[管理番号:12505]
性別:女性
年齢:52
病名:浸潤性乳管癌 切除断端 陰性 浸潤経 50mm以上
リンパ節転移 23個中15個(レベルは記載なし)
脈管侵襲 あり
リンパ管侵襲 あり
ステージ3c
ER 陽性95%
PgR 陽性60%
HER2 1 陰性
Ki-67 90%
核グレード 3
組織学的グレード 3
症状:最近、一瞬ズキッとする頭痛や目元の痛み、鎖骨周辺から首にかけて(特に右)コリや突っ張った感じの違和感があります。
現状、抗がん剤の副作用の自覚症状は軽く、
日常生活、運動もこれまで通りに過ごせています。ただ、大事にしてきた髪を失うことへの恐怖が非常に大きく、この先のメンタル面がとても不安です。
投稿日:2025年02月21日
ルミナールBで左胸全摘、術後抗がん剤(ddEC療法)を2クールを終え、(ddEC4
クールとddパクリタキセル4クールの予定)
3クール目の事前血液検査で、肝臓の数値が悪く(ALP 術前 81??術後 81??
抗がん剤初回投与2週間後 139??
抗がん剤2回目投与2週間後 172
ΓGTP 31??32??79??92
AST 16??18??30??90
ALT 12??14??61??151)
3クール目を延期、
同時に腫瘍マーカーが上昇していたのと
(CA15-3 28.9??27.6??34.3??37.2
CEA 1.8??1.5??1.3??1.5)
鎖骨辺りから首の違和感を感じているので、
追加のCT検査(頚から骨盤)をしてもらいました。
結果、術前よりあった肝臓の嚢胞が少し大きくなっているとのことで、来週肝臓の超音波検査を受ける予定です。
質問①
抗がん剤の影響で良性の嚢胞が無害で大きくなることはありますか?遠隔転移の可能性が高いでしょうか?
質問②
鎖骨から首の違和感がある場合、この部分の超音波検査もしてもらうべきでしょうか?
質問③
ルミナールHer2陰性ということもあり、抗がん剤が効いているのか疑問です。
この先も抗がん剤を続けた方が良いのでしょうか?
血液検査の結果で、白血球(6.03??13.07)と好中球(3.92??10.24)はジーラスタ注射のおかげ?か増加しているにもかかわらず、
リンパ球は減少(17.1??9.3)しており、癌がさらに進行しそうで不安です。
Ki-67値が90%と高いですし、もし抗がん剤が効いてないのであれば、まだ生理もある(3ヶ月ほど止まっていましたが抗がん剤投与後に生理が再開しました)ので、
早くホルモン療法(10年とベージニオ2年の予定)と放射線治療(胸壁と鎖骨上の予定)を始めた方が良いのではないか?と、素人的には思ってしまいます。
ホルモン療法やベージニオ、放射線治療だけで再発を防ぐのは難しいのでしょうか?
このまま、抗がん剤治療を続けた場合、再発率はどの程度下がるのでしょうか?
抗がん剤による脱毛への恐怖が想像以上に大きく(現在は頭皮冷却のおかげでもみ上げ部分のみ脱毛)
出来れば、抗がん剤治療を中止したいと思っています。
今後の治療について、田澤先生のご意見をお聞かせいただければと思います。
勉強不足の部分が多々あると思いますが、
どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
★CA15-3は抗がん剤に(再発とは全く無関係に)上昇することは抗癌剤を日常的に行っている乳腺外科医ならば「ごく自然に」経験します。(特に肝機能障害を伴う場合には、それは顕著となります)
今回も「ほぼ」このケースに相当すると(私は)率直に思います。
質問①
抗がん剤の影響で良性の嚢胞が無害で大きくなることはありますか?遠隔転移の可能性が高いでしょうか?
⇒勿論、嚢胞とは無関係
冒頭★にコメントした通り、抗癌剤による影響でしょう(経験的に)★★
質問②
鎖骨から首の違和感がある場合、この部分の超音波検査もしてもらうべきでしょうか?
⇒それは「典型的な」ホルモン刺激症状であり、転移とは100%無関係でしょう。
(質問者の年齢や抗癌剤による卵巣毒性による)
質問③
ルミナールHer2陰性ということもあり、抗がん剤が効いているのか疑問です。
この先も抗がん剤を続けた方が良いのでしょうか?
