気がします。
更に、骨シンチでは骨転移の疑いがかかっておりますが、医師側は違うといいます。
今後の事が不安です。
因みに画像上腫瘍が出た時の細胞診は針生検とマンモトームをしました。
治療を中止するとやはり不調になるので、今も化学療法をしておりますが、抗がん剤治療が苦しくて今は分子薬です。
完全寛解はしませんが、かなり腫瘍が抑えられており不調は少ないです。
とにかく過去抗がん剤が効いたという事は、癌ですよね?
お教え下さい。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
メール内容を読みました。
正直、私がコメントに値する診療内容ではありません。
敢えて、コメントをするとすれば・
癌の診断が確定しない限り抗癌剤使用はありえない。
肺の肉芽は(肉芽腫性乳腺炎とは異なるので)そもそも治療対象でもない。
 
 

 

質問者様から 【質問3 肉芽腫の治療を希望】

性別:女性
年齢:53才
これまで、複雑な状況に置き妙な質問ばかりで申し訳ありませんでした。
今回、治療を進める為に焦点を絞って新たにご相談したく思いますので宜しくお願い致します。
現在、私は炎症性黄色肉芽腫瘍のようです。
詳しくは乳腺原発神経内分泌腫瘍を疑う合併にて炎症性黄色肉芽腫瘍です。
神経内分泌系に置きましては世界広しと言えども未だに明確に出来る施設も医師もおりませんので、これについては現在の病院で自分なりの拘りもありますので治療を進めて行きたいと思っております。
(非常に複雑な経緯があり治療云々より理解して頂くに難しい現状ですので)
問題の炎症性黄色肉芽腫瘍についての相談なのですが、先生がこの病気で他の方にコメントしているように、これを判断し治療が出来る医師はそれほどいないと思われます。
今回、私はこの治療を希望しております。
セルロイドは勿論の事ですが、ドレナージやマンモトーム?で治療が出来るならば本格的にこちらの治療もしたく思います。
そこで、田澤先生のおっしゃる通り、この治療が出来るところは田澤先生だけですよね。
セルロイドならば何とか今のところでも出来ると思うのですが、ドレナージやマンモトーム?の治療は経験者でないと出来ないと思います。
そこで、炎症性黄色肉芽腫瘍の治療を先生のところで希望しております。
この病気だけの診療は可能でしょうか?
先生は肉芽腫に力をいれておられるようで、治療が可能ならば有難く期待しております!!
宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
私には(申し訳ありませんが)質問者の状況が全く不明です。
肺によくある(過去の炎症による)肉芽と肉芽腫性乳腺炎は全く異なるものです。
「先生は肉芽腫に力をいれておられるよう」
⇒全くの勘違いです。
 私は「石灰化」の専門家でも、「乳頭分泌」の専門家でも「葉状腫瘍」の専門家でも何でもありません。
 あくまでも「乳癌診療に(当然ながら)一番の優先度をおいた」普通の乳腺外科医です。
 ○肉芽腫性乳腺炎は「あまりにも、まともに診療している乳腺外科医が少ないので」それを嘆いているだけにすぎません。(決して、私が肉芽腫に力を入れていることはありません。私の全診療の1%以下ですよ)