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病理検査の結果について

[管理番号:12690]
性別:女性
年齢:36
病名:
症状:
投稿日:2025年05月07日

こんにちは。いつも田澤先生のコラムやQ&Aで勉強させていただいています。
<経緯>
 2月 女性ドックで経過観察(1年後再検査とのことだった)
 3月 不安があったので乳腺クリニック受診。「マンモには映らない。エコーでは良性に見えるが、はっきりさせるには生検が必要。経過観察でもいいと思うが…」と言われ、生検を依頼。
    その後、アポクリン癌とアポクリン硬化病変の判別が困難なため免疫組織検査を追加
 4月 アポクリン癌と診断
    別の病院を紹介してもらい、現在MRIなど検査待ち中。
<質問>
 診断後の初診で聞きそびれてしまい、田澤先生にお尋ねします。
 病理検査報告書には、「アポクリン分化を示す細胞はサイトケラチン(AE1/AE3)陽性で、サイトケラチン5/6およびp63陽性の筋上皮細胞の縁取りがないことが確認されました。従って、アポクリン分化を示す湿潤性乳癌(アポクリン腺癌)として報告します。mSBR GradeⅡに相当します。切片上の計測では少なくとも5㎜の範囲で湿潤しています。背景には増殖型繊維膿胞性変化(乳腺症)が認められます。」とあります。
 ①サイトケラチン等陽性の場合は、良性の所見に多いとコラムで拝見したように思います。筋上皮細胞の縁取りがない=癌ということでよろしいのでしょうか。診断を否定したいわけではなく、病理検査の結果を自分で理解して納得した上で、治療に臨みたいと思っています。
 ②主治医の所見では、しこりにも触れないくらい初期なのでまずは手術ということですが、今後詳しい検査等をしてそれがひっくり返る(ステージが進んだり転移していたり…)ことはあるのでしょうか。
 ③次回MRIで癌の広がりをみるとのことでした。私のように乳腺症が背景にある場合、その乳腺症の部分まで広がりとして映ってしまうことはあるのでしょうか。癌だけをMRIまたはエコーで確認することはできるのでしょうか。

前回初診の際は、まだ自分が癌であると言う受け止めができず精神状態も不安定だったこともあり、聞きたいことが聞けませんでした。次回からはメモをして主治医の先生と積極的にコミュニケーションを取っていきたいと思っています。お忙しいところ恐縮ですが、回答いただけると幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

 ①サイトケラチン等陽性の場合は、良性の所見に多いとコラムで拝見したように思います。筋上皮細胞の縁取りがない=癌ということでよろしいのでしょうか。診断を否定したいわけではなく、病理検査の結果を自分で理解して納得した上で、治療に臨みたいと思っています。
⇒所謂2層性の消失=癌の所見です。
 つまり癌細胞がmonoclonalに増殖(正常細胞のように、筋上皮を伴わずに癌細胞だけが増殖)ということです。

 ②主治医の所見では、しこりにも触れないくらい初期なのでまずは手術ということですが、今後詳しい検査等をしてそれがひっくり返る(ステージが進んだり転移していたり…)ことはあるのでしょうか。
⇒考える必要が全くありません。

 ③次回MRIで癌の広がりをみるとのことでした。私のように乳腺症が背景にある場合、その乳腺症の部分まで広がりとして映ってしまうことはあるのでしょうか。癌だけをMRIまたはエコーで確認することはできるのでしょうか。
⇒乳腺症も造影される可能性は確かにあります。
その際には「MRIでは評価困難」として超音波所見を主として拡がり診断となります。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/5/28
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