[管理番号:3318]
性別:女性
年齢:66歳
シコリを見つけた2ヶ月前から、毎日ホームページQ&Aを欠かさず読んでおり、
一度は先生に手術をして頂きたいと願った者です。
遠方で諸事情があり断念し、近くの病院で(針生検無し・骨シンチ有り)全摘し、2週間後の病理結果を聞きに行きましたが、未だ詳しい結果が出ていないとのこと。
今の時点でわかっているのは、ステージ3段階のうち“3”たちの悪いガンなので、抗がん剤は確実と言われました。
術前ではステージ2Aで温存も可から、大事をとって全摘にしたのに、進行性のものなのでしょうか?術前の針生検無しが最悪の事としておこりそうです。
いきなりぶしつけな質問であることはわかった上で、私の余命は低いものでしょうか?
先生の御言葉が欲しいです。
詳しい病理結果がでたら又教えていただきたいです。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
さすがに、「情報量が限られて」いて現時点でのコメントは難しい状況です。
「ステージ3段階のうち“3”たちの悪いガンなので、抗がん剤は確実」
⇒そもそもがステージは4まであります。
「性質の悪い癌」というのは「グレード」の事をいっているのか「サブタイプ(術前針生検を行っていないので、術前には不明だった筈です)」の事をいっているのかも不明です。
病理結果が完全にでるまでは「余計なこと」は考えない様にしましょう。
「大事をとって全摘にしたのに、進行性のものなのでしょうか?」
⇒「センチネルリンパ節生検を行った」のでしょうか?
それとも「最初から腋窩郭清」だったのでしょうか?
●いずれにせよ、考えるべき事は「予後の予測」ではなく、「サブタイプに応じた術後療法」です。
やるべき事をやるようにすることが、それが大事なのです。
質問者様から 【質問2】
管理番号〈3318〉
先日は的確なお言葉をありがとうございました。
お返事下さったことに感激しております。
(前にも何度か質問しようと開いたらクローズになってしまっていたので)動揺したまま慌てて送ってしまい、ご無理を申しました。
その後、病理検査の結果を再度聞きに行って参りましたが、今度はFISH待ちで、Q&Aも待つことに。
しかしながら、先月末の先生の解答(田澤先生の解答を読むと心落ち着くのに)のない日に、他のサイトを色々見てしまい恐怖にかられてしまいました。
術後、吐き気・痛み・喪失感で4キロ痩せ、その上、抗がん剤宣告。
主治医は「グレードやKiが高いことから、アメリカ式のきつめの抗がん剤をやります」
「元気なら80歳でもします」に、帯状疱疹になってしまい(田澤先生もご経験済みのようで)私の年齢では神経痛になって残ってしまうことが多いと言われてしまいました。
今もリリカを服用しています。
こんな怖がりのストレスに弱い人間が、抗がん剤に耐えれるか不安がつきないです。
〈3303〉の方と私が近い
と思い(FISHが陽性でも)ホルモンのみはリスクが高いでしょうか?
〈全摘、センチ手術〉
ステージ 1
大きさ 20㎜
リンパ節 0/2
ER 8
P&R 2
HER2 2+
グレード 3
Ki67 32.5%
田澤先生、ご解答宜しくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
pT1c(20mm), pN0, luminal
早期乳癌です。
「主治医は「グレードやKiが高いことから、アメリカ式のきつめの抗がん剤をやります」
⇒わざわざ脅すような言い方をする意味が全く不明です。
Luminal type であり、「きつめ」に行う理由がありません。
Ki67=33%はそれ程の値ではありません。
グレードも含めて「OncotypeDXをすれば、低もしくは中間リスクとなって抗ガン剤が不要」となる可能性も十分にありそうです。
HER2がFISH陽性となれば、抗HER2療法(非アンスラサイクリンレジメン)は必須と思いますが、FISH陰性の場合にはOncotypeDXをしてみることをお勧めします。(担当医の無闇に脅すような言い方を払しょくするためにも)「OncotypeDXでの客観的数値」を手にいれましょう。
「(FISHが陽性でも)ホルモンのみはリスクが高いでしょうか?」
⇒高くはありません。
ただし、「抗HER2療法は最良のターゲット療法」だから検討する価値はあります。
(非アンスラサイクリンレジメン、特にweekly PTX+HERであればそれ程副作用はありません)
○FISH陰性の場合には、このままでは微妙(年齢を考慮して抗ガン剤無しでもいいとは思いますが…)なので、是非OncotypeDXをしてみてください。(具体的な数値がでて迷いがなくなります)
質問者様から 【質問3】
田澤先生、御回答いただき本当に有りがとうございます。
FISHが出るまで何度も読み返し心落ち着けておりました。
結果は陰性でした。
ホッ!(つかのま)悩みはつきません。
「抗がん剤はやりたくない」ことと、
「オンコタイプ」のことも主治医に相談しました。
抗がん剤については、再発すると根治はできません。
延命、緩和の為に命が
つきるまでエンドレスの治療が続きます。
術後化学療法なら3ヶ月です。
オンコタイプは、ほとんどする人がいなくて、(年に一人くらい)「やりたくない」と言う強い意思があるのならしなくてもと言われて、また、動揺が始まりました。
病理結果も乳頭腺管癌と、言われていたのが、充実腺管癌で、グレード3はスコアが三つとも3というものでした。
これでもオンコタイプの結果が、
低、中で期待できるものでしょうか?
