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悪性葉状腫瘍について

[管理番号:6252]
性別:女性
年齢:25歳
はじめまして。
こんにちは。
お忙しいと思いますが先生にご意見いただきたく質問させていただきます。
2年前より左胸に2cm程のしこりがあり。
その時ネットでいろいろと調べてみて
乳腺のしこりの8.9割が線維腺腫である事。
触るとよく動く事、年齢的にも線維腺腫だろうと自己判断し放置してました。
その間大きくなった印象はあまりなかったのですが、
去年結婚が決まり、念のために診てもらう事にし診察を受けた結果、2.4cm程の線維腺腫と診断されその際の細胞診では良性でした。
次は半年後に来るよう言われたのですが2.3ヶ月で大きくなったように感じ再度診察。
4cm程度まで大きくなっていたため摘出手術を行う事にしました。
手術は乳輪の左半分と乳輪から左横に2cm程メスを入れています。
マージンは1cmほど付けているそうです。
後日でた病理検査の結果が異型細胞があるため境界悪性から悪性の所見ですが年齢や初発である事を考えると疑問が残るため再度セカンドオピニオン病理を行うという事でした。
そしてそのセカンドオピニオン病理の結果が悪性葉状腫瘍でした。
特に追加手術はせず、経過観察をしっかりし再発した際は左乳房全摘も視野にいれ治療を考えましょう。
との事でした。
セカンドオピニオン病理の検査報告が下記のような内容です。
腫瘤は4.0×3.5×2.2cm大、境界は比較的明瞭です。
間質細胞に異形があり悪性です。
核分裂像は目立ちませんが、程々に認められます。
軟骨形成傾向にあるようです。
上皮成分周囲に異型細胞が目立ちますが、これは筋上皮細胞ではなく間質の腫瘍細胞です。
筋上皮細胞はこれらの異型細胞の内側に存在します。
切除端に病変が露出しているようです。
これらの内容から少し質問があります。
①先生の他の悪性葉状腫瘍の方へのお答えを見ていると私の4cmというのは悪性にしては小さいのかな?と思っています。
葉状腫瘍は再発に注意をしなくてはいけないと学びましたが腫瘍の大きさと再発や転移のしやすさは関係ないのでしょうか?
②悪性の場合、肺などに遠隔転移する事があるみたいですが乳房に再発する前にいきなり肺に転移してしまう事もありますか?
③今悪性葉状腫瘍で苦しんでいる方には失礼かもしれませんが悪性葉状腫瘍の5年生存率が思ったより低くく不安です。
亡くなる場合はよっぽどひどい状態(誰が見ても)になっている状態なのですか?
④これから結婚を控え、もちろん子供も欲しいです。
葉状腫瘍に妊娠の影響はありませんか?
2年再発しないのを待つべきでしょうか?
⑤今術後40日ですがたまに傷の辺りがズキズキと傷みます。
これはただの術後の痛みでしょうか?再発の予兆とかではないですよね?
年齢的にもまだ若く、
これから女性としての転機を迎える身としてとても不安でショックでした。
先生のご意見をいただいて現実を受け止め気持ちをしっかり立てたいと思っております。
大変お忙しいと思いますがご回答よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
結果として悪性葉状腫瘍という診断で「マージン1cmの手術(結果として露出との病理診断)が十分なのか?」どうか?というところが焦点となります。
一般論として…
「悪性葉状腫瘍=全摘」では勿論ありませんが、(放射線や薬物療法など)「癌とは異なり、手術が唯一の治療法」である葉状腫瘍においては(癌以上に)「マージンには慎重になるべき」だとは思います。
「腫瘍の大きさと再発や転移のしやすさは関係ないのでしょうか?」
⇒関係あります。
「②悪性の場合、肺などに遠隔転移する事があるみたいですが乳房に再発する前にいきなり肺に転移してしまう事もありますか?」
⇒その通りです。
 局所再発(乳腺に残存していた腫瘍細胞が増殖)と遠隔転移再発(血行性に転移)とは全く異なります。
「亡くなる場合はよっぽどひどい状態(誰が見ても)になっている状態なのですか?」
⇒この回答の真意が正確にはわかりませんが…
 手術する時点で「こんなになるまで放っておくなんて…」という状態のことを言っているとしたら、そう言うケースばかりではありません。
「葉状腫瘍に妊娠の影響はありませんか?」
⇒ありません。
「2年再発しないのを待つべきでしょうか?」
⇒その必要はありません。
「これはただの術後の痛みでしょうか?再発の予兆とかではないですよね?」
⇒「痛みが再発の予兆」などということはありません。