⇒肝機能次第です。
***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/3/11
***
質問者様から 【質問2】
ルミナールbステージ3cの術後補助療法と再発率と生存率について
性別:女性
年齢:53
病名:浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2025年03月11日
先日はお忙しい中、早急にご回答下さりありがとうございました。
主治医との面談と3回目の抗がん剤の前に、田澤先生のご見解を伺え、安心して次の治療に進むことができました。心より感謝しております。
おかげさまで、肝数値が改善し、
(ALP93 GTP51 AST38 ALT63)
ウルソを服用しながら抗がん剤3回目終了。
明後日より4クール目の予定です。
CTで肥大して見えた肝臓の嚢胞は、造影剤なしの超音波検査で確認できませんでした。(うっすらと写ってるようにも見えるが、分からないので、経過観察と言われました。)
昨年12月の全摘手術後、主治医には術後補助療法をしなければ、再発率は90%と言われ、
とにかく恐ろしくて、
それをすることによって再発率がどのくらい下がってくれるのか、
また、補助療法後の5年、10年の生存率がどのくらいなのか、については質問出来ずにいます。
質問①
私のような病状の場合、
(ルミナールb、ステージ3c、ki-67 90%、核グレード3、組織学的グレード3)
田澤先生なら、どのような術後補助療法をお考えになりますでしょうか?
質問②
その術後補助療法によって、再発率はどの程度下がるでしょうか?
質問③
5年、10年の生存率を教えてください。
質問④
また肝臓の数値が上がり、抗がん剤投与の間隔が延びたり、回数が減ると、
それにより、生存率や、再発率はどのくらい変わるのでしょうか?
質問⑤
CTで確認できた嚢胞が、2週間後の超音波検査で見えないことは、よくあることでしょうか?
消化器内科の先生は検査前に「肝転移を疑っての検査ですね」と言われたのに、造影剤を使わずに超音波検査をされ、結果、見えなかったと診断されました。
検査の後、乳腺外科の主治医の先生に、「造影剤は使わなかったんですか?」と
ちょっと驚ろいたように聞かれ、消化器内科の先生に少し不信感を抱いてしまっています。
私の気にし過ぎでしょうか…?
以上、たくさんの質問で申し訳ありませんが、ぜひ田澤先生のご意見をお聞かせいただきたく、よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
質問①
私のような病状の場合、
(ルミナールb、ステージ3c、ki-67 90%、核グレード3、組織学的グレード3)
田澤先生なら、どのような術後補助療法をお考えになりますでしょうか?
⇒主治医がやっているように…
標準治療です。
Anthracycline+taxane⇒radiation(PMRT⇒abemaciclib+hormone therapy(2y)⇒
hormone therapy
質問②
その術後補助療法によって、再発率はどの程度下がるでしょうか?
質問③
5年、10年の生存率を教えてください。
⇒無論、あくまでも私の経験則ですが…
再発率は無治療で35%前後
全ての治療の完遂で15%改善
質問④
また肝臓の数値が上がり、抗がん剤投与の間隔が延びたり、回数が減ると、
それにより、生存率や、再発率はどのくらい変わるのでしょうか?
⇒そんな細かいことは気にしないようにしましょう。(上記回答参考に)
質問⑤
CTで確認できた嚢胞が、2週間後の超音波検査で見えないことは、よくあることでしょうか?
消化器内科の先生は検査前に「肝転移を疑っての検査ですね」と言われたのに、造影剤を使わずに超音波検査をされ、結果、見えなかったと診断されました。
検査の後、乳腺外科の主治医の先生に、「造影剤は使わなかったんですか?」とちょっと驚ろいたように聞かれ、消化器内科の先生に少し不信感を抱いてしまっています。
私の気にし過ぎでしょうか…?
⇒これは、質問者なのか担当医なのか(それとも両者なのか)完全な思い違いですよ。
抗癌剤中の肝機能障害で「肝転移を疑う」なんてナンセンス極まりない!
無論、薬剤性の肝機能障害です。
★基本的に抗がん剤中の症状は(転移再発の出現か?などとは考え巣に)抗がん剤の副作用と考えるべき(頻度からして)なのです。
そんな肝嚢胞などきにしないようにしましょう。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/3/31
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