田澤先生が勧めて下さるならしようと思います。
待つ間、ホルモン単体でも、もう始めた方がよいでしょうか?(今で術後2ヶ月近くになります)
また動揺しながらの文章でお許しください。
どうかご解答宜しくお願い致します。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「担当医が、質問者を脅してまで化学療法をしたがる」理由は私には全く理解できません。(気にしない様にしましょう)
それほど、担当医がへそ曲がりならば、なおのこと「OncotypeDXしておく」ことを、
より勧めます。
○そのような医師には「客観的な数字を見せる」しか方法がないでしょう。
「オンコタイプは、ほとんどする人がいなくて、(年に一人くらい)」
⇒当院だと、月に複数名いらっしゃいます。(ちなみに、本日もご希望された人がいたのでオーダーしています)
私が思うに…
確かに高額な検査ですが、根拠があり(ER, PgR, HER2, Ki67,などから無理やり絞りだすより、それらを含む15の遺伝子の発現で導き出します)しかも「数字に説得力がある」ように思います。
患者さんは「やるべき事はやる」し「不要なことはしない」と「迷いから解放」されて『納得いく治療に前向きになれます』
「これでもオンコタイプの結果が、低、中で期待できるものでしょうか?」
⇒その通りです。
勿論「高リスクの可能性も約1/4」あります。(その場合には、十分納得して化学療法を選択することです)
「田澤先生が勧めて下さるならしようと思います。」
⇒是非、行ってください。(このまま担当医に納得いかないまま押し切られてしまうことだけは避けてください)
「待つ間、ホルモン単体でも、もう始めた方がよいでしょうか?(今で術後2ヶ月近くになります)」
⇒そこは拘らなくても大丈夫です。
質問者様から 【質問4】
田澤先生 こんにちは。
お忙しい中、優しく丁寧に回答下さる先生に 心から尊敬し感謝申し上げます。
先生に勧めていただいたオンコタイプDXの結果は、笑ってしまうほどの ぶっちぎりの高リスクでした。( 泣)
よほど悪性なのでしょうか!? 対側のリスクも高いでしょうね?
PgRも陰性だったのがオンコタイプでは、陽性だったことから、そもそもki67も32だったのだろうかとか、まさか?何かの間違いであってほしいとなかなか納得出来ませんでした。
でも、「やるべき事はやる」の先生の、
お言葉に先導されてTC療法始めました。
味覚障害 便秘 下痢に続き高熱が出て三日間寝込んだ後の血液検査の結果
ALPが 700 を筆頭に肝機能の数値が大変な事に!
主治医は抗菌剤があわなかったとかで、(本当にそうなのでしょうか?)
薬を変えて300に下がっているので大丈夫ということで(本当に大丈夫なのでしょうか?) 2クール目へ。
翌日、
注射を打ちに行きました。
これは先生の病院でもされているとゆうことで勝手に今回は少しは楽になるのかと思いきや1クール目より色々症状が早くから出て 熱が出てからはだるくて無気力で又、寝こみました。
又 抗菌剤を5日間も飲んでおくよう言われ、肝機能が心配です。
それと ジーラスタのことですが 先生は(24h後)の投与と書いておられますが、 私の場合17hしかたっていません。
これは効果がない?もしくは?
もうこの先不安ばかりです。
やはり私には、きついです。
止めるなら今!がよぎります。
先生、やはり、こんな高リスク(オンコタイプ)では止めたら、駄目ですよね?
あと2回頑張ったほうがいいのでしょうか?
先生のご回答頂きたいです。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
Oncotype DXで高リスクでしたか。
それは残念でしたが、「それだけ上乗せがある」ことも確認できたと思います。
ここは「あと2回」頑張るべきです。
「抗菌剤を5日間も飲んでおくよう言われ、肝機能が心配」
⇒肝臓には頑張ってもらって(少しの期間です)きちんとRDIを守る方が重要です。
「ジーラスタのことですが 先生は(24h後)の投与と書いておられますが、 私の場合17hしかたっていません。」
⇒これは24h以降を守るようにしましょう。