乳がんは早期発見、早期治療を目指しましょう。乳がん手術は江戸川病院|乳がんプラザ

[管理番号:6920]
性別:女性
年齢:42歳
病名:
症状:アポクリン癌

はじめまして。

いつも勉強させていただいております。

今回、田澤先生のご意見を伺いたく、質問させていただきました。

11月(下旬)日に右乳房の摘出手術を予定しております。

以下、術前検査でわかっている情報です。

詳細なデータでは頂いていません。

ステージⅡa。

しこりの大きさは3cm弱。

横に長く、その横の長さが3cm弱です。

しこりの境目は明瞭。

とうしょ嚢胞内癌(非浸潤の可能性もあり)と言われていました。

瓢箪型のようで、エコーと造影CTによるリンパ節転移は疑われていません。

造影MRIでは浸潤癌との判定でした。

マンモトーム生検の結果、トリプルネガティブのアポクリン癌。

3つとった組織からは浸潤癌は見つからなかったそうです。

アポクリン癌というのを初めて聞いたため、ここを含め色々と調べました。

トリプルネガティブに衝撃を受けましたが、おとなしいものが多いようでホッとしていたのですが、今後の治療を担当医から説明され凄く悩んでおります。

田澤先生のご意見を聞かせてください。

担当医からの説明。

摘出手術。
乳頭近く、乳頭を残せないため。

この大きさだと浸潤径は2cmを越えていると思われる。

そのためステージはⅡa。

トリプルネガティブなので術後抗がん剤治療となる。

以下、質問です。

① 浸潤径が20mmを越えると思われるのにマンモトーム生検で浸潤癌が取れないというのはよくあることなのですか?
マンモトーム生検でも非浸潤しか取れなかったため非浸潤の可能性があるといわれていたのですが、アポクリン癌=浸潤癌とのことで、突然20mmを越える浸潤癌と言われて困惑しています。

非浸潤しか取れてないというマンモトーム生検でアポクリン癌と言われたのですが、
アポクリン癌=浸潤癌というのはどういうことでしょうか?

② ki-67の値は出されていません。
担当医からはki-67はルミナールタイプの予後因子にはなるが、トリプルネガティブの予後因子とはならない。
と言われましたがそうなのですか?

③ 私のようなトリプルネガティブのアポクリン癌でリンパ節転移がなく、ki-67が低かった場合でも、浸潤径が20mmというのはやはり抗がん剤をするべきでしょうか?

④ 「センチネルリンパ節への微小転移では、腋窩リンパ節郭清は省略しますが、それは術後化学療法をする場合」と言われました。

リンパ節転移がなかった場合は病理検査を待てるのですが、あった場合どうするかを手術までに決めなくてはなりません。

リンパ節郭清するくらいなら抗がん剤治療を選ぶべきでしょうか?
そもそもki-67が低かった場合、その微小転移が抗がん剤で消えるのか?も疑問です。

⑤ ②④と被りますが、術前検査ではリンパ節転移はないようですが、もし微小ではなく複数転移があった場合、田澤先生なら術後化学療法を行いますか?
ki-67の値が参考となる場合、何%以上を化学療法の対象としますか?
また行った場合、上乗せ効果はどのくらいになりますか?

全然まとまりまっておりませんが、ご教示お願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

根本的なことですが…
「リンパ節転移」と「抗がん剤」は無関係です。(担当医の「リンパ節転移=抗がん剤」という考え方には全く賛成しません)

主治医がなんと言おうと…
「造影MRIでは浸潤癌との判定」というのは、馬鹿げている。
マンモトームで「非浸潤癌の診断」である以上、(現時点では「非浸潤癌の診断」であり)「浸潤癌と決めつける」のは全くナンセンスです。

「マンモトーム生検の結果、トリプルネガティブのアポクリン癌」
「3つとった組織からは浸潤癌は見つからなかった」

⇒非浸潤癌でサブタイプ(ER, PgR, HER2)を検索すること自体全くナンセンスです。

「アポクリン癌=浸潤癌というのはどういうことでしょうか?」
⇒その主治医のいう事は全く矛盾しています。

 「アポクリン癌」ということも「浸潤部分が見つからない」というのも、両方病理所見なわけですから、
 現時点では apocline cancer, non invasiveとなります。

