[管理番号:13064]
性別:女性
年齢:47
病名:浸潤性乳管がん
症状:
投稿日:2025年09月10日
田澤先生、
この度乳がんの診断を受け、先生のご意見を伺いたいと思い質問をさせていただきます。
・浸潤性乳管がん、充実パターン、HG3、NG3
・ステージ:2B~3A相当
・腫瘍の大きさ:右胸 18mm 右腋窩 4cmくらい
PET、MRI等の検査を受け、遠隔転移はないとのことでしたが
サブタイプやKI67、遺伝子検査の結果はまだ出ていません。
リンパ節の腫瘍が大きいため、術前に抗がん剤治療をする見込みと言われております。
温存療法を希望するのでなければ基本的に手術を先に行う、というのが先生のご意見と理解しておりますが
私のように脇のリンパの腫瘍が大きい場合、術前化学療法を勧めますでしょうか。
(趣味がワークアウトなので、腋窩郭清を行ったあとの後遺症のリスクはできるだけ減らしたいと思います。
腫瘍の大きさと腋窩郭清の難易度は一般的に比例しますか?)
毎年マンモグラフィーとエコーと交互に検査を受けており、昨年8月の検査では問題なく
今年7月に脇のしこりに自分で気づき、クリニックを受診→その場で生検となりました。
1年ほどでこの大きさになるということは比較的進行が速いのかな?という気がし、
先生が仰っていたと思いますがもし抗がん剤があまり効かなかった場合が心配です。
ご多用のところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
リンパ節転移=術前抗がん剤と考える医師にとっては腋窩郭清自体がストレスなのでしょう。(それを自身が避けたいがために、術前抗がん剤をごり押しする。無論、表面上は尤もらしい理由:全身に癌細胞が広がるような広がらないようなみたいな…をつけて)
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これについては今週のコラム514回目 乳腺外科医としての幅 をご覧ください。
リンパ節が大きい? そんなことは何の言い訳にもなりません。
それよりも術前抗がん剤をごり押しして一見リンパ節が無くなった(但し、それはあくまでも肉眼的レベルであり、顕微鏡レベルでは残存している可能性があるのだから、抗がん剤前の部位も全て綺麗に郭清しないと再発リスクとなるのですが…)ようにして、自分の幅(かなり狭い)での手術を行う
これでは、「誰のための手術なのか?」本末転倒といえます。
やはり術前抗がん剤の最大の問題は、(顕微鏡レベルに小さくなった)癌の取り残しとなります。
シンプルにすべての病変を取り除くだけの技量があれば、普通に手術を行うべきなのです。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/9/26
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