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腋窩リンパ

[管理番号:7277]
性別:女性
年齢:40歳
病名:乳がんの可能性
症状:腋窩リンパの腫れ

半年前に乳がんのエコー検査で半年後要再検査と診断が出まして、今月再検査を受けました。

その際のエコーで、腋窩のリンパが39ミリ×14ミリと腫れており、血流もプラスとかなり成長していました。

(管理番号:2087「脇の奥のしこりについて」の質問の先生が1番最後に貼り付けた転移性リンパ節に形もよく似ております)
しかし、乳房にはがんらしきものは見当たらないとの診断でした。

石灰化は前回より多少増えているとのことです。
この場合、石灰化が増えていても乳がんの可能性は低いのでしょうか。

腋窩リンパがここまで腫れており、良性の可能性はあるのでしょうか。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「腋窩リンパがここまで腫れており、良性の可能性はあるのでしょうか。」
→腋窩リンパ節は「大きさ」ではありません。

 乳腺外科の専門医が見れば「意味のあるリンパ節なのか?」解るはずです。
 そして、もしも「癌が否定できない」場合には(経過観察などではなく)「細胞診が必要」となります。

「石灰化は前回より多少増えている」「石灰化が増えていても乳がんの可能性は低いのでしょうか。」
→この情報だけでは判断は不可能です。

 少しでも癌の可能性があるのならST-MMTすべきです。
 ★一般論としては「癌なのか、どうか?迷う程度の所見」であれば、(万が一それが乳がんでも)「リンパ節転移を伴う状況ではない」ことは事実です。

 
 

 

質問者様から 【質問2 腋窩リンパ】

性別:女性
年齢:40歳
病名:乳がんの可能性
症状:腋窩リンパが腫れている

田澤先生 こんにちは
早速のご回答をありがとうございました。

初回質問時より1週間迄残り1日ですが、検査が(下旬)日と迫っている為
本日の質問お許し下さい

前回の質問の際に書き損ねましたが、今回の検査結果について、乳腺外科の専門医より
90%悪性の何かだと思うが、それが乳がんか?と聞かれると90%より確率は若干おちる。

と言われております。

前回の質問にも記載しました通り、乳房にがんらしきものは見当たらないとの事でした。

(でも、腋窩リンパのエコーを見ながら)乳がんだと思うんだけどなぁ…と何度もつぶやいていました。

そこで質問なのですが、
1・マンモ・エコーで検査しても見つからない乳がんはあるのでしょうか
2・今回、田澤先生のご返答に少しでもがんの可能性があるのならST-MMTを行うべき
と記載がありますが、それは既にある石灰化に対してST-MMTを行うべきということでしょうか
3・(下旬)日に行う検査は針生検です。
乳房にがんの気配がないので、リンパを調べるとのことでしたが、田澤先生でしたら、腋窩リンパの画像をみれば、そのリンパの腫れが転移性の物なのか、または悪性リンパ腫のようなリンパ単体のがん、又は腫瘍なのかは
判断可能なのでしょうか

90%悪性と言われていますが、その原因が「たぶん乳がん・・・だと思うけど違うかも」
と言われており正直不安です。
乳がんだと思うけど、乳房にはがんの気配がない・・・でも、乳がんだと思う。
とは、どのような状態なのでしょうか。
私は何の検査を受けるべきなのでしょうか。

不安なまま自分の命を預けることは避けたいので、田澤先生に質問させて頂きました。

宜しくお願い致します

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「乳腺外科の専門医より90%悪性の何かだと思うが、それが乳がんか?と聞かれると90%より確率は若干おちる」
→これは「前回、記載すべき」内容でしたね。

 ★検診の場で技師さんが、全く「どうでもいいリンパ節」を「リンパ節腫大」と記載していることに辟易していたので、今回も「大いに」その先入観をもっていました。(大変、失礼しました)

〇私がこの状況で診察する場合に進めていく診療をお示ししましょう

 状況
 1.乳腺に癌の所見がない(石灰化が結局「癌」だったとしても、リンパ節転移とはおよそ無関係と判断できます)
 2.腋窩に(画像上)「転移を疑わせるリンパ節」がある。

 ①腋窩リンパ節の組織診(針生検)
 ②(もしも癌と確定したら)全身検索
 ③(癌ではなく、悪性リンパ腫を疑う所見ならば)やはり全身検索

 ★ただし悪性リンパ腫ならば、(片側だけではなく)両側の腋窩が腫大するので、
(今回その記載がないので、片側だけの所見だと推測すれば)悪性リンパ腫ではないでしょう。
  →(そもそも)両側腋窩リンパ節腫大の場合には、順番として「全身検索(PET)」→(全身のリンパ節が腫大なら)→「血液腫瘍内科」紹介→(血液腫瘍内科より依頼を受けて)「腋窩リンパ節の外科的生検」の流れとなります。

 ★★つまり、今回(全身検索なしで)腋窩リンパ節の組織診をするということは
(片側だけだから)「(その医師は)悪性リンパ腫を疑っていない」のだと想像します。

①で転移性リンパ節の病理診断
②で他の部位に取り込み無
   ↓
 (腋窩と同側の)乳腺に癌を思わせる所見がない 注)
 その場合、どうするか?
  (部位不明の)乳癌と診断し、治療として 温存乳房切除(腋窩に近い部位の乳腺を部分切除)もしくは全摘(病理で癌細胞が出ない可能性も了承の上)+腋窩郭清
 を施行します。
 ♯このようなケースは(珍しいとはいえ)数例、経験があります。(私の数例ということは1/1000の確率ということです)
 

注)いよいよ、乳腺に(本当に)異常がないのか? MRIを含めて大検索となります。
  石灰化しか所見が無ければ、(怪しくないとしても)ここでST-MMTをせざるを得なくなります。

★今回、「お知らせ」でも紹介しました。(ご参考に)