「担当医からはki-67はルミナールタイプの予後因子にはなるが、トリプルネガティブの予後因子とはならない。」
⇒そもそも(ルミナールタイプでも)予後因子ではありません。

 あくまでも(ルミナールタイプにおいて)「抗がん剤を併用すべきか?」の参考にしているだけです。
 〇ただし、(ルミナールタイプでなくても)「アポクリン癌や粘液癌など大人しい特殊型」において抗がん剤すべきか?の参考にはなります。

「トリプルネガティブのアポクリン癌でリンパ節転移がなく、ki-67が低かった場合でも、浸潤径が20mmというのはやはり抗がん剤をするべきでしょうか?」
⇒現時点で質問者が「浸潤径20mm」とは確定してませんが…

(もしも20mmの浸潤径だとしても)「Ki67が十分に低い(たとえば一桁など)」
場合には(アポクリン癌や粘液癌では)抗がん剤の効果を期待する根拠がありません。
 ♯特殊型においてはガイドラインでは(管状癌や腺様嚢胞癌など極めて予後良好な組織型を除いて)「サブタイプに応じた薬物療法」が推奨されていることは承知の上で、
  ★私なら「トリプルネガティブのアポクリン癌」でも「Ki67が一桁」の場合には「無治療を提案」しています。(ガイドラインもお話ししたうえで)
   

「「センチネルリンパ節への微小転移では、腋窩リンパ節郭清は省略しますが、それは術後化学療法をする場合」と言われました。」
⇒かなり「めちゃくちゃ」な基準となってます。(局所治療と全身治療を混ぜ合わせている。全くナンセンス)

 微小転移では(抗がん剤などの有無とは無関係に)郭清省略が一般的です。『今週のコラム 144回目  肉眼的転移では 追加郭清>郭清省略なのです』をご参照のこと。

「リンパ節郭清するくらいなら抗がん剤治療を選ぶべきでしょうか?」
⇒全く無関係です。

 リンパ節郭清は(全身治療である)「抗がん剤をするかどうか?」とは全く無関係に決めましょう。

「微小転移が抗がん剤で消えるのか?も疑問」
⇒また違う勘違いがありそうです。

 「微小転移であれば、郭清省略する」というのは、「身体の中に微小転移が残って
いる」わけではありません。
 ★あくまでも「取ったリンパ節に微小転移があった」というだけの話であり、通常は「その残りのリンパ節には転移は無いのです(だから、郭清省略が推奨されるのです)」

「もし微小ではなく複数転移があった場合、田澤先生なら術後化学療法を行いますか? 」
⇒抗がん剤は「リンパ節転移とは無関係」

 微小転移⇒郭清省略
 肉眼的転移⇒腋窩郭清

 〇物事はシンプルに考えましょう。
  それと「全身療法として抗がん剤をすべきか?」は全く無関係なのです。

「ki-67の値が参考となる場合、何%以上を化学療法の対象としますか?」
⇒「一桁」なら勧めませんが、それ以上の場合には「トリプルネガティブの基本は化学療法です」と勧めます。

「また行った場合、上乗せ効果はどのくらいになりますか?」
⇒それは「誰にも」わかりません。(特に「特殊型」に限定した臨床試験など存在しないのです)

「全然まとまりまっておりませんが、ご教示お願い致します。」
⇒担当医により「無駄に混乱させられている」ようです。

 以下を参考にしてください。

治療は「局所療法」と「全身療法」に明確に分ける。

〇「局所療法」
 1.乳腺に対して⇒(質問者は全摘しているから)原則として「術後放射線は不要
(リンパ節転移4個以上なら照射の適応あり)
 2.腋窩リンパ節に対して⇒「センチネルリンパ節生検の取り扱い」は事前に(主治医と)協議する必要があります。 
                「微小転移なら郭清省略」が最も一般的:ガイドライン「強く」推奨
                「肉眼的転移が2個以内なら、術後照射を前提として郭清省略」:ガイドライン「弱く」推奨

〇「全身療法」
 局所療法とは『完全に無関係に』サブタイプに応じた薬物療法を行う。
 ★「リンパ節転移があったら抗がん剤」など全くナンセンス





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